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なぜベストを尽くさないのか(Why don’t you do your best?)

「なぜベストを尽くさないのか(Why don’t you do your best?)」とはドラマ「TRICK」の上田次郎の決まり文句。元大統領ジミー・カーターの自伝「なぜベストをつくさないのか(Why not the best?)」が元ネタだそうで、精神論(根性論)ではない普遍性があるのも頷ける。TRICKはスピンオフを含めて全て観た。

ゲーム開発者を目指す学生向け講義で、ゲームジャム/ハッカソン(参加型開発イベント)などに参加するよう促すと「まだ参加できる準備が出来ていないから、参加しても何も出来そうにないから、今は参加しない」という発言は多い。しかし、そういった機会は常にあるとは限らないし、機会を逃さず参加して、やれることをやる学生ほど希望する職に就く。

実務に置き換えてみると、新しいサービスやシステムの開発とは、まだないものをつくり出すプロセスなので、完璧な準備が出来ると考えること自体、荒唐無稽に近い。それ故、完璧にこなせない事があるとしても、機会を逃さず知識と経験を駆使して最善を尽くすしかない。

レオナルド・ダヴィンチ曰く「幸運の女神は前髪しか無い」

ところで、TRICKに出てくるのは、思いも寄らないほど単純なトリックがほとんどだ。

実際の開発プロジェクトでも、技術的なチャレンジをするのは目的達成に必須な点に絞り、それ以外は基本的(単純な)・保守的(枯れた)手法にするべきだ。一つのプロジェクトでいくつもチャレンジし過ぎると、不具合などの発生時に原因切り分けと解決が困難になる。

ゲーム開発では、さらに突き詰めた「枯れた技術の水平思考」というコンセプトがある。

それでも多数の技術チャレンジが必須なプロジェクトはある。最たるものは「アポロ計画」だが、この偉業の為にプロジェクトマネジメント手法が発展したと言われている。最善を尽くすために手法を洗練するのは合理的だ。

ちなみに、カバー写真はアポロが月から持ち帰った「月の砂(レゴリス)」の研究で使われたグローブボックスだ。

というわけで、なぜベストを尽くさないのか。

それはともかく、TRICKはオススメ。

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書いてたならなんとなく欲しくなったモノたち

↓こちらに転載しました


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