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カリーガリ博士かく語りき。
Ich bin Dr. kurry-gari.
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👨⚕カリーガリ博士の研究発表
私の名はカリーガリ博士。本日は私の研究発表を諸君に教授させていただこうと思う。
また、なんか出てきちゃったよ…。あ、みなさん大丈夫ですからね。ページをお間違えではないです、トケイヤkitchenです。
どうもこの間から、なんだかおかしな人を呼び寄せるようになってしまったみたいです。
この間のこれに続いて、今回はどこかで見たことある人のモノマネ芸人みたいなのが出てきちゃいました。一度お祓いにでもいったほうがいいのかな…。
まあ前回も特に害はなかったし、ちょっと様子を見てみることにします。みなさんも、よろしければご一緒してください。
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まずはこの写真を見てほしい。手前にあるのはカレー。近頃では本場らしく“カリー”という呼び方も定着しておる。
その奥に並ぶ小皿は、ピクルス。いわゆるお漬物である。
今回私が皆様にお見せするのは、3種類のピクルスをカリーに合わせて食べ比べてみて、その比較をしようというわけだ。
いうなれば、
Dr. Kurry-gari spricht über die Kompatibilität zwischen drei Arten von Gurken und Curry.
ということだ。
ん。なにをいっているかわからないだと。
ええ、ほんとにわかりません。なにをしたいのかもわからないし、完全に翻訳サイトに頼ってると思われるドイツ語も謎です。
気にしなくてかまわん。私にもよくわからん。話を進めるぞ。まずはこれからだ。
🔪ガリ風しょうが漬け
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わかるかな。しょうがを甘酸っぱく漬けたあれ。そう、寿司の横にたたずむガリ。そのアレンジバージョンである。
🔴材料
・しょうが
・梅干し…1個
・みりん…大さじ2
・酢…大さじ1
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まずはしょうがを薄切りにしよう。そして種を取った梅干しを叩いておく。
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しょうがはさっと湯通ししておくと、食感がやわらかくなるのでおすすめである。
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水気はよく切るように。
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これをみりんと酢で和えて、冷蔵庫でひと晩漬ければ、ガリっぽいしょうが漬けができあがりじゃ。
ちなみに2、3日漬けておくと色がピンクになって、よりがガリっぽくなるので、たくさんつくれるのであれば、試してみてほしいところだ。
なんか普通にしょうがのお漬物のつくり方を教えてくれてますね。ふむふむ、数日置くとピンクになるんですね。メモっときます。
今回の命題はここにある。諸君はこのしょうが漬、すなわちガリを寿司の供として認識しているであろう。
はたして、そのガリなる存在はカレー、もといカリーにもよき伴侶として寄り添うことができるのか。私は何年も…いや、何十年ものときを、その実証のために費やしてきた。その成果を諸君に知らしめることこそが、私に課された使命なのである。
ガリですか。普通に福神漬とからっきょう添えときゃいい気がしますけどね。あえてガリを持ち出してきたり、カレーをカリーと呼んだり、見え見えですよ、博士。
そもそもその使命、誰に課されたんですか。そのひとがなにしてる人なのか気になってしょうがないですよ。
さあ、次にいこう。
🥒福神漬風きゅうり
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カリーにガリを合わせるだけでは、その相性がどれくらいのものかを数値化することは難しい。あくまで主観にすぎないからだ。
そのため、今回は比較対象を用意することにした。相対的な比較の視点を持つことで、私の主観、諸君の主観はあまねく世の共感を得るものとなるという仮説に基づく。
お、今度はきゅうりですね。きゅうり好きなんですよね。メモ待機。
🥒材料
・きゅうり
・塩…小さじ1
・ゆかり…大さじ1
・みりん…大さじ1
・醤油…小さじ1
・砂糖…大さじ1
・酢…小さじ1
・昆布…1枚
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きゅうりは3ミリほどの厚さに切って、塩もみだ。10分ほど置いたらよく絞ってくれたまえ。
ゆかりは友人から旅の土産にいただいた、ペン型のものを用意したが、諸君は袋入りのものでもかまわん。要はゆかりが、ゆかりであることが重要である。
博士、友だちいるんですね。なんか安心しましたよ。ちなみに、ゆかりでなくて、乾燥させた赤紫蘇の葉でもいいはずです。
