辻口勝也
通販ビジネスにおいて重要性の高いリピート客の育成についてまとめたものです。
2020年は多くのお店が通販ビジネスに関心を持った年でした。手軽に始められると言われる割に、何から始めたら良いのか、どう取り組んでいったら良いかは未経験者にはわかりづらいものです。このマガジンでは通販ビジネスの始め方をわかりやすく紹介していきます。
意識を変えるよりも行動を変える方が短期的に成果につなげることができます。意識を変えるのは時間がかかりますが、行動を変えることはすぐにできるからです。 コンサルティングの現場で、経営者の方から意識改革についての相談を受けることがよくあります。自社の社員やリーダー格の人に責任感を持って「自ら考える力」を身につけて欲しいというのです。 そのような時は、教育の一環として、ワークショップを行うようにしています。他社の事例をヒントにして社員達に自社ならどんな取り組みが出来そうかと、自
夜、友人と飲みに行き、最後の会計時に金額を見て、ふと思う。 「思ったより高いな」 気分よく、飲み食いしたが、思いのほか、飲みすぎたのか、思っていたより売価が高かったのかもしれない。 「思っていたより高い」「払う金額がそもそも高い」その状態で、会計時に現金を支払う時に人は心に出費の痛みを感じます。 カジノはなぜ現金ではなくチップで賭けるのか?それはチップを使うことで、お金を払う感覚を忘れさせるためです。100ドル相当のチップと100ドル札では、賭け手の気持ちは変わり
企業が持つ理念や商品が持つ存在意義への共感は、お客様が商品やサービスを利用し続ける理由となります。但し、この場合は発信する理念が万人受けするものではなく、一部の人達に熱狂的に支持されることが条件となります。 アウトドア商品を製造・販売しているパタゴニアの「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」というミッションとビジネスを通じて環境問題に取り組んでいくという姿勢はパタゴニアの商品を愛するお客様に圧倒的な支持と共感を得ています。 https://www.pa
ジャパネットタカタで家電製品を良く買う知人に「大手量販店より価格高いのでは?」と聞いてみると、「そうかもしれないけど、楽だから」と言います。「何が楽なの?」と聞くと、「商品は種類が多すぎて選ぶだけで大変だけど、ジャパネットが扱っているなら安心なので選ぶ時間がいらなく楽だ」と言います。また、「設置や引き取りもしてくれるので面倒がない」とも言います。 私の知人のIさんは70代前半の女性ですが、家電製品を買う時には近所の家電量販店に行き、店員の今井さんを探します。Iさんの今井
お店からの提案が魅力的であったり自分にとっての必要性を感じるものであったりすると、お客様はその提案をきっかけにリピート購入につながります。実店舗であれば、POP、ポスター、スタッフのお声かけ、通販ビジネスであれば、DM、メール、チラシ、電話などが提案の機会になります。 通販ビジネスにおいては、電話・DM・メルマガ・LINEといった手段でお客様に提案を行います。この際に重要になるのが、商品を紹介するチラシやカタログでの表現力になります。お客様は必要性を感じないと商品を購入
いろいろ楽しめるという要素は、品揃えが多いお店にとって継続して商品を購入する要因になります。品揃えの多いお店は買い物の楽しさを提供しているので、お客様も定期的にお店に通う動機になります。 ある化粧品販売会社では、毎月新商品の発売があり、店頭とSNSで紹介をしています。特にSNS経由での発信による新商品の売上は好調で、お客様が楽しみにしていることがうかがえます。 通販ビジネスでは食品通販会社が提案している「頒布会」がわかりやすい例です。「頒布会」は定期コースと違って、
しばらく購入のない休眠客はDMやメールをきっかけにお店や商品を思い出し、リピートすることがあります。これはお客様が特に理由がなく「何となく」商品を購入しなかったために起きる現象です。皆様も自分自身のことで振り返ってみると特に大きな不満があるわけではないのに、「何となく」買わなくなった商品や行かなくなったお店があるのではないでしょうか? お店側はお客様に「飽きられた」「不満を与えてしまった」「嫌われた」と思い込んでしまうのですが、お客様側は「何となく」や「案内が来ない」が
一般的には、単純接触効果と言われますが、人は繰り返し接すると好意度や印象が高まるという効果があります。また、継続して接点を持っていないとお客様はお店や商品・サービスのことを忘れてしまいがちです。そのため、DM・メール・電話・LINE等の手段を使ってお客様と接点を持ち続けることが大切です。何もしないで自発的なリピートを待っているだけではリピートするお客様は限られます。定期的にお客様と接点を持ち続けることが大切です。 ある化粧品通販の会社では年に8回お客様に会報誌DMを送付
