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2019年10月の記事一覧
【通信講座】 小説「生まれつき機嫌が悪い」 講評
日本近現代文学における、モデル作者、モデル読者が
どのように想定されているか、とてもよく分かる。
ブルジョワが書き、ブルジョワが読む(ブルジョワ=中産階級/俗物、いずれの意味でもかまわない)。
ある意味で興味深いが、あたらしいものは表現されていない。
「クラシック音楽バー」、「セックス」、安価な苦悩とメロドラマ、
村上春樹、山田詠美、金原ひとみ、その他の亜流作家が通過し、踏みにじってきたぬかるみを
【通信講座】 小説「生まれつき機嫌が悪い」 質疑応答①
千本松由季 Official Blog講評、どうもありがとうございました。いくつか質問させていただきたいと思います。
一番の問題は私の作品に新しさがない、ということだと思います。自分自身でも最近、古いメロドラマのようなものを書いているな、という意識はあります。1980年代の女性週刊誌に連載されていたような小説が好きで、ついレトロな雰囲気を真似てしまいます。 この頃、毎月の文学賞の締切りに合わせて
【通信講座】 小説「生まれつき機嫌が悪い」 質疑応答②
千本松由季 Official Blog私の作品に新しさがない、という問題でした。私自身が今、生きて行くのがとても辛いせいで、登場人物がかわいそうになって、深い苦悩、葛藤を与えることができません。漱石の『草枕』のように、大きな事件も起こらない穏やかな小説というのもありますよね。もちろんあの作品は、漱石の芸術に対する深い知識があってこそ魅力的なのだと思いますが。深い苦悩、葛藤なしで、新しく面白い小
【小説の書き方 81】
必要なかぎり、型にはとらわれないようにしてますよ。真っ白なページには完全な自由があるわけですから、それを駆使したい。初めからわたしはフェイクなもの、オートマティックなものにならないよう警戒してきました。わたしの人生にたいする考え方は重層的であいまいなものですが、それも強要しないようにしてきた、そして、わたしと理想の読者のあいだで取引がおこなわれるのだということを忘れないようにしてきた。
アップダ
【小説の書き方 80】
インスピレーションは、適切なテーマが、しかも自分の気に入ったものが見つかることだ、それで仕事はぐんと楽になる。直感は、これまたフィクションを書くには必須のものだが、科学的な知識とか学習したなにかに頼らずに、なにがリアルかを見きわめる特別な力だよ。
マルケス
【小説の書き方 79】
ここまでやったら休むとか、ここからは仕事の時間だとかは決めてないよ。仕事には日課のようなものはない。無性に書きたくなって書く、睡眠や運動や食料やセックスが必要になるみたいに、書くことが必要になるんだ。なくてもしばらくは平気だけど、やがて必要になる。小説は長丁場だからね、書き始めのときは、一日にできるのはせいぜい二、三時間。
アーヴィング
【小説の書き方 78】
なんでも読んだ。十三歳までにハーレムのふたつの図書館を読み尽くした。そういうふうにすると書くことについてたくさん学ぶよね。まず、自分がいかにものを知らないかを学ぶし。学べば学ぶほどどんどんわからなくなるというのはほんとうだよ。ぼくはいまだって文章の書き方を学んでるもの。テクニックがなにかなんてわかんないし。
ボールドウィン
【小説の書き方 77】
書いてるときは毎日書きます。そういうときは最高です。日と日の区切りが消えてしまう。ときには、今日が何曜日なのか、それすらわからなくなります。そういう状態を詩人のジョン・アシュベリーは「日々の外輪がまわる」と言いましたがね。
カーヴァー
【小説の書き方 76】
恒久的な価値をもったものを書こうとするのはフルタイムの仕事だよ、じっさいには一日に数時間しか書けないんだが。作家というのは井戸に喩えられるだろう。作家の数ほどいろいろな種類の井戸がある。大事なのは井戸のなかにいい水を蓄えておくことだ。どっと汲みあげては涸らしてまたいっぱいになるのを待つよりは、定期的に一定量を汲みあげるのがいい。
ヘミングウェイ