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絞ったきゅうりと調味料を合わせて、昆布と一緒に冷蔵庫で最低3時間ほど漬けることだ。ゆとりがあれば、ひと晩が理想だな。
まあ、これがいわゆる福神漬けの即席版だと考えてくれてよい。
お、定番に寄せてきましたね。いいですね、好きなんですよ。茄子とかレンコンを加えると、よりそれっぽいかもしれませんね。
さて、最後はこれだ。
🔪大根のレモン漬け
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大根漬け。漬物といえば大根、大根といえば…コホン、漬物以外にもおでんやサラダ、いろいろあるな…。
だが今回は漬物だ。漬物しか勝たん。
そういう企画ですからね。カレーのお供の食べ比べに、ふろふき大根とかでてきたら、そもそもの企画見直しですよ、博士。ぶっ飛んだ広告代理店が出してくる企画書じゃないんですから。
🌿材料
・大根(皮付き)
・レモン汁…大さじ1
・みりん…大さじ1
・砂糖…大さじ1
・昆布…1枚
・鷹の爪…1本
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大根は皮付きのままいちょう切りにする。そこに塩を振って水気が出てきたら、よく絞るのだ。
へえー。皮剝かないんですね。めんどくさいんですかね。いや、そんな理由ではなさそうだな。大根の皮を剥くことをめんどくさがるような性格なら、そもそもこの実証実験…というか企画自体やらないですよね。博士のキャラ設定そのものが、かなりめんどくさいですもんね。
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レモン汁にみりんと砂糖。鷹の爪と昆布を合わせて、さあ漬けようではないか。
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こんな感じで漬けるのか。博士、わりとまめですね。
そして数時間後。
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どうだ。これが私が手塩にかけた、チェザ…漬物だ。
この顔ぶれが出揃えば、あとすべきことは限られておる。
チェザ…なんていいかけてやめたんだろう…。なんかわかるような気もしますが、ここは流すところですよね。
さあ次はカレーですよね、わかってますよ。だってどのお漬物が一番カレーに合うか選手権なんですもんね。
🍛博士は冷凍カレーの夢を見るか
カレーはイチからつくってもかまわんが、私の冷凍庫には作り置きのデミグラスソースが常時存在している。
マメな人だなぁ。
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それを解凍して温めるのだ。
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そして別の鍋でカレー粉と小麦粉を、オリーブオイルとバターで炒める。
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見よ、この状態。
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ぶくぶくと泡立ち、いかにもなにかが生まれる予兆に見えるであろう。まるでこの中から、23年ばかり眠り続けた男のひとりも起き上がってきそうではないか。
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ああ、美しき我が夢よ。
なんか、夢というものの概念が、わかんなくなってきちゃったな。
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粉っぽさがなくなったら、ソースで溶かしながらよくのばす。全量のソースと混ぜたら、もう一度火にかけるのだ。諸君の好みの粘度になったら、それこそカリーである。いわゆる欧風だな。
ここまでたどり着いたら、実感準備は残すところわずかである。
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白米を用意したまえ。
なに、玄米でもよいかだと。まあ、そこはこのままでよかろう。私は圧倒的に白メシ派だがな。
博士、おしゃれなお皿持ってるんですね。最初登場したとき、むさくるしいおっさんだなと思ったんですけど、よく見たらモノトーンで統一してるし、意外とシャレオジなのかなって気もしてきました。
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そこにカリーを添える。見よ、これこそカリーガリの欧風カリーである。
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つやつや輝くソースの美。隣にはまばゆいばかりの白米。うむ、やはり白メシは正義だ。いや、玄米を否定しておる訳ではないのだがな。
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この前の教授のときも思ったんですけど…博士のやってることって、おっさんが漬物漬けて、カレーつくってるだけですよね。
さあ、いよいよだ。
あれ。なんか暗転したぞ。
🎥Dr.カリーガリ
Dr. kurry-gari.
