【カフェ営業記】なぜ京都・西陣にお店を構えたのか?
僕は今、京都でLaughterというコーヒーショップを運営しています。
京都西陣に自家焙煎コーヒーショップ「Laughter」をオープンして早3年以上経ちました。
お客さんからよく聞かれるのが、「なぜ西陣でお店を開いたんですか?」という質問。
それは、本当に様々な要素が重なってのことなのです。
物件探しを始めたのはコロナ前にさかのぼります。
その頃は、お店へのアクセスも重要視していたので、まちの中心地や観光地に近いエリアで物件探しをしていました。西陣はどちらかといえばあまり注目しているエリアではなかったです。
一度、市内中心部でこれだ!と言える物件が見つかり、後はハンコを押せば自分たちのものに…
というタイミングでコロナが襲います。家賃的にもスタートからしっかり集客できなければ厳しい立地だったので、いつ人々の往来が再開されるかもわからない状況でお店作りを進めることはできず。
契約直前だったその物件は手放すこととなりました。
コロナが来たことで物件に求める条件をゼロから練り直し、交通アクセスよりも住宅街で地域にちゃんと根が張れるような場所を重要視するようになりました。
コロナの外出制限があっても、あそこならふらっと行けると思われるくらいのお店にしなければとの考えでした。
それでも、「絶対ここ!」というエリアは無かったので、京都市内を広く回っていました。100件以上は内覧したと思います。
その最中で出会ったのが今の物件でした。
広さや賃料など諸々の条件がそろったのはもちろんですが、何より決め手となったのは「間口の広さ」でした。
その昔、京都では間口の広さによって税金が決められていたために、市民はこぞって間口の狭い建物を建てたそう。
この名残で、今でも間口が狭い建物がたくさん残っています。
開放感があってどんな方でも気軽に入ってこれるお店を目指していた僕らにとってはこれがかなり足かせになっていました。
そんなこともあって、内覧でこの間口の広さをみてほぼ即決で今の物件に決めました。
なので、今のような物件を北白川で見つけていたら北白川に。
二条城前で見つけていたら二条城前に出店していたと思います。
それくらいこの物件が持つ間口の広さは僕たちにとって魅力的でした。
なので、なぜ西陣?の答えは今の物件に出会えたからというのが正直なところです。
でも、今になってこの選択は間違っていなかったと胸を張って言えます。
近隣住民の方から、地域でお店をされている方、飲み屋のマスター、まちづくりに奔走されている方に学生さん、西陣織など伝統産業に携わる方まで…
西陣だったからこそ持てたつながりが沢山ありました。
地元や下宿生活ではほとんどなかった「地域のつながり」を肌で感じているこの時間は人生を振り返った時にもかけがえのない時間になっていると思います。
立地柄、いきなりお店が大繁盛するということはなかなか考えづらいですが、色んな意味での信頼を積み重ねていく難しさと楽しさを最初の店舗で身をもって体感したことは今後の自分たちにとって大きな財産になっています。
それに、とにかく西陣は面白い!
歩けば面白いお店や歴史スポットが点在しています。
朝から晩まで一日中楽しめます。
魅力たっぷりの西陣にみなさんもぜひ一度遊びに来てください!