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お金をお金で解決する堂々巡り~お金について④~
お金についての勝手な連載4回目です。前回はこちら。
僕らがほしいのは「生きていける安心」だ。生活する上で「買う」が避けられない資本主義の世界では、定期収入の確保が安心となる。
だから浮かぶ問いはこうだ。
人が定期的にお金を払ってくれる状況を、どうしたら作れるのか。
考えてみて立ち止まる。こうすれば安定してお金が支払われるという、そんな確約はないからだ。
たとえばカフェ、会社、コーチング。
SNSの投稿も、メニューを変えるのも、価格の改訂も
お客さんが来て、商品が売れて、お金が入ることを確約しない。
うまくいく場合もいかない場合もあって、「絶対こうなる」がどうやら無い。努力と成果は必ずしも結びつかない。
これまでは偶然うまくいっていただけ、とも言える。
「定期収入が途絶えるのではないか、そうしたら生きていけない。」
そういう不安がずっと残る。
その不安への対処として広告や宣伝やサブスクが生まれる。
暮らしに必要なら人はお金を払うから、なんとかして必要不可欠に見せる。
これが必要ですよと宣伝し、それがないと生きづらい状況をサブスクで作る。
良いものだから届けたい気持ちもあるだろう。
でも自分の生活費がかかっているなら「買わなくても良いですよ」とは言いきれない。
必要なものは宣伝なしでも人は買う。だとすれば実は必要じゃないからこそ「買わせるために宣伝する」なんてことも起きかねない。
それで必要なお金を稼ぎ続けるのはなかなかハードルが高そうだ。
問いは初めに戻ってくる。どうすれば定期収入という安心が確保できるのか。連載①で書いた話。
少し考え直してみる。
「定期収入」を方向性にしたから手詰まりになったのではないか。
違う方向ならば思考は前に進むのではないか。
生きるのにお金がかかる世界だから、その分のお金が入るようにする。
とても自然なのだけれど、それは「お金の問題をお金で解決しよう」とすること。だから堂々巡りになる。
毎月20万、30万、40万。
そんなにもお金が必要なのは、お金が無いと生きていけないからだ。
それこそが解決すべき問題かもしれない。
その方向だと解決策も変わりそうだ。
暮らしに必要な衣食住やネットワーク。
自分でできるのならば不安は減るし、上手くやれば支出も減る。
自分の生活と生命をお金に委ねなくて済む。
「暮らしの問題」を「お金の問題」に変えずに済む。
僕らは知らず知らず、お金に生活と生命を委ねすぎているのではないか。暮らしの全部をお金の問題にして、お金に負荷を負わせすぎているのではないか。
お金が無いと困るのは、自分の代わりにやってもらえなくなるから。
お金が無いと困るのは、それだけお金に依存していて、頼っていて、暮らしの中の色々を肩代わりしてもらっているからだ。
その状況は自分の思考に影響する。「お金が無いと生きていけない。どうやって定期収入を得ようか」と考える。お金を得ることが人生の必要条件になる。
仕事が少ないゆとりを良いものと思えなくなる。時間がほしいはずなのに暮らしを仕事で埋めはじめる。
お金を否定したいわけじゃない。お金は幸せになる道具の一つだ。道具はある方が良い。
ただ使い方の問題がある。自分に合う合わないの問題もある。
おいしいパンを買い、自分じゃ育てられない食材を買い、お金が僕の日々を豊かにしてくれる。
でもそれを暮らしの全部にしないでいたい。
この世界で生きるかぎりお金を使うことは避けられない。
僕らの幸せはある程度「お金の使い方」に左右される。
ならお金ばかりにもならず、お金にネガティブにもならないように。
「お金のおかげでできること」にも「お金を使わずできたこと」にも焦点を当てよう。
そしてお金に頼るかどうかを適切に判断できるようになる。
自分が食べるだけは自給できたら最高だけれど、近隣農家さんが不作で困ったときは買うことで応援できたら良い。
だからこれはスタンスの話。
最後にあらためて。
資本主義が僕らに与える影響は、避けられないし、とても大きくて。
この世界を理解するのに「資本主義を知ること」は必須です。
僕は経済学を知りません。でも資本主義に対して、自分なりのスタンス、自分なりの考えをもつ必要はあると思っています。
でないとこの世界での適当な生き方を描けません。
僕はいつも生活設計を考えていて、自分の言葉=自分の世界を探している。だからこの勝手な連載もしているのだと思います。
この世界は資本主義で、この世界でどう生きるかは資本主義のことを知っておかないと考えられない。
自分がいる世界の初期条件をちゃんと分かりたい。
資本主義について、今の自分が考えられることを整理しておきたいのです。自分の実感から真実を取り出して、生き方を描いていきたいのです。
人と協働するときお金が必要なのも分かるし、
「こうすればお金が入る」確約がないことの可能性や面白さも分かります。
必要不可欠なものがそろった世界では暮らしの彩りを手渡すことに意義があるし、それを伝えるために宣伝がある。
ものがそろった現代では「必要」の意味も変化して、生き延びるためじゃなく「ほしい」が混ざった気持ちを「必要」と呼ぶ。
その気持ちに応えて選ばれることが大事であって、もうこの時代に「誰しもにとって必要不可欠」にはなりえない。
だから僕が書いたことはこの時代では消せない悩みなのでしょう。
そんなことも含めて、とにかく自分が思うことを純粋に形にしてみたい。
誰かを批判する意図はないこと、ご理解いただけたらと思います。
お金について①はこちら
お金について②はこちら
お金について③はこちら