原井浮世

雑記です。日常、読書、旅、回想、思索を中心に書いています。読んでいただきありがとうございます!こちらからも順番に訪問させていただきます!

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■旅の記憶 サンパウロの雨 麗江を流れる雪解け水 ミャンマーでケマウジーという男に出会った ラダックでのヒッチハイク 色節の島 (※1) 祈り チチカカ湖上のハッピーバースデー(※2) ダライ・ラマ法王に会いに行った話 ■ごくたま日記 春眠 道草の花 春の香り 暑中見舞い この夏のキャンプは雨でした 枝豆の魅惑 秋に晴れた日の車内で 春菊の種をまきたかったけど 見知らぬおばあちゃんとのわずかな会話 50m走に挑む君へ キャンプめし 秋陽 愁色 片方の手袋 ピアノの響き

    • 温故知新

      「働くってこととは、何か違うんだよなあ」 満員電車の車内で、つり革につかまっていると、たしかにそう聞こえた。いつかどこかで聞いたような言葉だ。誰かの声で。 思わず周囲を見渡した。僕の勘違いだろうか。思考を巡らせながら、目を閉じることにした。 「働くってこととは、何か違うんだよなあ」 また聞こえた。夢とも現実ともわからなくなった。徐々に思考がまどろんでゆく。 ***** あれは、僕が就職活動をしていたときのことだ。 大学生の僕は、慣れないリクルートスーツとピカピカ

      • 厚意

        照り付ける太陽。けたたましく響くセミの声。 さえぎるものが何もない。不快な道。 アスファルトからの熱気。脇を過ぎ去る大型車の轟音。 舞い上がる砂ぼこり。 首筋と背中に滲む汗。 それを横目に勝ち誇るのは道端の雑草たち。 もう、随分と耐え忍び、この不快な道を歩いてきた。 ここまで来れば先が見える。 しかし、先が見えているからこそ、この道のりが遠いことも知っている。 このあとは、長い上り坂がしばらく続く。 ああ暑い。暑すぎる。とにかく暑い。気が滅入る。 もちろん、一歩一

        • バンコクでバイタクに乗って考えた

          久しぶりにタイのバンコクに行きました。 片側6車線の道路にいろいろな車がひしめき合って大渋滞。 そんな光景が広がっていました。 今回、初めて「バイタク」に乗りました。 お客はバイクの後ろに跨がって、目的地まで運んでもらうバイクのタクシー。 バイクだから渋滞なんてお構いなし。車の間をすり抜ける。 実際に乗ってみて、最初のうちは良かったです。 おっちゃんが運転するバイクはとっても快適。 ところがです。渋滞ゾーンに入っていくと、例のすり抜けが始まります。 「あーぶ

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          野菜と時間

          白菜、キャベツ、ブロッコリー。 大根、にんじん、ほうれん草。 そのほか、たくさんの冬野菜が獲れました。 ***** 家の近くに畑を借りて、野菜の育て方を教わって、ちょうど2年が経ちました。 週末の気晴らしとしてはとてもいい趣味を見つけたと思っています。 ***** おひさまが昇って、おひさまが沈む。 地球は24時間で自転しています。 春夏秋冬と季節が巡る。 地球は365日で公転しています。 きっと、大自然の時間のようなもの、言い換えれば、大地のリズムとい

          野菜と時間

          マグロをまるごと1匹解体する

          週末、我が家にマグロがまるごと1匹届きました。 そして、人生で初めて、マグロを1匹解体するという経験をしました。 気分はすっかり「すしざんまい!」なのです!! ***** ことの発端は、昨年末のふるさと納税です。 これまでふるさと納税というものをやっていなかったのですが、今回、知人に勧められるがままに手続きをしました。 なるほど、たしかに寄付先を選ぶのはとっても楽しい。返礼品をいただけるのはとってもお得。 もっと早くからやっていればよかった。素直にそう思いました

          マグロをまるごと1匹解体する

          あったか~い場所

          また、スマホのアラームが鳴った。 冬の朝である。 ***** ああ、出たくない。 このあったか~いおふとんから出たくない。 決して睡眠不足ではない。むしろ十分に寝た。 それでももっと寝ていたい。なぜだろう。 それはおふとんの中があったか~いからだ。 裏を返せば、おふとんの外が寒いからだ。 ***** もしも今、このおふとんを出るとしよう。 急激な温度変化は体内の血管を収縮させる。 血管が収縮すれば血圧が上昇する。 血圧の上昇は様々な病態を引き起こす。 おそらく

          あったか~い場所

          年始のご挨拶

          あけましておめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 ***** 正月は初もうでに行きました。近所の神社です。 おそらく昔から親しまれているのでしょう。 鳥居をくぐると、高い木々に囲まれます。 鎮守の森です。 参道の両わきに提灯が掲げられています。 正面に急な石段が見えてきて、 最後まで登りきると広場に出ます。 玉砂利が敷かれています。 そこに拝殿があります。 何とも清々しく、神聖な気持ちになります。 ***** おみくじは「末吉」でした。

