ルーティンと験(ゲン)担ぎの違い
一流のアスリートが多く行なっていることの一つに、「ルーティン」があります。試合の日の朝食を決めていたり、試合場に入るまで何歩で入るか決めているなどです。
ルーティンとよく似たものに「験(ゲン)担ぎ」があります。似ているので混同されがちですが、この二つには大きな違いがあります。
ルーティンとは「今」この瞬間に集中しパフォーマンスを上げること
ルーティンは、パフォーマンスの波をなくし、いつでも同じことを同じ精度で繰り返すためのものです。「今」この瞬間に集中し最高のパフォーマンスを上げるものと考えてもいいかもしれません。
ルーティンにはいくつか種類があります。
①ウェイティングルーティン
本番を待っている時のルーティン。試合前に聴く音楽を決めるなど。
②プレスタートルーティン
本番直前のルーティン。試合前に跳ねたり、特定の行動をとるなど。
③プレパフォーマンスルーティン
プレイ中のルーティン。ボールを投げる前に深呼吸をする、開始線に戻るときに見る位置を決めるなど。
④ポストパフォーマンスルーティン
プレイ後のルーティン。一本取られてしまった後に、自分を落ち着かせ次の行動に集中できるようにするなど。
⑤ウォーキングルーティン
プレイとプレイの間にするルーティン。試合を待っている時の行動など。
験(ゲン)担ぎは未来に向けて行うこと
未来は誰にもコントロールできません。どんなに努力を重ねてルーティンの精度を高めたとしても、結果は誰にもわからないのです。
実力が拮抗したとき、少しでも良い結果・運を引き寄せるために行うことが験担ぎです。
たとえば、剣道のある強豪校の3人の選手たちの話で、ある大きな大会に臨む際に、1人の選手は宿舎の自分の布団もシーツも綺麗にたたみ、整理整頓をして出発しました。また、ある選手は布団はたたんだものの、シーツはぐちゃぐちゃでした。またある選手は何もせずに試合に出かけました。
この年、整理整頓を完璧にした選手が大会で優勝し、布団をたたんだ選手が3位、何もしなかった選手はベスト8でした。全員、実力に大きな差はありません。
偶然かもしれませんが、このように細かなところまで気を配り「結果を残したい」という強い思いを表現することが勝利を引き寄せたのかもしれません。
「勝ちたい」「良い結果を残したい」
そう思う場合、ルーティンや験担ぎを日々の練習や本番に取り入れてみてはどうでしょう。その人のライフステージや選手の状況によって必要なルーティンは変化します。あなたにぴったりのルーティンを探してみましょう。