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  • 3分で読める国際報道

    NHKの報道番組を参考に、コメントをつけています。

最近の記事

今週の書評欄 20241124週

今週分の、日経、読売などの5大紙の書評欄から。 本記事のAmazonリンクは、Amazonアソシエイトプログラムを使用しています。 ●最近のウェブ、広告で読みにくくないですか? タイトルを見て、うん、そうだねと頷いてしまう。 本書はウェブメディアの歴史を見つつ、これからのあり方を論じる。 ネット上の情報は無料という、わたしたちの認識を変えて、いかに課金してもらってメディアとして存続するか示唆に富みそうな一冊である。 最近はニュースなどに関しても、動画でインフルエンサーが影

    • 教員採用、SNSによる民意のうねり

      ●教員採用 どう考えても日程前倒しでなんとかなる話ではないと思う。 家庭や地域で解決すべき問題まで学校に押し付けすぎている感がある。 教員の採用もそうだが、生徒側の反応も不登校という形で顕在化している。 公教育から、N高といった民間へのシフト、そしてAIによる学習サポートと個別化になっていくしか道はないのではないか。 教員の成り手が減少しているとはいえ、子どもの数も70万人を割りそうな今年の試算が出ている。6年後の小学1年生は、約70万人なので学校の統廃合もさらに進むはず

      • 歴史探偵 宮沢賢治と銀河鉄道の夜

        とてもいい番組だった。 宮沢賢治の思いが非常に伝わってくる。 岩手には、やませという太平洋から吹く風で、稲が育たず困った農家があって、餓死者もけっこう出ていたのは知らなかった。そして貧困に悩まされた地域では人身売買も起こっていたと記録がある。 銀河鉄道の夜は、法華経や当時の国柱会との関連をいう研究者もいるが、これだけいろいろな先端知識を持っていたのなら、当然思想関連にも手を伸ばしていただろう。 さそり座のアンタレスを見ながら、さそりの火についての話を聞き、命を差し出せ

        • 佐々木蔵之介と行く 神話と絶景のギリシャ旅 | 絶対と相対、意思決定

          NHK BSの番組を見た感想を。 アポロンの神託あたりの話が一番印象的だった。 ギリシャ神話の特徴は、神だけど人間っぽく語られていて、絶対的存在ではあるが、若干相対化された存在であるという二重性にあるように思った。 対して、ユダヤ、キリスト教では、神の肋骨から人間が似た形で作られた形なので、絶対に神が先じている世界観である。あまり解釈の余白がない。 50分~あたりから紹介されるサラミスの海戦のエピソードでは、アポロンの神託を聞いたギリシャの人々が、神の抽象的な言葉に対し

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        • 3分で読める国際報道
          3本

        記事

          NHK、検察などにもSNSによる影響

          ●NHK 既存のマスメディアは本当に危機的状況だと思うけど、10年くらい前から予想できた事態がそのまま起きているような感じもする。これから”公共放送”を名乗ることは難しくなっていくかもしれない。 ただ、過去のアーカイブ(ドラマ、バラエティ、甲子園、相撲などなど)が充実していて、グローバルにサブスクで公開できる作品が山ほどあると思うので、その辺で資金を作りつつ、報道のあり方を変えていくことは十分に可能なように思える。 あとは、ポリシーとかあり方をどうするかの組織の価値観次第かな

          NHK、検察などにもSNSによる影響

          トランプ・イーロンマスク、ブックオフ

          ●トランプ、イーロンマスク 現代版「政商」になっている。 政府効率化省で、テスラの自動運転関連の規制緩和をしていくという指摘もあるが、ここに関してはあんまり関係ないと思う。 多分、規制緩和の本丸は宇宙関連の打ち上げなどの規制だと思っている。 中国などの独裁的に政治的意思決定をできる方が、これだけ変化のある時代に適しているのではと真面目に論じられるようになったが、アメリカも事実上似たような体制になっている感じがする。 対抗するマスメディアや大学の教養人、文化人たちの影響力も保持

          トランプ・イーロンマスク、ブックオフ

          ニュースインフルエンサーと世論

          マスメディアによる政治世論形成が本格的にネットに移ってきたのが、今年の特徴ではないか。先日の兵庫県知事選でも同様のことが起こっている。 しかも特に県知事自身が意図して狙ったわけでもなく、草の根的に自然発生しているのが兵庫のは特徴だろう。 どちらかというとマスメディア側への不信感の方が大きいのではないか。 自分たちが作った認識を、真実だと押し付けてくる。 その辺の傲慢さから、ネットインフルエンサーの方が信頼できるという感覚になっているのではと思う。 今年は、マスメディアやリ

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          CtoCの困難、遺伝子と親に似てくる問題

          ●C to C  メルカリ、Xの運営がトラブルに陥っているように見える。 理想的には、商取引も、情報発信も民主化されて、誰でも使えるようになったすばらしいという感じなのだが、閾値を超えると途端に収集がつかなくなる現象が散見されている。 Facebookのユーザーが高齢化したように、いまはXの終わりの始まりかもしれない。2、3年後には多くのユーザーが離れて、勇ましいことを言っている人たちが残って罵りあっている場所になっていても不思議はないかなという感じがする。 ユーザー移動先の

