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スマホに使われていませんか?

ネットやスマホが普及して、なくてはならない存在になっています。しかし、その情報量の多さから流されるように生きていると感じてしまうこともしばしば。

気づかないうちに、ネットやスマホに使われていませんか?そんなことを問いかけてくる本書で、そうならないためにネットから少し離れて頭の整理をすることも重要。

解毒といっても、ネットやデジタル機器をすべて捨てて、世俗離れした仙人のような生活をすすめるものではありません。ネットによって生まれる「ムダな時間」や「面倒な人間関係」を整理し、デジタルライフを快適に過ごすための、いわば「情報のお片付け」のようなものと考えてください。

デジタルデトックスのすすめより

デジタルデトックスのすすめ」(米田智彦 著)では、デジタル機器のデメリットを理解した上で少し距離を置く習慣を取り入れようと訴えています。

本来なら検索したりSNSで発信したりするために使うスマホ。

いつのまにか情報に流されて、スマホに使われているかのような状態になる怖さ。

そんなデジタル時代を生きていくための心のつくり方とは?今回はそこに注目しました。


〇ネットの負の側面

ネット社会で心配される思考パターンに反芻と心配があります。

「反芻」というのは、昔の嫌なことや失敗したことを思い返して、クドクド、クヨクヨ後悔しつづけることをいい、「心配」というのは、将来のことを取り越し苦労することだそうです。「もし、こうなったらどうなるんだろう」「もし、こういうことが起こったらどうしたらいいんだろう」というふうに延々と考えてしまい、ヴァーチャルな不安がどんどん高まっていってしまうのです。

デジタルデトックスのすすめより

LINEの既読スルーで相手に嫌われているのではないかと疑心暗鬼になったり、SNSでの心ない書き込みを目にしてネガティブな感情になったり。

遠くの人や多くの人と交流を持てる反面、マイナスな感情に引かれてしまう問題もあります。そして自分が発する言葉にも気をつけないといけません。

これらに対応するネットリテラシーもこれからの時代に必要なものになってくる。

〇自分で自分を苦しめている

本書で紹介されている早稲田大学教授 熊野宏昭氏の話。

「たとえば、急いで駅まで走っていく。いつもそれで『また今日もか。なんで3分早く出られないんだろう……』と思いながら走ってたんです。でも、ふと、『これをマインドフルに感じてみたらどうなるんだろう?』と思って、走りながら、『この時の身体、身体の感覚とか気持ちの動きってどうなってるんだろうな』と、それだけ感じてみるようにしたんです。すると、走っているので、確かに胸はドキドキしてくるし、汗は出て暑くなってくるし、太股は張ってくるのですが、それだけなんです。自分を責めたり焦ったりしなくなる。自分の状態そのままを感じ取るようにすると苦しさがないんです」

デジタルデトックスのすすめより

マインドフルネスに精通されている方で、ふと身体の感覚を感じてみたそうです。身体を動かせていることに関しては疲労等を感じるものの、苦しいとは感じず、苦しい状況をつくっているのは自分だということに気づいたのです。

こんなに早く走ったら疲れてしまう、遅刻しそうになっている自分を責めたりする。苦しくなる原因は自分がつくりだしているのです。

ネットの書き込みなどの視覚に集中しているところから、別の身体感覚に注意を向けてみる。自分がつくりだした不安から少し離れることが大事。

〇実際に危機は迫っていない

「すること」ばかりを意識すると、仕事で切羽詰まった状態になったり、不安が押し寄せてきたりして「もう死にたい!」と思うこともあります。でも、それはあくまでも心の中のことで、現実には生命の危機にさらされているわけではない。自分でつくり出したヴァーチャルな空間がどんどん膨張していくから、僕たちは息苦しくなってしまうのです。

デジタルデトックスのすすめより

ネットやSNSでショックな出来事があって落ち込んだとしても、それはあくまでもネットの世界でのこと。スマホを四六時中使っていると、空想空間が現実のように感じてしまい危険にさらされているような感覚に陥ります。

今ここにいる自分は現実世界の自分。これを意識することで、現実から離れず危機的状況にもならず生きていけます。

この現実にいる自分を意識するために、スマホから離れる時間が必要になってくるわけです。


今ここに生きている自分は情報を集めるためにスマホやネットを使う。あくまで道具としてのスマホなわけです。

その便利さ、快適さゆえに使い過ぎるとヴァーチャルな世界を現実のように錯覚して自分自身を苦しめてしまう。定期的にスマホをみない時間を設けて、自分を俯瞰し、スマホを使う人間としてありたいものだと思いました。

最後までお読みいただきありがとうございました。


おしまい。

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