ちょっとした心遣いはお客様の印象に残りやすく、お店のファンになるきっかけになります。お客様はお店に対して過剰なサービスや配慮を求めていません。「ちょっとした」というところがポイントです。 化粧品販売店ハッピーフレンドでは「お客様が箱を開けた瞬間に笑顔になるように」ということを意識して商品の梱包を行っています。そのため梱包時に手書きのメッセージを最後に入れ、開けると最初に目に飛び込むようにしています。このお店では箱の外側に「この荷物はやや重いので持ち上げる時、気をつけてく
お店への相談というのは頻繁にあるわけではありませんが、いざという時に気軽に相談できるという状態はお客様へ安心感を与えることができます。コロナ禍でオンライン接客を取り入れるお店が増えましたが、悩みや不安を解消してから購入したい商品やサービスにおいては直接相談できるというのは不可欠な要素です。 通販ビジネスにおいては、顔が見えない、相手がわからないからこそ相談できることもあるという特性があります。家族や友人には話したくないコンプレックスや悩みなど、素性も知らない顔を見ること
お客様は今まで利用してないお店から商品を買ったり、サービスを利用したりする場合には不安を感じるものです。そのため不安を払しょくするために安心感を付与する必要があります。 お店や商品への信頼と言う点で、ブランドはお客様が安心できる最たるものです。お客様に何を約束するのか、そしてその約束を誠実に守っていくことはブランドの価値を高めるために欠かせません。長年培ったブランド力のあるお店はそれだけで有利な要因を持っていると言えます。 ブランド以外でも、販売実績、販売年数、受賞歴や
お店の誠実な対応はお店のファンになるきっかけになります。特にクレームへの対応はお店の誠実さが試される場面です。クレームの内容にもよりますが、お客様はお店側の失敗については寛大な面があり、迅速かつ十分な謝罪があれば収束する場合が大半です。お客様側としてはクレームを言うことにも勇気が必要なので、誠実な対応は最終的に好印象を与えることができます。 食品通販会社D社ではギフトの時期には外部のコールセンターに受電の一部を委託します。その際に、委託先の会社に商品知識だけでなく、経営
馴染みのお店に通い続けるように店員との親しさや人間関係はリピートする要因になります。この要因は売価が高い商品やサービスを提供しているお店ほど重要なものです。高価格帯の商品を購入しているお客様ほど、自分を理解してくれている人から買いたいという想いが強いためです。お店側はお客様との関係が構築できるような体制作りや社員教育が必要となります。 通販ビジネスでもオペレーターを指名で購入するお客様がいますが、対面でなくても人間関係によってリピートを促すことができます。電話で購入履歴
お客様は情報を知れば知るほど、商品やお店へ愛着がわく傾向があります。この時のキーワードは「実は・・・」です。誰もが容易に知ることができる情報はあまり価値がありませんが、そのお店のお客様だからこそ知ることができる情報、それが多ければ多いほど、お客様は価値を感じると共に商品・お店への愛着へとつながっていきます。 商品が持つ情報は付加価値として商品力を高めます。例えば、食品スーパーに行けば緑茶は300円(100g)で買えるのに、なぜ通販で1000円(100g)出して買うお客様
商品やサービスを利用する際に、その良さを徹底して伝え、理解してもらうことで、お客様の頭の中に情報が刷り込まれます。お客様の商品理解が深くなるほど、他に上回る商品やサービスが現れるまでリピートし続けることになります。 初めて商品を購入した時点では、お客様はお店が思う以上に商品について理解が不足した状態にあります。販売する側が豊富な情報を持っていても、お客様は1回、2回聞いただけでは、十分に理解することはできません。商品に自信を持っているお店ほど、情報発信が疎かになる傾向が
昨今、「サブスク」という言葉がよく使われるようになりました。「サブスク」とはサブスクリプションの略で定期的に料金を支払い利用するコンテンツやサービスのことで、商品を「所有」するのではなく「利用」するビジネスモデルです。定期的に利用するというところから、定期コースや頒布会も「サブスク」と呼ばれることが多く、用語として定着したと言えます。古くは、生命保険や携帯電話料金といった商品、最近ではネットフリックスやアマゾンプライムのように毎月定額を払う仕組みによってお客様は自然とリピー