それでは今日も尾崎紅葉の『三人妻』を読んでいきたいと思います。
余五郎は、伝内とは別に探偵させようと山瀬を招き、新聞を見せます。すると一読して、この文面はお才と菊住に間違いないと言います。お才は芸者を勤めている頃から浮いたことをする女ではなかったが、菊住とは心から切れているわけではなく、こちらが苦肉のはかりごとで陥れたわけで、このたび焼け木杭に火がついたのではないか。余五郎は不興な顔をして、自分とは外面だけで、内実は菊住と楽しめと粋立てした覚えはない。しかしこれしきのことで腹立てる自分ではない。ずいぶん穏便に済ますべし。ともかく実否をつきとめ、新聞社へ手を廻して確かなるところを探らせたまえ。
剣とペン……昔から軍人と記者って嫌われてたんですねw
ということで、この続きは……
また明日、近代でお会いしましょう!