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おばあちゃんの喫茶店

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おばあちゃんが経営する、小さな喫茶店。 一緒に住んでいる孫のこのは、はなび。 何気ない日常のやり取りを切り取った短編連作。 脚本に近い書き方の短編小説です。 特に先の展開とか考…
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2022年3月の記事一覧

◆小説◆ おばあちゃんの喫茶店15「かみきられた」

はなび「姉ちゃん、風呂空いたー」 パジャマ姿のはなびが畳の部屋にやってくる。 スマホ画面…

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◆小説◆ おばあちゃんの喫茶店14「八朔とおそなえ」

はなび「もおーっ! おばあちゃーん! なんでそういうことすんのー!」 このはが2階から降…

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◆小説◆ おばあちゃんの喫茶店13「さなえの失敗」

このは「はい、これで大丈夫」 このははさなえの足に包帯を巻き、ぽんとその場所を軽く叩く。…

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◆小説◆ おばあちゃんの喫茶店12「お墓参り」

このは「はなびー、お墓参りどうする?」 畳に転がって漫画を読んでいたはなびが、面倒くさそ…

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◆小説◆ おばあちゃんの喫茶店11「悪いニュースといいニュース」

さなえ「このは先輩、なんかいいニュースないんですか?」 このは「は?」 休憩に入るや否や…

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◆小説◆ おばあちゃんの喫茶店10「中央値と平均値」

おばあちゃん「お花を見に行ってきたのよ、新宿に。この前」 このは「へえ」 お店の営業が終…

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◆小説◆ おばあちゃんの喫茶店9「作っても作ってもカレー(後編)」

しゅんしゅんとお湯の湧く音が聞こえる。 静かな喫茶店の店内。 おばあちゃんが慣れた手つきでティーポットやカップを用意している。 三人のこどもたちはカウンターに座り、おばあちゃんのノートを覗き込んでいた。 さなえ「思ってた以上にまじめな話でびっくり」 はなび「おばあちゃんがそこまで考えてるとは思わなかった」 このは「そういや、お店始める前の話だけど」 はなび「え、なに」 さなえ「ここって、どのくらいやってるんです?」 このは「五、六年くらい前じゃないかな。私がまだ小

◆小説◆ おばあちゃんの喫茶店8「作っても作ってもカレー(前編)」

おばあちゃん「もーだめ! 勘弁してちょうだい!」 このは「おばあちゃん、どうしたの!?」…

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◆小説◆ おばあちゃんの喫茶店7「ジャナイカ先輩」

このは「あー、もうめんどくせーなぁ」 スマホをいじりながら、このはは小さく毒づいた。 寝…

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◆小説◆ おばあちゃんの喫茶店6「がんばれ、はなびくん」

学校からの帰り道。 バス通りを歩き、マッサージ屋さんのあたりに差し掛かると急に足が重くな…

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◆小説◆ おばあちゃんの喫茶店5「本当のいいねの裏返し」

さなえ「このは先輩、いいねが欲しいです!」 このは「ん? いいねいいねいいねいいね!」 …

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◆小説◆ おばあちゃんの喫茶店4「初恋は花火のように」

おばあちゃん「ありがとうございました」 お客さんをお見送りすると、おばあちゃんはテーブル…

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◆小説◆ おばあちゃんの喫茶店3「わが家の戦争」

このは「あぁ、もう……なにこの戦争。 両方で全然違うこと言ってて、わけわかんないよ何これ…

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◆小説◆ おばあちゃんの喫茶店2「おなら文化と健康の証」

このは「ねえ、はなびー」 はなび「なんだよ?」 畳に寝そべって漫画を読んでいた弟のはなびは、ごろんと転がって面倒くさそうにこっちを見た。 このは「うちってもしかして、おならに開放的な文化なのかもしれない……」 はなび「は? なに言ってんの」 このは「どうやら、他の人たちは人前でおならをすることが、かなりタブーとされているようなんだよね。 基本的にはあたしおばあちゃんも我慢するんだけど、我慢できなくてしちゃったとしても、別にその、そこまでの恥ではないと思ってるの。 教