今週の書評欄 20241124週
今週分の、日経、読売などの5大紙の書評欄から。
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●最近のウェブ、広告で読みにくくないですか?
タイトルを見て、うん、そうだねと頷いてしまう。
本書はウェブメディアの歴史を見つつ、これからのあり方を論じる。
ネット上の情報は無料という、わたしたちの認識を変えて、いかに課金してもらってメディアとして存続するか示唆に富みそうな一冊である。
最近はニュースなどに関しても、動画でインフルエンサーが影響を持ち始めていて、さらに生成AIにより検索から生成へという流れもある。そんななかウェブサイト上のテキストメディアは今後どういった形になるか参考になりそう。次の5〜10年でネットメディアも大きく変わるかもしれない。
●ぼっちのままで居場所を見つける―孤独許容社会へ
イギリスが孤独担当大臣を設置しているのは、少し前にニュースになった。
孤独を社会においてどう考えるかは必須になっていると思われる。
しかも個人の権利が拡大し、人それぞれ、他者には踏み込まないみたいな考え方が支配的になると、人とつながる機会もなくなるだろう。
高齢化や、独居世帯の増加も世界的な課題であろう。
本書は、まず孤独をロンリネスとソリチュードに分けて、少し「孤独」の解像度を上げて考えるべきではないかと提案している。
分析対象の映画、漫画、文学も非常にセンスが好きである。
これは読みたい。
●ナチュラルボーンチキン
この物語は、中年版『君たちはどう生きるか』ですと紹介されている。
ルーティンを大事にし、ルーティンに埋没する中年の主人公と、イレギュラーを突き進む同僚との対比がメインのよう。
日々の繰り返す行動、習慣がその人そのものだ。
そして年を重ねるごとに同じ習慣に慣れて、思考停止で繰り返し埋没してしまいがちになる。
ルーティンはすばらしい。だが、ルーティンに埋もれたら思考停止で毎日が過ぎてしまうおそれもあるだろう。頑なにすぎると予測不可能に開かれない。
こんなことを小説の具体的な描写から身に迫って感じることができるのではないか。(読んでませんw)