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ヘーゲルと六ペンス
ある視座を与えられると、もう、そう見るのが自然に思えてしまう。それこそが哲学の力であるし、歴史を変えてきた力の源泉とも言える。
この、"哲学の力"を再認識できた本が、竹田青嗣さんの『哲学は資本主義を変えられるか』。ヘーゲル哲学を基本に、近代国家の視座を与えてきた哲学が分かりやすく再構成されている。納得感の高さが「ポスト資本主義は、反資本主義ではない」という主張に説得力を持たせている。
熟議民主主義とGIRON
「GIRON」というアプリがある(現在のところiPhoneアプリのみ)。名前の通り議論を行うためのアプリなのだが、個人的にはなかなか良いと感じている。
このアプリのどこが良いのか。これがうまく説明できない。議論アプリといっても基本は掲示板機能である。掲示板機能などインターネット黎明期より存在するわけで。類似アプリだって山ほどある。このアプリの特徴としては「いいね」とは別に「リワード」というコ
[読書会]パーパス:ハーバード・ビジネス・レビュー2019年3月号
2019年3月9日にハーバードビジネスレビュー読書会を開催しました。
特集は「パーパス」。社是、社訓など、組織の存在意義やありようを示す考え方自体は古くよりあります。それでも、ビジョン、ミッション、バリューに加えてパーパスにスポットライトが当たるようになったのは最近のような気がします。
なぜ今「パーパス」なのか。まずはこの点について時代背景や技術動向、社会情勢の変化などを交えながら討議を行いま
[読書会]コレクティブ・インパクト:ハーバード・ビジネス・レビュー2019年2月号
2019年2月17日にハーバードビジネスレビュー読書会を開催しました。
特集は「コレクティブ・インパクト」。参加者も最初は「コレクティブ・インパクトと言われてもよく分からない」という意見がほとんどだったことから、まだまだ浸透していないようです。
そこで、最初に「コレクティブ・インパクトとは」みたいな話から初めて、メセナ活動やCSRとCSVやコレクティブ・インパクトの比較、SDGsとの関連などに
ポスト資本主義の足音
「最大多数の最大幸福を実現するためには何が必要か」
この答えが「資本」ではなくなりつつあるという感覚はあった。幸福と資本の関係は年々弱くなっている。
だからといって「評価経済」にもちょっとした違和感を持っていた。
最近では「資本」との対比に軸足が戻っている。「資本の多少に関わらず、機械の進展が万民に満足をもたらしている」「資本と信用は比例せず、幸福は信用の多少に左右される」という考えへの揺り