【新刊宣伝】「発明が変えた世界史」(朝日新聞出版)
この度、執筆協力した書籍が発売されました!
書名は「発明が変えた世界史」、監修は祝田秀全さん、版元は朝日新聞出版です。
私たちの便利な生活を支えるものは、いつどのようにして生まれたのか。古代から現代までの60の発明や技術革新を紹介しています。
発明といっても、蓄音機や飛行機のような科学技術的なものだけでなく、古代の文字や貨幣、近世の保険や株式会社のような社会・経済に関する発明も収録されています。
面白いのは、世間に知られた「発明者」が実際の発明者とは限らない点です。例えば、蒸気機関車の発明者として一般に有名なのはスティーブンソンですが、実際に最初に発明したのはトレヴィシックという人物。スティーブンソンは蒸気機関車を改良し、実用化した人です。
あまり意識されないところでは、現代の建築にはガラスやコンクリートなども取り上げられています。
ガラスは古代メソポタミアにはすでにありましたが、綺麗な板ガラスを安価に生産できるようになったのは18世紀以降。住居の窓にガラスが使われるようになったことで、寒い日でも窓を開け放つ必要なく、室内の明るさを確保できるようになりました。
コンクリート(セメント)も古代ローマにありましたが、18~19世紀に改良が進みます。19世紀半ばに鉄筋コンクリートが開発され、高層ビルが建てられるようになりました。
高層ビルの登場により、狭い面積に多くの人間が住めるようになり、都市の人口は急増していきました。
世界史といえばどうしても政治史中心になりますが、科学技術史や経済史といった別の側面から見るのも興味深いものです。世界史の知識がなくても楽しめる一冊です。