miyamoto maru

本業の「マーケティング戦略の分野」と、副業の「アート/ドラマ分析の分野」の記事をnoteしてます。 どちらの分野も結果的には“人々の生活や気持ちの変化”を分析している点では共通しています。

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本業の「マーケティング戦略の分野」と、副業の「アート/ドラマ分析の分野」の記事をnoteしてます。 どちらの分野も結果的には“人々の生活や気持ちの変化”を分析している点では共通しています。

マガジン

  • ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」の感想/分析(2021)

    全話の感想記事ブログ。2021.04〜。

  • ドラマ『俺の家の話』の感想

    2021年1月開始。脚本、宮藤官九郎。長瀬智也・西田敏行・戸田恵梨香などクドカン作品の常連たちによる“令和時代のホームドラマ”。

  • 大河「麒麟がくる」の分析ブログ

    「麒麟がくる」の各回を鑑賞していて、“もう少しここが知りたいな”と感じた要素を深堀るブログになると思います

  • マーケティング戦略の観察【最近のニュースの分析まとめ】

    最近のニュースの中から、これはマーケティングが上手だなーとか見逃せない話題をピックアップして“分析まとめ”してます。データ活用分野が本業だけど、ピックアップは気分で。

  • アフターコロナを考える

最近の記事

【M-1グランプリ2022】 「ウエストランド」最終決戦ネタを文字起こし [定量的に分析してみた]

ネタを文字起こしして、それをデータ化し、どういう特性があったのかを分析してみた。 ◆表記ルール ・河本のセリフは[ 河: ]とつけた。 ・井口のセリフは「」(カギカッコ)でくくった。 ・観客が笑った箇所に「観客笑」と付けた。 ・観客が手を叩いて湧いた箇所に「観客爆笑★」と付けた。 ・区切りのよいところで秒数を表記した。 ◆ネタ文字起こし [00:00] (入場) 「どうもー、あらためましてウエストランドですー」(観客拍手) 「ありがとうございますーがんばっていきましょ

    • 漫才ライブ『明日のたりないふたり2021』の感想 (あれは死神だったのか、もしくは天使か)

      (この記事は2021.06.19時点の記事です。少しネタバレ要素を含みます) 個人的に仕事が多忙な時期で、オンラインチケットの公開期限ぎりぎりに駆け込んで、解散ライブ『明日のたりないふたり』をまだ薄暗い明け方に観て、ひくひくするくらい泣く。 ぼくはそんなに熱心な「たりないふたり」信者ではない。だから“足りない”という言葉(概念?)にもそこまで愛着なかったんだけど、観ているうちに、“ぼくも足りない側の人間だったんだな”とつくづく思う。 僕も、ふたりとだいたい同世代なのだが

      • ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」【最終話の感想/分析】 これからも“人生を楽しむ”という宣言。

        ※これまでの回の感想/分析についてはこちら↓ 幸せであたたかい最終回だった。 すべての登場人物が微笑んでいて、明日に希望があって、なにかに目標をもち、人生ってイイもんだなと思えるような“日常”。 第7話で、「人は時々寂しくなるけれど、人生を楽しめる。楽しんでいいに決まってる」というセリフが語られたが、まさにその体現のような最終回だ。ふりかえってみよう。(ここから先はネタバレあり)  ◆◇ 過去と現在と未来は“繋がっている”“時間というものには 過去/現在/未来なんてなく

        • 大豆田とわ子と三人の元夫【第8話の感想/分析】 近づいてきているのは“安らぎ”か“詐欺師”か?

          ※1話ごとに毎週記事を書いています。過去の回の感想/分析はすべてこちらに格納(ネタバレあり)↓ 第8話は、小鳥遊(たかなし:オダギリジョー)が中心な回だった。 今回の“オープニング場面とエンディング場面”を(恒例のとわ子がカメラ目線でドラマタイトルを読み上げるシーンを)見比べるとよくわかるが、 “オープニング”ではまだ、小鳥遊の奇行(オン/オフが激し過ぎる)に、ついていけずに口をあんぐりする大豆田とわ子であったが、 対して、“エンディング”では、 三人の元夫を部屋から

        • 【M-1グランプリ2022】 「ウエストランド」最終決戦ネタを文字起こし [定量的に分析してみた]

        • 漫才ライブ『明日のたりないふたり2021』の感想 (あれは死神だったのか、もしくは天使か)

        • ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」【最終話の感想/分析】 これからも“人生を楽しむ”という宣言。

        • 大豆田とわ子と三人の元夫【第8話の感想/分析】 近づいてきているのは“安らぎ”か“詐欺師”か?

