社外活動に怯える人事、経営層へ

ちょっと待って、その考え方

みなさん、こんにちは。私の会社では社会人の視野を広げるために、1日の社外の職業体験をサービスとして提供しているのですが、その話をすると、必ず聞かれる質問があるんです。

「社外を体験したらうちの会社、辞めちゃうんじゃない？」

いやいやいや、何を言っているんだ！？

正直に申し上げると、毎回この質問を受けるたびに、私はちょっと残念な気持ちになってしまうんです。要するに、これって恋愛で言う束縛と同じですよ。気が付いてますか？

恋愛で考えたらどうなる？

恋愛に置き換えてみると腑に落ちるので、ちょっと一緒に考えてみてください。

例えば、彼女なり彼氏が「飲み会行ってくるね！」って言ったとしましょう。そこで「えっ、ダメ！絶対ダメ！」って言っちゃう人、たまにいますよね？「もしかして他の誰かに取られちゃうんじゃ…」みたいな。

恥ずかしながら、私もちょっとそんな傾向があったりもしますが…。まあ、それは目を瞑ってもらって、客観的にそれってかなりヤバい対応だなって思うのです。

考えてみてください。嫉妬心剥き出しにして「飲み会禁止！」なんて言い出したら、それこそ・・・じゃないですか？なんなら「束縛野郎」認定されて、小さな男だなぁと冷められてしまう可能性だってあるわけです。むしろそんなことする暇あったら自分を磨いて、相手が飲み会よりも自分と過ごしたいって思わせる方が良いのです。

信頼することが大切

そもそも、飲み会1回行ったくらいで他の誰かに取られるような関係って、どうなんでしょうか？しかも、たった１回の出会いで、他の誰かの元へ行ってしまったなんていう急展開、普通はないと思いません？

だとしたらですよ、むしろ「行っておいで。楽しんできてね〜」って送り出した方が、お互い気持ちよく過ごせるんですよね。で、帰ってきたら「楽しかった？」って聞いみたら、こんな人と出会って、こんなことがあったよみたいに、しっかり共有してくれるだろうし、なんなら気持ちよく送り出したことによって、二人の関係性がより深まるってことがあるかもしれない。

それに、正直言って飲み会に行くのを禁止！と宣言したところで、本人が行きたかったら嘘をついてでも行っちゃうと思うんです。だったら最初から「行っておいで」って言った方が、お互いハッピーじゃないですか？というか選択肢はこれしかない気もする。

仕事の世界でも同じこと

さて、ここで会社の上司の発言に置き換えてみましょう。

「うちの社員を外に出すだなんて！とんでもない！社外の人と接点持たせたら、みんな辞めちゃうかもしれないじゃないか！」

...って、聞いていると少しおかしくないですか？これ、まさに彼氏・彼女の飲み会を禁止！という発言そのものですよね。

ここで皆さんに共有しておきたいのは、私たち「仕事旅行社」が提供しているのは、たった1日の社外体験プログラムなんです。そう、たった1日なんですよ。

1日くらい外の会社を見学したり、異業種の人と交流したりしたくらいで辞めるわけないですよね。

むしろ生まれる意外な効果

実は、私がこの社外体験の研修をやっていて、よく聞く話があるんです。他社体験に行った社員が「うちの会社って、意外といいところあるじゃん」って気づくケース。結構多いんですよ、これが。

なぜかって？それはね、長年勤めてきた会社ってことは実はその会社との相性は悪くないんです。でも、隣の芝は青く見えるじゃないですが、ずっと同じところにいるとその魅力がわからなくなってしまっているんです。そこに比較対象ができると「うちの方が福利厚生いいじゃん」とか「意外と自由にやらせてもらってるな」とか気がつくのです。

しかも1日外の世界見てくるだけでも、新しいアイデアとか知識も増えるわけです。これまで思いつかなかったアイディアや仕事の仕方の発見につながる。もう会社にとっても win-win でしかないのです。社員の視野が広がれば、会社だって成長するのです。

かわいい社員には旅をさせよ

だから皆さん、怖がらないでください。御社の社員さんに、外の世界、覗かせてあげてみませんか？

「行ってらっしゃい。楽しんできてね」って送り出してみるのはどうでしょう？そしたら、帰ってきたときに「実は気づいたんだけど…」って、会社の良さを語り出すかもしれませんよ。

社外での経験が社員と会社の絆をもっと強くする可能性だってあるんです。オープンな態度こそが、本当の意味で社員と会社をつなぐ鍵なんじゃないかなと思います。

最後に

最後にもう一つ。人間って、「ダメ！」って言われると余計にやりたくなっちゃうものなんですよね。だったら最初から「行っておいで」の方がお互いハッピーじゃないですか？

副業解禁の流れを含めて、もはや自社の社員の社外との接点が増えていく流れはもう止められません。だから皆さん、ちょっと勇気出して、社員を信じてみませんか？きっと、想像以上の効果があるはずです。

皆さん、明日から、ちょっと違う目線で社員を見てみませんか？「辞めちゃうかも」じゃなくて、「成長して帰ってくるかも」って。そんな風に考えるだけで、会社の雰囲気ってガラッと変わると思うんです。

最後に一言。社員を信じること。これ、恋愛でも仕事でも一緒なんですよね。信じて送り出せば、きっと素敵な変化が待っているはずです。