「黒猫の小夜曲」を読んで
知念実希人さん作、「黒猫の小夜曲」読みました。
前作「優しい死神の飼い方」の続編。こちらも読んでいただけると嬉しいです!
死神が出てくることもさることながら、動物なのも好きなポイントの一つ。
恐怖の対象である死神と、愛玩の象徴でもある動物。
対極にある二つの持つギャップも魅力の一つではないかと思ってます。
今回も前作同様、人間の持つ優しさ・思いやりが見所であり、それに加えて人間の愛も感じ取れる作品でした。
特に、暖かいストーリーにサスペンス性が加わり、さらに作品にのめり込めました。
ミステリー好き!
感動したい!
そんな人にオススメです。
このシリーズに間違いなし!
○ざっくりストーリー
死神のクロが未練を残した魂を導くために人間界へと降りてくる。
降りた早々に絶体絶命のピンチに見舞われるも、居合わせた魂に助けられ、お礼にその魂の未練を解決することを決める。
その過程で出会う魂も未練を解決するため奮闘するクロ。
全く関係なさそうな老夫婦の問題から始まり、徐々に製薬会社で起こった暗い事件へ変貌を遂げていく。
大手製薬会社に隠された謎、クロを救ってくれた魂の本当の狙い、事件を起こした黒幕の存在などなど、多くの謎が生まれ、少しずつ解き明かされていくストーリー。
前作よりも、事件性・ミステリー性が高い印象を受けました。
シリーズ通しての、人間の愛や優しさに迫る感動要素は健在。それに感化された前作主人公レオ、感化されていくクロの死神たちによる人間味溢れる友情要素も加わり、胸が熱くなりました。
○オススメポイント
・事件性の高いミステリー
関係なさそうな話から、じわじわと恐ろしい事件に迫っていく臨場感に引き込まれます。
犯人の事件計画、登場人物たちの思惑、裏をかいてくる展開に、まさにハラハラドキドキ。
・死神の人間臭さ
ビジネスライクな死神が人間の持つ優しさにふれて、思想・行動が人間的になっていく心の変化が作品の魅力。
前作で人間の一面にふれたレオと、今回の主人公であるクロに芽生える友情。
心情が変化していく死神の良い意味での人間臭さが、このシリーズの魅力であり、僕のお気に入りポイント!
○まとめると
自分の利益のためだけに間違った判断をする人間。
その反面、自分を犠牲にしてまでも他者の幸せを願う、愛を持つ人間。
完璧ではない人間だからこそ起こってしまう物語。
良くも悪くも、人間味に溢れ、人間臭い部分にふれられる作品でした。もちろん感動ストーリーで、このシリーズ間違いなし!
人間っていいな
昔欠かさず観ていた、日本昔ばなしの歌詞を思い出した今日この頃。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
おしまい。
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