鍋を回すか、肉を回すか
テレビに映る中華料理屋さんの厨房。
半月型の中華鍋を振って、炒め物やチャーハンをスピーディに仕上げていくあの映像…たまりませんよね。
炒める素材が宙を舞い、そのステージとして輝く中華鍋がどこか誇らしげに見えてきます。
そんな中華のひと品、回鍋肉 。
回る・鍋・肉。
もう絶対美味しいあれ。
回鍋肉。
この字面も素晴らしいですよね。
もう、回してくれ鍋、焼いてくれ肉って感じで鍋を100回くらい回したい気分になります。
🐽輪廻転生回鍋肉
が。
が、ですよ。
回鍋肉について語ろうと思って調べてみたら。
“回”
鍋振りじゃないらしい。
一度調理したお肉を鍋に戻す。
もう一度調理する。
これが回鍋肉の“回る”なのか。
いうなれば輪廻転生。
そっち系の“回”らしいです。
ではやってみよう。
回してやる。
一度調理したお肉を再び調理して鍋に戻して、回鍋肉してみるこにとしました。
🐽豚肉はブロックで
まずはお肉。
休日のお散歩のときに覗くお肉屋さんでいつも売ってる、皮付の豚肉を買ってきました。
なんか本格的な感じしますよね、皮付き。
これを茹で豚にして、回して見せます。
もちろん普通の豚バラブロックでもOKです。
まずは下ごしらえ。
皮の部分はけっこうしっかりしていて、弾力があるので、あとで噛みきりやすいように、細く切り込みを入れて焼き目を付けます。
あとはしょうがとねぎを足してコトコト煮込めばOK。
40分ほど煮込んだらこんな感じ。
脂の上の皮の部分、見えますでしょうか。
今回の回鍋肉用に、すこし厚みのある感じでスライスします。
🐽茹で豚を回します
🐽回鍋肉の材料(1皿分)
・スライスした豚バラ…4~5切れ
・キャベツ…2枚くらい
・ピーマン…1/2個
🐽タレの材料
・甜面醤…大さじ1
・中華だしの素…大さじ1
・自家製タレ…小さじ1
・豆板醤…小さじ1
・酒…大さじ1
自家製タレは我が家の定番。
作り方はこんな感じです。
常備しておくと便利なので、よかったら多めに作ってみてください。
よく混ぜたら準備OK。
🐽炒める前に焼く
“焼き”に入ります。
フライパンに油を敷いて強火で熱し、煙が出てきたら弱火に落としてキャベツを広げて置き、ピーマンとお肉も載せます。
茹でたお肉をもう一度焼く。これがまさに“回”ですね。
弱火のまま動かさずに焼き色を付けていきます。
炒め物というと、いきなり強火で混ぜながらガンガン炒めるイメージがありますが、最初はじっくり焼くのが美味しく仕上げる決め手です。
素材の水分を抜くことで、このあとからめるタレがからみやすくなり、焼き色を付けることで香ばしい香りがつきます。
そう、炒める前にまずじっくり焼くのが、水分の多い野菜を炒める大きなポイントです。
タレを入れたら、ここからが炒めの作業。
強火で全体を混ぜ合わせつつ火を入れます。
🐽回りました、できました
どうでしょう。
回鍋肉。
我が家には中華鍋はないのでフライパンですが、仕上げはしっかり回しつつ炒めました。
“回”の意味が違うとわかっていても、中華料理屋さんのあの鍋をちゃっちゃっとやる感じで炒めると、回してるなぁって実感がわいてきます。
ずっとそっちの“回”だと信じてた刷り込みですね。
キャベツの香ばしく焼けた感じ。
そこにからむタレ。肉。
美味しいです。
焼き色の付いたキャベツの香ばしい美味しさって格別です。
想像するなら、網焼きの焼肉とかバーベキューで焼く、水分のぬけたカラカラっとしたあのキャベツをイメージしてください。
あれ、美味しいですよね。
あのキャベツにさらに甘い味噌だれが絡むんですよ。
フライパンを回せば。鍋じゃないけど。
フライパンを回せば味が絡む。
味が絡めば肉が美味しい。
野菜も美味しい。
シンプルな調理で絶品のおいしさ。
炒め物の魅力です。
ちなみに回鍋肉に使った茹で豚の残りは醤油にみりん、砂糖のタレで煮込みました。
冷ましたらスライスして冷凍。
ラーメンにも活躍する常備菜の誕生です。
これも一度下茹でした豚肉を味付けして再度煮込んでいるので、回鍋肉の仲間なのかもしれませんね。
📝(余談)タイトルのお話
ところで記事を書くとき、みなさんはタイトルを決めてから本文を書きます?
それとも本文を書き上げてからタイトルを付けますか?
自分はまずテーマとおおまかな内容を決めたら、タイトルを考えて、それから本文を書いています。
そんな作業の中で、今回の記事にはタイトルの候補がふたつ浮かんでいました。
ひとつはもちろん今読んでいただいているこのタイトルで、もうひとつは…
“ホイ、ホイ、回鍋肉”
なんか語感が気に入ってたのですが、ミーンネスがすぎるのでやめておきました。
どっちのタイトルがいいですかね。
よかったら教えてください。
結果によっては今後のタイトルの方向性が急カーブするかもしれません(しないかも)