豆腐の水を切ると世界が変わる
冷奴に揚げ出し豆腐、味噌汁の具に白和え。豆腐は和の食卓には欠かせない定番です。そればかりか今や世界中で愛されるヘルシーフード。
そんな豆腐にちょっとひと手間を加えると、料理の幅が大きく広がったというお話です。
▢豆腐の表情が変化する
ではどんなひと手間を加えるのか。
それは水気を切ることです。
お豆腐のなめらかな口当たり、爽やかな食べ心地って、その水分によるものだと思うのですが、それをあえて切ってみると、けっこうおもしろい食感になるんですよね。
特に絹ごしは豊富な水分をふくんでいるので、水気を切るとその表情の変化が大きくて面白いんです。
▢豆腐の水を切ってみる
というわけでさっそく水を切ってみましょう。
バットに広げたキッチンペーパーに豆腐を載せます。
そのまま包んで冷蔵庫へ。
これで半日ほど置けば、けっこう水は抜けますが、今回はひと晩かけてさらにしっかり水を切ります。
一日置くとこんな感じ。
かなりしっかり水が抜けたのが画像でもわかりますよね。
この状態でひと口食べてみると、なめらかさはそのままで水分が抜けた分、味がきゅっと詰まっているのを感じてもらえると思います。
では、この水切り豆腐を使ったおいしいひと品を作ります。
▢水気を切ったらどうするの?
お豆腐って水分が多いので、ふだんちょっとためらう調理法がありませんか。そう、揚げ物です。
豆腐は水分が多いので、揚げ物にするのには勇気がいります。
たとえば揚げ出し豆腐を作るときは表面に小麦粉をはたいて、水分が油に直接触れないようにするのですが、水切りした豆腐に衣をつければ、油跳ねの心配はさらに抑えられると思います。
▢豆腐を揚げるのです
というわけで、水切り豆腐を使って作るのは、豆腐の天ぷらです。
□材料
・水切り豆腐
・天ぷら粉
・水
・青のり
・紅しょうが
ボウルに衣の材料を入れてよく混ぜます。
水切りした豆腐をひと口大にちぎって合わせます。
水分が抜けた豆腐は、ふだんより固く締まっていますが、それでもやわらかいので、崩さないように注意しつつ衣をまんべんなくからめます。
ではいよいよ揚げていきます。
熱した油にスプーンで衣をまとわせつつ静かに豆腐を入れていきます。
衣で全体を包んでいるうえ、水切りしてあるので、跳ねる心配は少なくなっていると思いますが、多少跳ねる恐れもあるのでヤケドには注意してください。
下になった面の衣が固まってきたら返して、全体をカリッと揚げます。
▢豆腐の天ぷらができました
これが水切り豆腐だからこそできるひと品。豆腐の天ぷらです。
仕上げに麺つゆを回しかけて、小口切りにしたネギを散らします。
お好みでわさびを添えていただきます。
▢水気を切ると世界が広がる
お豆腐って、そのまま冷奴で食べるか、煮物やお鍋という食べ方で楽しむことが多いと思うのですが、水を切ることで調理法が広がります。
ご当地グルメアレンジ再現のこのひと品も水切り豆腐を使っています。
ほかにも、パン粉の衣をつけてフライにしてOK、小麦粉をまぶして焼けば豆腐ステーキにも。
豆腐の水を切ると世界が広がる。
そんな気がします。