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        記事

          「大豆田とわ子と三人の元夫」【第7話の感想/分析】 好きな人に“時間も空間も越えて”会いにいけるという考え方。

          ※他の回の感想/分析記事はこちらへ↓ 「大豆田とわ子と三人の元夫」ってどういうドラマなの?と聞かれると、たしかにこのドラマはサスペンスとかコメディとか特定のなにかのジャンルにくくるのは難しいドラマだなと考えさせられるが、第7話を観ていてふと思ったのは、このドラマは“ある女性の一代記なのかもしれない”とあらためて感じたのだった。つまりいわゆる“朝ドラ”みたいなもの。朝ドラのような初々しさや爽やかさには欠けるものの、ある女性の人生における困難や喜びを、幼少期から晩年までかけて丁

          「大豆田とわ子と三人の元夫」【第7話の感想/分析】 好きな人に“時間も空間も越えて”会いにいけるという考え方。

          ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」【第6話の感想/分析】 とわ子の誕生日の夜に“起こったこと”の推理

          第6話は特に衝撃的だった。テレビドラマのセオリーや常識から逸脱している。 主人公は大半不在だったし、“その夜に起こった出来事”は、直接的には何も語られなかった。 無粋ではあるけれど、“その夜、なにがあったのか?”という謎について、個人的な“推理”を書きとめようと思う。 こういうのもドラマの楽しみ方のひとつだからだ。もちろんこの記事を読む方は、まず第6話を観てから読むのがいいし、ご自分でも一度、自分なりの推理をしてもらってから読んでもらえればと思います。正確な答えなんて、どこ

          ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」【第6話の感想/分析】 とわ子の誕生日の夜に“起こったこと”の推理

          ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」【第5話の感想/分析】 生きるとは“サプライズの連鎖”である

          3人目の元夫、中村慎森は「それいります?」が口ぐせの合理化人間でひねくれものである(根はいい奴)。第2話ではその慎森と大豆田とわ子とが“自分のキライなもの”を言い合うシーンがあって、そこにふたりの性格がにじみでているのであらためて分析してみよう。 ◆中村慎森のキライなもの 「犬派ですか?猫派ですか?って聞かれるよりキライ」 「お休みの日は何してるんですか?って聞かれるよりキライ」 「椅子に座ってから券売機で食券買ってくださいって言われるよりキライ」 これらの共通項から言え

          ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」【第5話の感想/分析】 生きるとは“サプライズの連鎖”である

          ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」【第4話の感想/分析】 ひとりだと渡れない横断歩道をふたりなら渡れる理由

          大豆田とわ子と親友のかごめは小学生の頃からの幼なじみで、ふたりでマンガを共作していたという。ふたりは“空野みじん子”という共同ペンネームを名乗っていて、りぼんを愛読し、一条ゆかり先生や岡田あーみん先生に憧れていた。 ふたりが40歳前後だとして10歳の頃のエピソードだとすると、1991年前後、つまりそれは“りぼんの黄金時代”にあたる。なつかしき90年代のりぼん。一条ゆかりはもうその時点ですでに大御所感があって「有閑倶楽部」は他のマンガとは一線を画した空気感をかもしだしていたし、

          ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」【第4話の感想/分析】 ひとりだと渡れない横断歩道をふたりなら渡れる理由

          ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」【第3話の感想/分析】 時を巻き戻し“歩んできた行程”を見せる物語

          ※他の回の感想/分析記事はこちらへ↓ 『大豆田とわ子と三人の元夫』を3話まで見たが、3回とも終盤にさしかかると急にぐっときて泣けてくるのだが、でも自分が何に感動してるのかいまいちよくわからないでいた。 なんでだろうと原因を考えてみたら、たぶん“時間の奥ゆき”のせいなんだと思う。そこを見せられたから、感動するんだと思う。 “歩んできた行程”を見せる物語第一話で、大豆田とわ子は開かなくなったパソコンのパスワードを聞き出すために、会いたくない三人の元夫に次々と会いに行くはめにな

          ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」【第3話の感想/分析】 時を巻き戻し“歩んできた行程”を見せる物語

          ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」【第2話の感想/分析】 いちごタルトと“吹っ飛んだふとん”の共通性

          他の人からしたら記憶に残りもしないささいな瞬間の出来事であっても、それがある人にとっては人生の方向性を決定的に変えてしまう“分岐点”になったりすることがある。このドラマの脚本家、坂元裕二は“そういう瞬間”を抜き出そうとする作家だ。 でもその“出来事”は、往々にしてあまりに突拍子がなくて論理的にも破綻をしていることが多いので、たくさんの人が視聴するテレビドラマのようなものでは取り上げにくい場面なのだけれど、坂元裕二はそういう場面をスッとすくいあげて描いてみせる。他人の人生をな

          ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」【第2話の感想/分析】 いちごタルトと“吹っ飛んだふとん”の共通性

          ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」【第1話の感想/分析】 “幸せになることを諦めません”けど、「幸せって何だろう?」という旅

