京都のお寿司は湯気が立つ。
3月3日は桃の節句。そしてこの日のイベントは、もちろんひな祭り。
ひな祭りの食卓といえば、ちらし寿司が思い浮かびます。ごはんの上に彩りよく飾ったたくさんの具が華やかで、おめでたい席にはぴったりですよね。
🍣冬に愛されるちらし寿司って
そんなこともあって、春のごちそうというイメージのあるちらし寿司ですが、冬に愛されるちらし寿司もあるんです。
それがこちら。蒸し寿司。聞きなれない名前かもしれませんが、京都では冬の定番。
ちらし寿司をせいろに入れて蒸しあげて、あつあつホカホカをいただくメニューです。寒い季節、京都の街を歩くと目に映る、お寿司を蒸すせいろからもくもく蒸気が立ち上る姿は、見ているだけで温まります。
というわけで、今回はご当地グルメアレンジ再現シリーズ。京都の蒸し寿司を作ります。もちろん付け合わせの小鉢も京都風。定番の柴漬けを即席風にアレンジして添えてみます。
🍣具材は彩りもだいじ
まずは蒸し寿司の具作りからスタート。
ちらし寿司の具っていろいろありますが、だいじにしたいのは彩り。ただ今回は蒸して仕上げるので、お寿司屋さんのランチで人気のお刺身をいろいろ載せたスタイルにはできません。まぐろの赤、いかの白、いくらのオレンジとか宝石箱みたいできれいなんですけどね。
そこで彩りと味の組み合わせを考えて、こんな感じでいくことにしました。
茶色はお魚のそぼろと煮含めた干し椎茸。卵の黄色と、季節の菜の花の緑です。
そぼろは今回はこの前作ったときに冷凍しておいた、ぶり大根をリメイクします。
あらの部分なので小骨を取り除きながら、丁寧に身をほぐします。
お鍋にほぐした身とお砂糖、醤油を入れて火にかけます。
そのまま加熱しながら水分がほぼなくなるまで炒りつけます。
甘辛い味付けが絶対ごはんに合う、そぼろのできあがり。
今回は煮魚のリメイクで作りましたが、ふだん作るときはツナ缶を使うと便利です。
続いて玉子焼き。お砂糖を入れて甘めに、薄く焼きます。
彩りの緑は菜の花をめんつゆでさっと茹でました。ほうれん草や小松菜、絹さやなんかでもOKです。
干し椎茸は水で戻してから細く切って、戻し汁にお砂糖と醤油を入れて煮含めます。甘く煮た干し椎茸っておいしいですよね。おいなりさんのお揚げに通じるものがある気がします。
🍣酢飯ができたら蒸しましょう
ボウルにお酢、砂糖、塩をあわせます。
さくっと和えたら酢めしはOK。
分量はこちらの記事で紹介しています。
酢飯ができたら蒸しの準備。
酢飯を深さのある耐熱皿に敷き詰めます。このあと蒸すので、耐熱皿にするのは絶対条件。
酢飯に具を載せていきます。全体にぶわっと散らすのもきれいですが、今回は縦に列になるよう並べていくことにします。
彩り的に茶色が続かないように、干し椎茸、菜の花、そぼろ、卵の順番に。
トッピング整列。これでちらし寿司のできあがりですが、これを蒸していくのが今回最大のポイント。
♨蒸し器がなくても大丈夫
蒸すというと必要なのが蒸し器。でも我が家には蒸し器がありません。じゃあできないのか…というとそんなことはありません。
先日紹介したシュウマイでも使った、代用蒸し器で仕上げていきます。
蓋つきの深いお鍋に耐熱皿を伏せて、水を張ったら火にかけます。
お湯が湧いたら、耐熱の平皿にお寿司を載せてお鍋に伏せたお皿の上にぽんっ。
弱火に落として蓋をします。あとはコトコト。このまま7~8分蒸していきます。
🔴付け合わせも京風に
今回は小鉢も蒸し寿司に合わせた京風。
人気のお漬物、柴漬けをイメージしたアレンジ和え物を作ってみます。
🔴材料
・きゅうり
・塩
・しょうが
・大葉
・梅干し
・塩昆布
・みりん
少し厚みのあるくらいに刻んだきゅうりに塩を振って、水がでてきたら絞ります。
ボウルにきゅうり、細く切ったしょうが、千切りにした大葉、種を取ってたたいた梅干し、塩昆布、みりんを合わせます。
さっと混ぜ合わせたら、少しおいて味をなじませておきます。
色合いはフレッシュですが、梅干しと大葉の風味で、柴漬っぽい味わいになるのが面白いところです。いうなら超浅漬けの柴漬けみたいです。もしあれば、ふりかけのゆかりを入れると色合い的にも、より柴漬けに近付くと思います。
今回はメインにきゅうりを使いましたが、お茄子を使ってもOK。そのほうが本場っぽいですね。
🍣底冷えの街のアイディアグルメ
そうこうしている間にお寿司が蒸しあがりました。
ぱっと見、いつものちらし寿司みたいですが、あつあつホカホカ。
3月になりましたが、まだ冷える日もありますよね。そんなとき、あったかいこんなお寿司はいかがでしょう。底冷えのする京都の街が生み出した、アイディアご当地グルメです。
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