かまぼこカマボコ蒲鉾_餃子ギョーザ

日本の伝統産業を考える「蒲鉾革命」Vol.2

さて、蒲鉾の時間だ。

海に囲まれる島国、日本が誇る水産加工業。

昭和50年には、100万トン以上の爆発的生産量で隆盛を極めたのが、日本を代表する水産加工品として名高い蒲鉾だ。
しかし、残念ながら近年は50万トン以下の生産量にまで落ち込んでしまっている。

そんな蒲鉾業界に一石を投じる企画を練り上げるべく、現在頭を捻っている。

業界では、取り分け解決したい課題があるという。

「若者の消費減退」

この課題と向き合い新たな製品開発に意欲を示すのが、三陸地方で130年以上の歴史を持つ老舗蒲鉾店である及善商店の専務、及川善弥さんだ。

彼と話し合いをする中でいくつか出てきた若者に振り向いてもらえそうな可能性は以下3つ。


■イミテーション加工品の検討
実は、蒲鉾業界の中で海外を中心にぐんぐん伸びているものがある。
カニカマだ。

カニカマといえば、ひと昔前に流行った安価かつ便利なカニの脚に似せて作られた食材というイメージがある。しかしそのカニカマは、フランスをはじめとした海外で、思いのほかブームを巻き起こしているというのだ。

そこで、海外のカニカマ事情をよく知る全国かまぼこ連合会の奥野勝さんに、消費量の推定値や人気の理由を教えてもらった。
●世界中(日本を含む)のカニカマ消費量は年間50万トン超(推定)
第1位:欧州全体15万トン(フランスの消費量は年間5万トン超)
第2位:米国6万トン
第3位:日本5万トン
(すべて推定値)

世界中で愛されているカニカマ。
何故にそこまで人気なのか?いくつか理由があるようだ。

●カニの代替として好適
「世界中で、高価な天然カニの資源が減少しています。すると価格が上がるため、本物の価格に比べて安いカニカマは歓迎されています。
また、最近まで、魚介類をあまり食べていなかった国・地域、例えば米国の内陸部、東欧などでは、カニカマは『殻付きでないから食べやすい』『魚臭さがない』点が歓迎されているようです」
●カニアレルギー向け
「カニカマは、一部のアレルギー・フリー製品に限定されますが、カニアレルギーが心配な人も食べられる点が歓迎されています」

他にも、寿司ブームや環境保護の観点からなど。

※カニカマのお話は以下URLの記事より引用させて頂きました。
https://www.excite.co.jp/news/article/E1485236957376/


こう見るとカニカマのような高級志向の強いものを代替できる可能性がある料理や素材は優位性がありそうだ。

そういえば、僕が大好きな一見すると鯖寿司に見える蒲鉾「しめ鯖のかまぼこ」も、そのルックスと味で確かに人気がある。
楽天市場の総合ランキング(全2億点以上の商品中)で1位を取るという蒲鉾の異端児的な存在だ。ほんと美味しい。特に日本酒好きな人は絶対おすすめ。

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↑島根の蒲鉾屋「寿隆かまぼこ」
https://item.rakuten.co.jp/jutaka-kamaboko/kamaboko-4-1/


イミテーション食材に関して個人的には、

「食べたいけど値段が…」

「格調高いお店に行くの緊張…」

こんな想いを抱く僕みたいな内向的消費者を外食ではなく、中食で安価に気軽に雰囲気だけでも家庭で楽しめるものはアリかなと。

三陸地方は、高級魚が数多く揚がる港町なだけに料理としても素材としても理解が深い。
蒲鉾として加工することで日本の食卓を彩る、このあたりは方向性としてあり得そう。


■温度感のある料理として検討
食卓の端っこのほうに、そっと置かれているイメージの蒲鉾(※完全なる個人見解にして偏見です)を、ステーキとかオムライスみたいに食卓中央でバーン!とメインとして展開するようなものにすることが出来たら良いのではと考えた。
食欲をそそるものは、熱が入って温度感のあるものが多いという印象(※完全なる個人見解にして偏見です)なので、蒲鉾も熱くボリューム感あれば最高ではとこんなものを作ってもらった。

画像2

前話で試作すると言ってたカマボコ餃子である。
蒲鉾をタネとして仕込み、焼き餃子的に仕上げた。
ほんとは皮から全て練り物にしたかったのだが、とりあえず試作ということで実験。


食味は、「うーん…」
まだまだ改善の余地はありそうだが、作り食べたことで「こうすれば、美味しくなるのでは?」が意見として出てきたので前進!

成功するまで挑戦続けたら、失敗なんて存在しなくなる。
そこに至る過程として経験と知識が刻まれる。
そんなことを昔の偉い人が言ってたような気がするので、とにかく挑戦し続ける。


■体にも環境にも優しいものを
人と自然、全ての命を大切に。
美味しいのは大事。その上で、素材を活かして体に優しいものを。
最近はアレルギー持ちの若者も増えている。食事から健康を考えてもらえるように努力する。
環境や生態系に配慮した持続可能な商品づくりを目指したい。


他にも膨大な研究要素や形にしていきたいアイデアはあるが、一歩ずつ。
次の打合せは8月、夏真っ盛り。
地道な商品開発はまだまだ続く。

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時井 勇樹 / サメ兄
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