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「おだつ」「おだってる」「おだてる」「おだつな」「おだちたい」から「おだづなよ」は煽つベースで周圏語句の一つだろうが、秋田方面の「おだる」だけは折るの古語みたいなもんで別次元の進化をした語句だと思うぞ。とまあ今回もレファ協の解決事例を用いながら「適切」とか「彫りが浅い」とか言ってみる。

ってことでまくらは神道式で見送られなければエヴァンゲリオンが
始まることもなかった(テレビシリーズの開始は順調に遅れて、
亡くなったのが1995年の9月。テレビアニメエヴァンゲリオンの
開始は1995年の10月)富山敬にまつわるエピソードから。

タイムボカンシリーズのささやきレポーターから慣用句成語として
定着したコトバの一つに「豚もおだてりゃ木に登る」がありますが、
それを田中芳樹のらしいアテ書きがあったように、ヤン=ウェンリー
元帥のセリフの中にはちゃんと、

「ボクはおだてに弱いんでね」

がある通り、ってのはなかなかに有名ではあるのですが、今回は
そんなおだてに収まってもいた東西の各地に残るコトバの一つ
「おだつ」にまつわる話を以前も使った通りレファ協の解決事例を
用いながら「適切」とか「彫りが浅い」とか言ってみようかなと。



しかし、説得力もあって、いい声だよなあ。


まず解決事例の用例はこちらからセレクト出来るように
なっています、から。
(これはランキングソート)
レファレンス協同データベース - 検索

この件の解決事例は宮城県図書館の事例かな。こんなカルテで。

設問は「おだづなよ」に関する案件。

回答が「ず」「づ」に触れずに解答を並べていることも気には
なりますが(一応現代では同音とされているが、かつてはこの
二字に割り当てられた発音が違っていたことの痕跡)。

『おだてる(煽)』という語(他動詞)は『人の気持ちを乱すように
騒ぎ立てること』や『さかんにほめたてること』を言う。

『おだつ』は、この語の自動詞形である。

基礎語句としての理解はこれが最も妥当かな、と。

 だから周縁地域に残るコトバは活用形で残っているケースが
ほとんど。「おだたない」「おだつな」「おだづなよ」といった
戒告を含む否定系や「おだってる」といった現在進行形、
或いは「おだちたい」といった願望・欲求の表現として残されて
いることが多いかなと。

「おだつ」の意味と使い方・方言・語源・標準語・子供の対処法

が引用例としてはいいけど附随する広告が自己主張し過ぎだな。
なので抜粋のスタンダードとしては。

ふざける・調子にのる・騒ぐ・はしゃぐなどを表します。

「おだってんな」=「ふざけてんな」「調子にのってんな」
「やたらおだつね」=「やたら騒ぐね」「やたらふざけるね」
「おだちすぎよ」=「はしゃぎすぎよ」「騒ぎすぎよ」

などと使います。

「おだつ」の意味と使い方・方言・語源・標準語・子供の対処法

と纏めているところが使えるか。

西だと県にまとめられた(九地域を統合、だっけ)ユナイテッド
色が強い大分弁で残ってる、との記載あり。

「おだつ」「おだつな」は使う。
活用形としては現在進行形で「おだっちょる」と使う、ともある。

キングオブ大分弁でもぐらの「うちのトコでは」でも頻出の
「よだきい」(メンドくさいプラスどうでもいいにやる気が
しない表現が加わった大分のバカぼんぼんが使いがちな物臭
語句の一つ、だっけ)と合わせて記載があるなと。例文は

面白い大分弁③おだっちょんなー、よだきぃで。

を参照のこと。

どうしても宮崎は言語学的にも周縁の影響下を受けて、
かなり後代にまとまった分後回しにされやすい性格が
ありますが、「おだつ」の古形かそれとも鹿児島に引っ張られ
ているのか、ふざける(巫山戯る、とも書く)表現の中に
「おごる・おごっちょ」って表現があるそうで。
おごるが基本形でおごっちょがふざけてる表現に近いのか。
まあ漢字で書くと驕る、の方に傾いでいるのかもしれませんが。

三重もユナイテッド色の強い地域でJリーグを目指すチームが
乱立しているのはその所産と言われていますが、伊賀・伊勢を
中心とした北三重に分類される地域で「おだつ」を使う例が
報告されているそうで。

ここでは名詞化して「おだち」って表現もあるとか。

「おだち」=お調子者のこと。またはその性格。

【三重弁辞典・第4章】動作表現

福井弁にも「おだつ」表現があるとのことだったけど(嶺北
でも嶺南でも使うらしいのだけど)具体的用例がないので
前田家帝国の北陸扱いで観た方がいいのだろうか。
「ゲゲゲの女房」でも見られたちょっこし(少し)の表現が
福井でも残ってたり、ふざける(巫山戯る、とも書く)表現の
中に「あばさける」って言い回しもある、とはあるのですが。

宮城だと仙台弁なんだろうけど福島でも言うがあるとするなら
多分に伊達藩下のコトバなのだろう。

こちらのお調子者表現は「もっこ」(者・子供)がついて
おだづもっことなるそうで。

 で、秋田ではあるけど、流石に「おだる」は折るからの
派生語で京文化からの言語漂流だろうから、「おだつ」とは
やはり別軸でしょう。

ってことでいよいよ本丸北海道の「おだつ」ですが。
やはり現在進行形の「おだってる」で使うのが一番多いかなと。
まんがとしては北海道と関西(主に兵庫・神戸方面)の
比較文化が用例的にも多く出ている北のダンナと西のヨメ
(横山了一)にも出てきます(単行本だとp50「おだつ」)。

一応単行本、キンドル共に2巻まで出ています。

用例や言及されるパターンも北海道では多め。

私の記事の中でも用例が二つ。その他に「おだちたい」
をコメントした記憶もあるような。

やはり初週よりも二週目の方がヘビー。クリエイター
フェスを偲びつつ、その後の方向性などもひとまず
総括。|torov|note

犬も食わない日本シリーズとやらと他人事の恋愛。
その心は「いつまで経ってもデレデレやってやがる」。
〜といふわけでおだちたいけど近況雑感。|torov|note

こちらはタイトルにもありますが。

ではBS102で変則的にJリーグタイムも
始まりましたし(デフェンス野郎解説なのが
論外ですけど)、上位争いはしっかり最終節に
持ち越されたからテキトーに流して、こちらを
投下してから本筋を堪能しておだちますか。

犬も食わない日本シリーズとやらと他人事の恋愛。
その心は「いつまで経ってもデレデレやってやがる」。
〜といふわけでおだちたいけど近況雑感。|torov|note

 まあ基本的には「お国柄を連れてくる」表現手段と
して進化してはいるのでこうした変容には必然的になる
とは思うのですけど、少し網羅的に「おだつ」表現と
その周辺を北海道民のライブラリアンが少しだけ丹念に
拾って観ました、ということで。

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