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中学受験 将棋 ミステリー 小説 赤星香一郎
2021年1月5日 06:46
歌人だった義父の短歌集が、実家で見つかった。ずっと探していたものだ。歌集の著者近影で、息子は初めておじいちゃんの顔を知る。「へえ、ボクのおじいちゃんって、こんな人だったんだねえ」としみじみ呟く。私は義父の短歌を見ると、糸魚川のことを思い出す。・海くらき果てより冬の牙かぎりなし涛は悲痛に息まざるなり初めて見た北陸の冬の海は、まさにこんな感じだった。・冬海の涛がみがきし翡翠一顆
原井浮世
2021年2月25日 20:35
中国の雲南省。標高2400mの地に、ナシ族が暮らす古都「麗江」がある。この街を見下ろすのは、5000m級の霊峰「玉龍雪山(ぎょくりゅうせつざん)」。その名の通り、山の稜線は龍のようにうねっていて、龍の背には白くて美しい雪が積もっている。玉龍雪山の雪解け水は、大地に染み込み、清らかな湧き水となってこの街に注がれる。麗江の街には、「水路」がまるで迷路のように隅々まで張り巡らされていて、