GDC2021 参加レポート 〜リアルタイム参加分〜
はじめに
NPO法人IGDA日本(国際ゲーム開発者協会日本)は、「GDC (Game Deveolopers Conference)」のメディアパーナーで、日本からの参加者をサポートするfacebookグループも運営しています。この記事はIGDA日本の活動の一環で公開します。
個人的には2012年から毎年GDCに参加していて、GDC2014では「Revival From The Great East Japan Earthqueake by Fukushima Game Jam」のセッションに登壇しました。
そのGDCとは、毎年3月にアメリカで開催されている、世界最大級のゲーム開発者専門カンファレンスです。昨年のGDC2020が急遽7月のオンライン開催に変更されて以降は、今年3月に特別イベントGDC Showcase、このGDC2021とオンライン開催が続きましたが、来年のGDC2022は、3月21日(月)から25日(金)に再びサンフランシスコで開催されると発表されました。
各セッションはGDC Vaultで3月までオンデマンドで見られる他、全てではありませんが、段階的にYouTubeで無料公開されるのが通例です。
今年は7月19日(月曜)から23日(金曜)の5日間の開催です。朝8:30スタートとなっていますが、日本と16時間の時差があるサンフランシスコ(アメリカ西海岸)時間での表記なので、日本時間23:30スタートで、翌日朝までという日本からのオンライン参加には過酷なスケジュールです。
■Day 1(日本時間7月19日深夜〜)
主要な分野を俯瞰的に解説するSummitとAR/VR関連のセッションの日。
技術領域としてはオンラインサービス/システムを専門にしているので「Online Game Technology Summit」を。
“Online Game Technology Summit: Exploring Services Architecture at Bungie”
アーキテクチャ、キャパシティプランニング、負荷テストなどを一通り概説してくれるセッション。リアルタイム系ゲームの開発経験はわずかなものの、想定範囲のもので方向性は間違ってないという確認に。
“Online Game Technology Summit: 'Rocket League': Scaling for Free to Play”
前記のセッションと共通することも多いものの、クラウドサービスとサポートサービスを積極的に使いこなしていくのが重要という指摘は全くもって同意するしかない。
“Online Game Technology Summit: Queuing: Let Data Guide Your Server Opening Strategy”
前記2セッションとかぶる部分が多くて、OGT Summitはもういいかと思いつつ、既に午前3時。気がついたら寝落ちしていたので、後半は全く記憶なし。とはいえ、Summitは事例を俯瞰するものなので、そんなものかなと。
Day 1まとめ
というわけで、1日目は3セッションで終了。
OGT Summitについては、上記のどれか1つだけ充分かも。
続きはまた明日。
■Day 2(日本時間7月20日深夜〜)
業務に直結するようなセッションはあまりないので、「Machine Learning Summit」を。今どきの「AI」ってキーワードが関わる話の多くが機械学習(Machine Learning)の文脈なのもあってか、「AI Summit」から切り分けてテーマとして明確にした模様。
“Machine Learning Summit: Smart Tech in 'Hearthstone'”
ガッツリしたカードゲームをプレイしたことがないので、ルール自体の部分で咀嚼しきれていないけど、カードデッキ構築を自動的に最適化する為に用いた手法の解説。実際にプレイしてから、もう一度見直す。
"Machine Learning Summit: Creating Cooperative Character Behaviors Using Deep Reinforcement Learning"
マルチエージェントシステムとして強化学習する話をしていたようだけど、既に眠くて寝落ち気味なので、後で見直す…
Day 2まとめ
セッション終わるとオンデマンドで見られることに気づいたので、頑張って起きてるのはあきらめる...
■Day 3(日本時間7月21日深夜〜)
明日午前中から1回目の接種があるのでリアルタイム受講はお休み。
■Day 4(日本時間7月22日深夜〜)
様々なテーマのセッションが続く日
"Breaking the Ankh: Deterministic Propagation Netcode in 'Spelunky 2'"
ゲームサーバの開発に関するセッション。1日目のOGT Summitがアーキテクチャに重点を置いていたのに対して、こちらはインプリメンテーション視点から。フレームと通信遅延に関する考察を細かくしてて参考に。
Spelunky 2はインディゲームで、Indepentend Games Summitにも関連セッションが2件。
"Cloud Gaming: Where Are We Now, Where Are We Going?"
クラウドゲーミングの現況について、主にビジネスしてから俯瞰するセッション。概説から始まって、まだそれが続いてる途中で、なぜか配信が中断…
"Lessons Learned in Adapting the 'Sea of Thieves' Automated Testing Methodology to 'Minecraft'"
Minecraftを題材にした、テスト自動化の取り組み。実践事例として、非常に面白いセッションなのだけど、眠気には勝てず寝落ち。後で見直す。
"GDC Main Stage: Matt, TheBanjoPlayer"
西海岸時間で午後5時、日本時間で朝9時からメインステージのチャネルで開催のバンジョーのセッション。朝起きたタイミングでやってた。
見たら寝てしまうので避けてるけど、GDCのオンライン開催では瞑想のセッションもあったり。
Day 4まとめ
オンデマンドで見れるとわかったら無理をせずに見れるけど、おそらくAll Accessパスの権利でなんだろうな。そして、残り1日。
■Day 5(日本時間7月23日深夜〜)
いよいよ最終日。オンサイト開催だと金曜は帰ってる人も多くて、どのセッションも空いてることが多い。オンラインなので関係ないとはいえ、各分野の中でも専門的にやってる人が参加するラウンドテーブルが一番多く設定されている模様。
"Lessons From Theatre That Can Transform XR Experiences"
SR(Spartial Reality)の制作経験談。技術的な話というより、製作期間など交えたディレクション/マネージメント面で参考に。
"Tales from the Transition: Remote Game Production Microtalks"
リモートワークへのシフトで、何がどう変わって、どう対応したかを4人の登壇者が4人の視点・体験を基に共有。現在、全ての業務がリモートワークになっていることもあって類似点・相違点含めて参考に。ただし、4人目のところは寝落ち
Day 5まとめ
最終日と言っても、引き続きオンデマンドで見ていくので、それはそれ
■GDC2021まとめ
まだまだ聴講していないセッションが大量にあるので、リアルタイム視聴について
(1) セッションは基本的に事前録画。講演時間には登壇者がQ&Aチャットのチャネルに待機して随時質問に答えてくれる
(2) 講演が終了して質問時間も終わると、オンデマンドで見られるようになる。ただし。GDC Vaultの視聴権のおかげかもしれない
(3) 国内からの視聴では、現地時間に体を合わせられなくて、結局午前3時くらいまでのセッションが(個人的には)体力の限界
(4) 他参加者との交流がGDCの醍醐味なものの、交流イベントは体力的に無理な開催時間で参加できず
あと、リアルタイムで聞いた中では、"Remote Game Production Microtalks"が一番のオススメ。
次回は、来年(2022年)3月にサンフランシスコ・モスコーニセンターです。例年のスケジュールだと、間もなく登壇者の募集が始まる頃合いですので、是非ご検討ください。2014年に登壇した際の経験をCEDECで講演した資料を公開していますので、ご参照ください(現在、同時通訳はないようです)。
■about me
コミュニケーションとかコラボレーションとかエデュケーションのR&Dしたり、ゲーム開発とかの技術・組織の諸々をしています。
- サイバーズ(株) 代表取締役社長 / (株)5次元 取締役CTO
- NPO法人IGDA日本 副理事長 / 福島GameJam-TF 世話人
などなど
博物館めぐりしたり、Maker活動したりも
twitterはこちら