          年始のご挨拶

          赤雲

          それを話したところで一体誰が信じるのだろうか。 ***** 古い公営団地が侘しく立ち並ぶ迷路のような道を、男は寒風に逆らうようにしてせかせかと歩いていた。 「本当に見たのか?」 「本当に聞いたのか?」 「そんなはずはないだろう」 随分とそんなやりとりをしてきたもんだ。全く飽き飽きする。 もちろん信じるか信じないかは個々人の勝手である。たとえ、目の前にいる人よりも、遠くの他人を信じたとしても構わない。 しかし、当人が「見た」と言っているものを、どうして他人が「違う」

          あわいの景色(「車のいろは空のいろ 白いぼうし 読書感想文」)

          空を飛べると信じていました。 雲に包まれたいと思っていました。 たんぽぽの綿毛を追いかけて、つつじの蜜を味わいました。 夕立後の土の匂いに分け入って、草木のジャングルを冒険しました。 渡り鳥の歌を聴きながら、落ち葉の布団で眠りました。 舞い落ちる雪をそのまま食べて、夜空の星に手を伸ばしました。 草木も花も星も動物も、みんなと話ができました。 感じたことのひとつひとつの風景が、心の奥に沁みてゆきました。 ***** たくさんの知識を身につけて、大人と呼ばれるようになりま

          あわいの景色(「車のいろは空のいろ 白いぼうし 読書感想文」)

          おやしらずを抜く

          先日、親知らずを抜きました。 我ながら成長したなあと感じるのです。 ちょっと何を言っているのか、わからないと思いますが・・・ ***** 要は、歯医者さんが苦手なんです。 それは、子どもの頃に通った歯医者さんが影響しています。 その歯医者さんは、いつまで経っても治療が終わらないんです。 次はこれやります。次はこれやります。次はこれ・・・と。 最初から言ってよと思うんです。 そのうち、わざと治療を長引かせているんじゃないかと、ものすごく疑心暗鬼になって、その歯

          おやしらずを抜く

          「おおまさり」との格闘

          先日、畑で育てた落花生を収穫しました。 「おおまさり」という品種なんですが、株を引き抜いてビックリです。 とにかくデカイ。普通の落花生の2倍はある。なかなかのインパクトなんです。 さて、この巨大な「おおまさり」ですが、生のものを「塩茹で」して食べるのがデフォルトらしいのです。 塩茹での作り方は、聞くところによれば、4%の食塩水で40分茹でて、火を止めて40分放置する。 4%、40分、40分の3つの「4」がポイントだそうです。 ***** 早速、採れたての生落花生

          「おおまさり」との格闘

          まくらの硬さについて

          この度、まくらを替えてみました。 これまでは、硬め、高め、ウレタン、低反発のまくらを使っていました。 今回は、ごくごく「普通」のポリエステルまくらにしました。 万人受けする平均的なモデルだとメーカーが薦めるものです。 すると、これがすこぶる調子良いのです。 最初からこれにすればよかった・・・。 ***** なぜか、まくらだけは、普通のものを選ばずに「硬め」を選んでしまうのです。 なぜだろうと考えてみると、昔、先輩によく連れていかれたラーメン屋の影響ではないかと

          まくらの硬さについて

          コーヒーの変わり目

          いつも飲んでいるコーヒーが、アイスからホットに変わりました。 コーヒーは、ほぼ毎日のように飲んでいます。 さしてこだわりはありませんが、大好きです。 ***** 先日、ある御方に「コーヒーの魅力は何だ」と問われたので、 『癒やし』と『覚醒』であると、答えました。 コーヒーを飲むと、ホッと一息落ち着きます。 コーヒーを飲むと、頭が冴えてスッキリします。 僕にとってのコーヒーの魅力は、癒やしと覚醒なんです。 ***** ところが、その御方は「その答えは危ない」と言

          コーヒーの変わり目

          ラダックでのヒッチハイク

          あの日、僕は、ラダックの大地を小さな原付バイクに跨がって進んでいました。 ***** ラダックとは、インド北部に位置する地域のことです。 そこは、ヒマラヤ山脈とカラコルム山脈に囲まれた高山地帯で、この地に暮らす多くの人はチベット仏教徒です。 チベット文化が息づき、チベット増院や仏像が古いまま残っています。 ***** 僕は「レー(Leh)」という街に数日間滞在しました。 その日は、ラダックの環境に慣れてきたこともあり、小さな原付バイクを借りて、1人でチベット僧院

          ラダックでのヒッチハイク

          色合いの世界

          僕は生まれつき、色の見え方が人と違うらしいのです。いわゆる「色弱」なんです。 ***** 小学生のとき、色覚検査というものを受けて、自分が色弱であることを知りました。 色覚検査、やったことございますでしょうか? カラフルな「つぶつぶモザイク模様」を見て、色の違いで浮かび上がる数字を読み取るあのテストです。色の違いを識別できれば、問題なく数字が見えるようになっています。 当時、同級生のみんなは、「8」とか「12」とか、浮かび上がる数字が読めていましたが、僕にはどうして

          色合いの世界