          CtoCの困難、遺伝子と親に似てくる問題

          今週の書評欄 20241117週

          今週分の、日経、読売などの5大紙の書評欄から。 本記事のAmazonリンクは、Amazonアソシエイトプログラムを使用しています。 ●略奪される企業価値 自社株買いという制度がイノベーションや社会のある部分の価値を略奪しているのではという指摘。 たぶんいろんな角度の議論が可能そうな話題である。 アクティビストファンドは、経営陣との緊張感を保つ役割があるが、自社株買いによって株価に意図して介入できるという利害は一致していると言っている。 リーマンショック以降、株式市場はそこ

          今週の書評欄 20241117週

          推し活、生成AI、メディアとX

          ●推し活と生成AI 昔は労働力が搾取され、昨今は余暇時間や注意(アテンション)が搾取の対象となっていた。最近は我々のアイデンティティがフロンティアになっているという、ざっくりとした流れだと思う。人が求めているのは、退屈さの解消だと思われる。日常への活力を提供する新しい消費の形になっている。 話は変わるが、生成AIが少しづつ我々の日常生活にも浸透していく時期に入ってきそうだ。「ググる」ことが、当たり前になったようが、ググるという行為が終わり、チャットが普通の行為になるだろうか

          推し活、生成AI、メディアとX

          中国の車暴走事件、独居率と技術活用

          ●中国の車暴走事件 秋葉原事件を連想するような中国での事件。 中国はいまSNS投稿制限による統制を取ろうとしているとの報道。 「極端な事件」を防ぐよう指示との内容があるが、これの行き着く先は常時監視社会だろう。もしテロが止まらないようなら、遺伝子解析情報や生体情報にまで入り込んでくるかもしれない。 日本では、ローンオフェンダー対策課が設置される運びとなっている。 個人の権利拡大と孤立化はセットでさらに進むだろうと想像されるので、単独テロの対策は各国の課題となりそう。イギリ

          中国の車暴走事件、独居率と技術活用

          e-tax改善要望、少しイーロンマスクの政府効率化省を絡めて

          法定調書の書類が届いて、e-tax、eltaxを何度も推奨してくるので、それではこれを使って提出などしてみようと触ったのだけど、使いにくさがえげつない。 この作りで、「利用者の利便性向上」という謳い文句で推薦できるセンス、感性がまったく理解できない。むしろ不利益を被っている気がする。 入力データの途中保存もクラウド上にできないので、逆に無駄な時間とストレスがかかって、鬱になりそう。 なんかよくわからんソフトウェアをPC上にインストールすることを迫られるし、なぜクラウドで

          e-tax改善要望、少しイーロンマスクの政府効率化省を絡めて

          【ドキュメント72時間】東京・足立区 いつものファミレスで

          地域の神社の氏子の集まりで、盆踊りをしている仲間が映されるけど、継手がいないと言っている。ほんとにどこもこんな感じだろうなとしみじみ。 田舎はまだなんとか氏子での清掃活動など持ち堪えているが、みな共働きで核家族で散り散りになっているので、今後誰がここの神社とか地域のメンテナンスをしていくんだろうといつも思う。 土地にゆかりのない人たちが自由に家を建てているので、落ち葉を焼いて煙が出ることにすらクレームが来るようになっている。 おそらく神社や公道の清掃など地域社会が回していた仕

          【ドキュメント72時間】東京・足立区 いつものファミレスで

          結婚と漱石の予言、AI・半導体へ公的支援

          ●少子化、結婚 昨日、夏目漱石の『吾輩は猫である』を読んでいたのだけど、当時から漱石は将来人は結婚ができなくなると書いていることに驚いた。 大家族は核家族と分解され、そして夫婦は不可能な営みになる。 そして、個人(indivisual)にまでバラバラに分けられることを、述べているからすごい。西洋化を目撃していた当時の知識人たちはここまで考えていたのだろうかというくらい、現在の状況を言い当てているように思える。 ●AI・半導体へ公的支援 AIや半導体の生産力を持っていること

          結婚と漱石の予言、AI・半導体へ公的支援

          「理性」vs「感情」の選挙結果

          アメリカ大統領選は、人の感情を「ないもの」として扱うと、必ずバックラッシュが生まれることの一番の例になった結果だったのではないか。 ある程度恵まれていて、この知識社会に適応できて、余裕ある環境にいる人間の感情のなかには、人種差別など「ないもの」にできるだろう。 だが、その日その日をギリギリで、余裕なく生きている場合、他責な感情が湧き上がることは、人間に備わっている性質ではないだろうか。 まさに、セレブを使った選挙集会活動を展開している時点で、感情が置いてけぼりにされていると感

          「理性」vs「感情」の選挙結果

          今週の書評欄 20241110週

          今週分の、日経、読売などの5大紙の書評欄から。 ●西洋の敗北 これはおもしろそう。 西洋のような普遍的で一般性を要求する国家とロシアなどの普遍化に抗う特殊性を要求する国家の対立を論じているようだ。 著者は家族の形、核家族、直系家族、複合家族という形態と文明の形には密接に関連があると主張しているが、本書も家族や宗教、政治経済が国家の無意識的に下支えしている影響を分析しているとのこと。 特に、啓蒙時代から急速に宗教の影響力が削がれ、超越がこの世界の論理から姿を消し始めて久しい。

          今週の書評欄 20241110週