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ものものしい感じですけど、スプーン持ってますね。あー、その持ち方、子どもの頃、母親に叱られたやつです。
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あ、カレーだ。
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おいしかったみたいです。
das Ende
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なんか唐突にいつか観た映画みたいなシーンが飛び込んできましたが、結局なんか変な男がカレー食ってただけじゃないですか。なんだったんでしょう。
👨⚕博士のHOTな愛情、または…
よし、カレーの味は文句のないできばえだ。では、ピクルスたちとの相性を、それぞれ確認してみようではないか。
まずはきゅうり。これは文句ない。ゆかりの香りも爽やかで、濃厚なカレーの箸休めにはもってこいである。
続いて大根。こちらの爽やかさはレモンの風味だ。もちろん、きゅうり同様いい相性である。
どちらも皮付きのまま水気を絞っておるから、パリパリした歯ごたえがあって、ごはんとソースで構成されたカレーが柔だとすれば硬。この食感のコントラストも口の中をリフレッシュさせてくれるわけである。
なるほど、大根の皮を剥かなかったのはそういうことなんですね。ホント細かいところのこだわりには、頭下がります。
さて。
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いよいよ今回の本題、ガリ風のしょうが漬けにいこう。
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ふむ。厚みがないぶん、食感は単調で、きゅうりや大根のように皮と実の部分で感じた変化はない。
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爽やかさは梅干しの酸味、すなわち赤紫蘇由来となれば、きゅうりの福神漬風に近い種類のものだな。
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しかし、きゅうりと違うのは、しょうがにはしょうが本体の持って生まれた辛味がある。この辛味も爽やかさに通ずる種類のものだ。すなわち、爽やかさが酸味と辛味の二重奏。深い。より深いぞ。
カレーも辛いのに、付け合せも辛くて大丈夫ですか。
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辛い辛いとひとことでいうが、それはあくまで日本語の世界。ガラスの表現を英語に直してみるならば、カレーの辛さはHOTな辛さ。それに対してしょうがの辛さはCOOLな辛さだ。わかるかね、この2種類はまるで別物なのだよ。
博士、最初ドイツ語で挨拶してませんでしたっけ。まあ、設定というかモチーフにした作品の関係上そうなったんだと思いますが、ここでいきなり日本語と英語の表現について解説してくれるとは。トリリンガルってことですかね。
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この複雑な辛味のハーモニーは、カレーで温められた口の中を冷ます効果を持っておる。つまり相乗効果ではなく、対比、対照によって双方の魅力を増幅するものなのだ。
なに。
きゅうりにしても大根にしても、そもそも冷蔵庫で冷やしてたからCOOL効果はあるだろう、だと。
バカも休み休みいうのだな。本当に冷たいという温度的な状況に意味などない。
考えてみるがよい。いま、諸君は熱々のうどんをふうふうしながら、ズルズルと啜っているとしよう。
うどん、ですか。なんかもうちょっと例に出すものはないんですかね。ドイツ風ならアイスバインとかザウアークラウトとか、せめてヨーロッパという括りでポトフとかブイヤベースとか。博士、日本人ですよね。
そのとき諸君はつゆと水を一緒に口に含みますか、という話だ。そして万一含んだとして、そこにハーモニーはあるのんかいな、ちゅう話やないかい。
日本人どころかもはや、コテコテの関西人だったんですね。
ええか、つまりな、大事なんはホンマの温度の対比やない。カレーが熱くてしょうがが冷たいゆうことに意味はないんや。
もぐもぐ。
カレーがHOTでピクルスがCOOLや、っちゅうことに気付かなアカンのや。
もぐもぐ。
カレーゆうもんはやな、辛いからかれぇやし、華麗やからカレーなんや。ええか。そこにな、しょうがが加わるんやで。完璧やん、そんなもん。なんでいわれたって、うまいねんもん。しょうがないわ。いや、しょうがはあるで。あるけど、しょうがないんや。
ダジャレいれてきましたね。なんか関西っぽいわぁ。
もぐもぐ。
ほんでな、ガリや。そのしょうがが、ガリみたいな味になっとんねん。それだけでうまいやん。そのCOOLなうまさに、カレーのHOTが混じんねんで。もう、そらうまいわ。いや、ほんまこればっかりはしょうがない。
もぐもぐ。
あ、あのぅ。博士、晩ごはん食べてませんか。研究発表じゃなかったんでしたっけ。
もぐもぐ。
🍛妄想の博士かく語りき
ああ、なんかこの間出てきた教授もこんな人でしたねぇ。たいしたことない話をものすごいスケールかのように脚色して、結局夕飯つくって食べてるだけ。
もしかしたら、自分にはこういう感じの、一見権威がありそうな、ただの人を呼び寄せる才能があるのかもしれません。
…やっぱり、今度お祓いいってきますね。
なんかとんだ悪夢を見た気分です。
でもね、試してみたんですよ。
カレーおいしかったです。そして、それに合わせてみたガリ風しょうが。これもなかなかよかったです。
定番の福神漬やらっきょうも、もちろんカレーには、ぴったりです。でもちょっと、味変したいとき、いつもと違う組み合わせで食べたいときってあるじゃないですか。
そんなとき、カリーガリ博士の研究発表、思い出してみてください。たぶん、なんの役にも立たないと思いますが、おいしいのは間違いないです。
でも結局あれですよね。カレーにガリを添えてみようと思ったのは誰かという話です。
もうおわかりですね。それは私。
そしてカレー、カレー、カレー、カリー。カリー、カリー…ガリ。カリー、ガリ。カリーガリ。
カリ…ガリ。カリーガリ。
ああ、そうですね。そうだったのか、そうですよ。
博士を召喚したのは、ほかならぬ自分。
カリーガリ博士、かく語りき。博士は私の心の中で、次なる壮大な研究発表の準備をしているのかもしれません。
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