いつの間にかSFにハマる(SF小説・映画の紹介)
きっかけ
よくAmazonがプライムデーなどので電子書籍のセールをしていて、軽い気持ちで下に挙げている「アルジャーノンに花束を」を購入したことからSFを少しずつ読み始めました。
アルジャーノンに花束を/ダニエル・キイス(著)、小尾芙佐(訳)
最初に読み始めたのはこちら。名作というより古典に近い小説だと思っていますが、未読だったのでkindle版で読みました。
1989年刊行なので展開自体に斬新さはないものの、日本語訳がとても素晴らしく感じました。ご存じの方もいるかもしれませんが、この小説は知的障害のある主人公が日記として文章を綴っていく形式がとられています。最初はひらがなが多く間違いも多い文章が続きますが、手術を受けると次第に適切な句読点や語彙の複雑化などの変化が生じて、物語とともに文章が収束していく様が見て取れます。日本語としても無理なく訳されており、より物語へ没入できました。
日本でも長年愛されているのは、訳のおかげでもあるのかなと思います。
プロジェクト・ヘイル・メアリー/アンディ・ウィアー
これも電子書籍のセールで上下巻とも購入しました。長編なので読み切れるか不安でしたが、何とかなるだろうと楽観的に読み始めました。
前半の宇宙に関する専門用語のオンパレードで挫折しかけましたが、主人公が宇宙に飛び立ってバディものの展開になってからは一気に読み進められました。詳細は伏せますが、こちらも素晴らしい作品でした。映画化も決定しているので、是非映画館で観たいです。
すごい宇宙講義/多田将
「プロジェクト・ヘイル・メアリー」を読んだ後、あまりにも用語が分からな過ぎて少し事前知識を入れようと思って読んだのがこちら。
宇宙に関する講義を口語のまま文章化された本で、読み進めると自分まで講義を受けている気分になりました。難解な公式や用語の説明というよりは、科学者の宇宙に対する捉え方だったり考え方をサブカルやネットミームを織り交ぜながら教えてくださる印象でした。
自分も大学生の時にこういう講義を受けたかったです。
コンタクト(1997)
上記の話を映画好きの美容師さんに話したところ、以下の2作品の映画を教えてくださいました。その一つがこの「コンタクト」。
冒頭の美しい宇宙から主人公の成長、優しいピアノのBGMから始まり、夢中になって見続けてしまいました。某宇宙戦争のような派手な戦闘シーンはないものの、ストーリーが本当に素晴らしく、最後のある台詞がとても印象的です。主人公のジョディー・フォスターも可愛いです。
インターステラー(2014)
続いてクリスファー・ノーラン監督のこちらの作品。同監督の「バットマン三部作」、「インセプション」、「テネット」まで見ていたのになぜかこの作品は未見でした。
ワームホールや事象の地平面、ブラックホールなど「すごい宇宙講義」で学んだことがガンガン出てくるので、より物語を理解できた気がします。主演のマシュー・マコノヒーは「コンタクト」で主人公の相手役として登場したことを知り、びっくりしました。
わたしたちが光の速さで進めないから/キム・チョユプ
この作品を知ったのが出版区というyoutubeチャンネルでゲストの宇垣美里さんがこの作品の次回作について話されてたことがきっかけです。読書家の方は語彙が大変豊富で感受性も豊かなので、つい読みたくなってしまいます。
もうすぐこの作品が文庫化されると知り、発売直後に書店で購入しました。内容としてはもちろんSFの設定や世界観なのですが、人を思いやる瞬間だったり寄り添う関係性が主軸として描かれていて、読後感がとても良いです。短編集だったこともありすぐに読み終えてしまいました。
表題の短編である「わたしたちが光の速さで進めないから」は特にラストシーンが爽快で印象深いです。
おわりに
実はこの投稿も気軽に始めたのですが、気づいたら1600字以上書いてしまいました。できるだけ物語の核心に触れないよう書いたつもりなので、読んだり視聴するきっかけになったら幸いです。