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素晴らしき哉、戦前喜劇映画の世界!

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戦前、P.C.L.映画製作所、東宝で作られた、エンタツ・アチャコ、古川ロッパ、岸井明&藤原釜足の「じゃがたらコムビ」などの喜劇映画のレビューをまとめました。
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新刊「PCL映画の時代 ニッポン娯楽映画の源流 1932-1937」フィルムアート社)佐藤利…

『街』(1939年8月20日・東宝・山本薩夫)

山本薩夫監督『街』(1939年・東宝)を時層探検映画として再訪。大日方伝の熱血漢が、富山から…

『人情紙風船』(1937年・PCL・山中貞雄

昨夜は4Kリマスター『人情紙風船』(1937年・PCL・山中貞雄)をスクリーン投影。2Kダウンコ…

『男は度胸』(1937年・PCL・原作・脚色・演出・渡辺邦男)

J.O.スタヂオとP.C.L.映画製作所 初の協同作品、岡譲二主演『男は度胸』(1937年・原作・脚色…

『むかしの歌』(1939年・東宝京都・石田民三)

森本薫原作、脚本、石田民三監督『むかしの歌』(1939年・東宝京都)。もう見事!と言うしかな…

『結婚適令記』(1933年3月23日・日活太秦・青山三郎)

2023年2月12日(日)、横浜シネマリンで、ピアニスト・柳下美恵さんの「ピアノd e フィルム」…

『續 只野凡児 人生勉強』(1934年7月12日・P.C.L.映画製作所・木村荘十二)

 麻生豊原作「ノンキナトウサン」のスピンオフ漫画の映画化「只野凡児」シリーズ第二作。朝日新聞で好評連載中の同作を、第一作のスタッフ、キャストで再び映画化。今回は、伊豆大島にロケーションを敢行。トーキー専門撮影所として開設以来二年、技術も飛躍的に進歩して、これまで都内ロケとセット中心だったP.C.L.映画の新たな挑戦でもあった。  トップタイトルには『麻生豊・原作 人生勉強 續篇・只野凡児 東京大阪朝日新聞連載』と出る。その背景には、単行本の第三巻(新潮社刊)の表紙。脚本は松

『只野凡児 人生勉強』(1934年1月5日・P.C.L.映画製作所・木村荘十二)

 「ノンキナトウサン」で知られる麻生豊の漫画「只野凡児 人生勉強」は、1933(昭和8)年か…

『いたづら小僧』(1935年10月1日・P.C.L.・山本嘉次郎)

  ユーモア作家の佐々木邦の原作を山本嘉次郎監督が脚色、演出した、自由すぎる1935(昭和10…

『化粧雪』(1940年2月14日・東宝東京・石田民三)

 『化粧雪』(1940年2月14日・東宝東京・石田民三)は、成瀬巳喜男がオリジナル作品として準…

『釣鐘草』(1940年7月3日・東宝・石田民三)

 吉屋信子作、石田民三監督『釣鐘草』(1940年7月3日・東宝)。吉屋信子の「花物語」の一編を…

『坊つちゃん』(一九三五年三月一四日・P.C.L.映画製作所・山本嘉次郎)

 夏目漱石の「坊つちゃん」の初めての映画化作品。P.C.L.でエノケン映画を初め、モダン…

『日本女性読本』(一九三七年五月二十一日・P.C.L.映画製作所・山本嘉次郎、木…

 作家・菊池寛が昭和十一(一九三六)年に大阪毎日新聞、東京日日新聞に連載した「現代娘読本…

『江戸っ子健ちゃん』(一九三七年五月一日・P.C.L.映画製作所・岡田敬)

 昭和九(一九三四)年、エノケンこと榎本健一とその一座は、『青春酔虎傳』でP.C.L.ユニット出演、以降エノケン映画は、P.C.L.のドル箱となり、古川ロッパ一座によるユニット出演とともに、トーキーの喜劇映画のスタイルを確立。昭和十一(一九三六)年にはP.C.L.は吉本興業と提携、横山エンタツ・花菱アチャコの漫才映画、東京吉本専属の柳家金語楼の喜劇映画など「喜劇人の映画」をルーティーンで製作していた。  こうした喜劇映画は、小学生の子供たちにも人気で、特に「動きのエノケン」