          ※他の回の感想/分析記事はこちらへ↓ 脚本家・坂元裕二による新作オリジナルテレビドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』は、これまでありそうでなかった、独特の空気感に包まれた変わったドラマだ。見終えてすごく好き!面白い!って思ったのに、言葉で表そうとすると「どこかどう面白かったのか」なんだか文章にしにくい。カテゴライズも難しくて、恋愛ドラマとも呼べないし、キャリアウーマンドラマでもない。笑えるシーンが多いものの、なんにも考えずに見られるようなコメディドラマともいえない。このドラマ

          ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」【第1話の感想/分析】 “幸せになることを諦めません”けど、「幸せって何だろう?」という旅

          ドラマ「俺の家の話」【第6話の感想と分析】 旅をしながら悲哀を晴らしてゆく物語は“夢幻能”そのものである

          第6話は、常磐道を北上し、ハワイアンセンターへ家族旅行する回であった。歌謡ショーまでやってみせた今回の“物語構造”が、実は能楽の“夢幻能の典型フォーマット”と類似していると気づいたので、その点にフォーカスを当てて、まとめてみた。 ※過去の回の感想記事はこちらに格納↓ 夢幻能とは能楽の演目の種類には、“夢幻能”と“現在能”と呼ばれる大きく2つのジャンルがある。 そのうちの“夢幻能”とはどういうものかを調べたところ、『世界大百科事典 第2版』の説明文がわかりやすかったのでそち

          ドラマ「俺の家の話」【第6話の感想と分析】 旅をしながら悲哀を晴らしてゆく物語は“夢幻能”そのものである

          ドラマ「俺の家の話」【第5話感想】時間を悔やむ反抗期と、時間を取り戻す家族旅行

          第5話は、苦しみ葛藤する寿限無(桐谷健太)が描かれた回だった。 過ぎた時間を“悔やんで”反抗期を迎える寿限無と、過去の時間を“取り戻す”ための家族旅行に挑戦する寿一(長瀬智也)という“2人の対比”が鮮やかだったので、そのあたりを中心に書きまとめます。 ※過去回の感想はこちらに格納↓ 時間は取り返しがつかない前週の第4話の感想記事で私は最後、こうした文章で締め括った。転載する。 くしくも、ふざけたイベントタイトルは、今回勃発した寿三郎問題への“返答”を暗示していたのである

          ドラマ「俺の家の話」【第5話感想】時間を悔やむ反抗期と、時間を取り戻す家族旅行

          ドラマ「俺の家の話」【第4話の感想】 “血の繋がり”によって、“俺の家”に含める範囲が変わるのか?

          コメディドラマだと思って見ていたら、次々と現代的社会問題が提起されるドラマである。 第4話は“家族とは何か?”を考えさせられる回であった。その点にフォーカスを当てて分析記事をまとめてみました。 ※過去の回の感想分析記事はこちら↓ 世阿弥マシーンや大蛇への“変身”寿一(長瀬智也)の週末副業バイトであるプロレス業「スーパー世阿弥マシーン」は安定した出場回数をキープするようになって、人気がうなぎのぼりでグッズ販売も好調そう。 顔出しのベテラン老舗レスラーから“覆面レスラー”へと

          ドラマ「俺の家の話」【第4話の感想】 “血の繋がり”によって、“俺の家”に含める範囲が変わるのか?

          ドラマ『俺の家の話』【第2話感想】 “お金”と“介護”と“愛”の複雑な関係性について考えさせられる

          『高砂や、この浦舟に帆を上げて』 第2話も、金銭問題に、後妻業の女に、一門破産のピンチなどなど重い事件が続けて起こるが、この記事ではこのドラマが提起した「愛とお金の問題」に焦点を当ててまとめておきたいと思う。 (以降はネタバレあり。2021年1月30日時点の最終更新です) ※過去の回の感想記事はこちら↓ 余命最後の“幸せの形”とは?観山家の次男、踊介(永山絢斗)は、父親が婚約者だと連れてきた介護ヘルパーのさくら(戸田恵梨香)が、余命短い老人の遺産目当てで近づく後妻業の女で

          ドラマ『俺の家の話』【第2話感想】 “お金”と“介護”と“愛”の複雑な関係性について考えさせられる

          ドラマ『俺の家の話』【第1話の感想】 ピークを過ぎたあとの生き様の物語は、長瀬智也自身の物語でもある。

          長瀬智也がジャニーズ事務所を退所するという。2021年3月の予定なので残りもう3ヶ月弱。報道によると退所後は表舞台からは引退し、裏方になりたいそうだ。 それは、ドラマの中で引退を決心するプロレスラー、観山寿一(長瀬智也)の人生とも重なってみえる。寿一は、引退後は親の跡を継ぎたいという。家業は、能楽だ。 寿一も長瀬も、同い年の42歳として描かれる。 歳をとってからの、一からの転身。 寿一の「最後の引退試合」では、いいところを後輩に持っていかれてしまい、いまいちな花道となってし

          ドラマ『俺の家の話』【第1話の感想】 ピークを過ぎたあとの生き様の物語は、長瀬智也自身の物語でもある。