私信 決して知りたくない事実
話を聞かない親の子は
言い訳だけを考える
返事をしない親の子は
呼ばれたことに腹が立つ
口先だけの親の子は
約束事を守らない
謝らない親の子は
幾つになっても反省しない
人を見下す親の子は
お膳立てされるのが当たり前
お礼を言わない親の子は
感謝の場面を利用と隠滅で生きていく
整理整頓しない親の子は
他人のものでも平気で失(な)くす
責任を転嫁する親の子は
窮地を他人のせいにする
悪びれない親の子は
嘘を態度でつき通す
生殺与奪の立場を固辞する親の子は
目先の利益だけを見る
一人をいじめて欝憤を晴らす親の子は
気晴らしだけで生きていけると疑わない
一人を崇めて気分が落ち着く親の子は
卑劣が何かを知ろうとしない
思い込みにしがみつく親の子は
学習しようとしなくなる
知識の多様性を無視する親の子は
知りたい情報だけで賢くなったと思い込む
自分の不満を制御できずに
誰かを踏みつけずにはいられない親の子は
呑気に誰かを踏みつけながら
自分で立てなくなっていることに気づかない
自分を省(かえり)みない親の子は
すべき事に目を閉じて
やりたい事だけやり散らかして
出来る事さえしなくなる
印象操作で敵を作りたがる親の子は
「事実」を知る術を放棄する
記憶を「切り貼り・切り捨て」する親の子は
家の外では生きられない
家の外で生きていけない子にする親は
見られる外面(そとづら)だけが世界で
「独り苦労」を世間に晒し
「頑張ってる」と思われていると思い込み
「けなげだね」と同情されたい邪念が溢れ
欲求の源泉と向き合わず
仮想敵に虐げられる三文芝居が憑依して
陶酔の時間を満喫しながら
思いたい「思い込みの正義」を押し付ける
批判されればそのままに
オウム返しの投影も
会話途中のマウントも
「記憶にない」の決まり文句も
自分が自分と向き合う意味も
世間が笑顔で無視する意味も
死んでも知りたくない事実
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