鵫巣和徳(とうのすかずのり)
ひとりごとです。表舞台で大きな声で言うほどのことではありませんが、勝手につぶやいています。
私が所属しているドラッカー学会は、今年度から「NPO法人ドラッカー学会」として新たにスタートすることになりました。 ご興味がありドラッカーをもっと深く知りたい、学びたいとお考えの方は、ドラッカー学会のHPから入会の手続きをしてください。 様々な分科会活動があり、みなさまのご参加をお待ちしております。 私は会社勤めをしていたころ、周囲の人たちにドラッカーの話題を持ち出そうにも、ほぼすべての人がドラッカーを知らない、あるいは名前すらまったく聞いたことがないといった職場環境にいて
「チームのメンバーに責任感が育たない」 この悩みは、私がコーチングの仕事をしていく中で最も多いマネージャーの悩みのひとつです。 ドラッカーは『マネジメント(上)』(ダイヤモンド社)の中で、人々に仕事への責任を負い、責任に応じてもらうために、マネジメントがなすべき責任は何かについて、こう言っています。 働く人々が責任を負って仕事をするために、マネジメントがなすべきことがこの3つだということです。 今日はこの中の(3)継続学習についてです。 マネジメント自身の学習です。
私は現在ドラッカーの勉強と普及にはまっていますが、いつからどんなことがきっかけでドラッカーを知ることになったのかと記憶をたどると、それは今から20年前の2003年に、いつものようにふと立ち寄った書店で偶然、ドラッカー名言集『仕事の哲学』という本を手にしたことがきっかけでした。 名言集なので、1ページに書かれた文章は短くパラパラとページをめくりながら読み進めていくと、ある言葉が私の胸に突き刺さりました。 ちょうど転勤の辞令が出たころで、赴任先でも自分の仕事の進め方がうまくい
P.F.ドラッカーは『経営者の条件』という本の中で、成果をあげる能力は天賦の才能ではなく、成果をあげるために必要な習慣的な能力を身につけておくことが大切で、それは5つあると教えています。 以前にもnoteに投稿している話題ですが、お読みいただき、実際に自分もドラッカーの教えを実践してみたという方からのメールをいただいたりして、とてもうれしく感じています。 実は最近、『起業0年目の教科書』という本を読み、著者の倉橋寛幸さんが自身の失敗や成功の経験談を書かれている中で、起業を
「組織改革」という言葉には、何やら「古い姿から新しい姿に変わる」とか、「現在の組織上の問題点を解決する」とかいった、未来に向けてのポジティブな印象を含んだイメージが漂うように感じてしまいます。 でも現実によくあるのが、トップが変わったときにやる組織改革です。 経営陣が新しくなるとどうも組織構造を変えたくなるようで、特に外に向かっての活動に大きな変更がないにも関わらず、自身の権限を誇示するかのように組織改革という名の、組織変更が頻繁に見受けられるようです。 私がかつて建材
先日、「機能しなくなったものの廃棄」という記事を書きました。 今日は「生産性を阻害する機能していないルールの廃棄」についての話題です。 ドラッカーは成果をあげる活動に集中するために、最初に生産的でなくなったもの、機能していないものの廃棄をせよと教えています。 機能していないものの代表と言えば、実にくだらないルールです。 機能していないのか、これがあるから組織が機能しないのかわかりませんが。 少し前に、こんなネットの記事を読みました。 この記事では、スイスのビジネス
世の中には実に無駄なことをいつまでも続けている組織がたくさんあります。 それらがイノベーションを妨げています。 ドラッカーはこのように教えています。 ドラッカーはまた、別の本でも集中して新しいことに取り組むにあたって、最初にすべきことは、生産的でなくなった過去のものを捨てることだと教えています。 そのためには、自らの仕事と部下の仕事を定期的に見直す必要があります。 この作業は年に1回は必ずやった方がいいと、私は考えています。 そして見直す基準は次の問いに対する答えです
私は8年前に35年勤めた会社を退職し、同じ業界の別の会社に移籍しました。 最初の会社はメーカーで、次の会社は商社。 同じ業界だったので、言葉は通じたし、それまでのお客様ともお付き合いは継続していました。 また、最初のメーカーと次の商社は大きな商いのある取引関係があったので、トータルとして人的交流は途切れてはいませんでした。 そして4年前に商社を退職し、今は、それまでの仕事とは全く違うマーケットで個人で事業を営んでいます。 先日、そんな以前のお取引先のお客さまだった方々
私は今、所属しているあるコミュニティで、ドラッカーの『経営者の条件』読書会を開催中です。 参加者のみなさんがとてもよく勉強されていて、かなりレベルの高い会で、毎回私も勉強になっています。 その過程で、ドラッカーの本を読み始めた方々にとって、本の中で何度も繰り返し出てくる「成果」という単語について、どうやら以下のように感じていらっしゃる方が多いようだと気づきました。 「ドラッカーは何にも増して成果重視で、日本人的には少し馴染めないところがある」 先日の読書会でも以下のよ
部下の育成と自分自身の自己啓発について考えてみたいと思います。 ドラッカーは『マネジメント 課題・責任・実践(中)』の第33章で、マネジメント教育について詳しく述べています。 思い当たることがたくさんあります(笑) どうしてこの人は部下たちをこれほどまでにくじけさせることを言うのだろう、とか、弱みを見つける天才だよね、という上司というのは、どの会社にも多かれ少なかれ存在するのではないでしょうか。 ドラッカーは、そもそも自己啓発というものは、その名の通り自分で行うもので
ドラッカーは『マネジメント 課題、責任、実践(中)』(1973年)において、実に124ページを使って組織について論じています。 それほど、組織の構造については、マネジメントの世界において、古くから最も深く研究されてきました。 でも、組織の構造については唯一絶対の解答はありません。 そのうえでドラッカーは組織のモデルについて大切なことをいくつか教えています。 組織にはいろいろな形がありますが、共通しているのはひとつの目的に集中して組織されていなければならないということで
またまた、責任についてのお話です。 ドラッカーは「自分で責任をもて」という当たり前のことを、ことさら強く教えています。 少し長くなりますが、今日は『プロフェッショナルの条件』(ダイヤモンド社)から引用し、この教えをどのように感じ取り、活用できるか、考えてみたいと思います。 目標管理も自己開発のための勉強も、その会社で勤め続けるか辞めるかの判断も、すべて自らが最大の成果をあげるためにどうしたらいいかを自らの責任で決めなさいと教えています。 みなさんの会社にも、この春から
企業や自治体、病院や学校など、多くの組織には内部にいくつかのチームがあります。 そして皆さんもお気づきの通り、チームによって社員のエンゲージメントやモチベーション、そして実際の成果に大きな差があるということはどこの組織にもあるものです。 ある大企業の人事担当の方と先日お話ししたところ、社員は毎年、多数の応募者の中から厳選して採用していて、配属もその時々のバランスを考えて行っているにもかかわらず、チームによるエンゲージメントレベルの差が大きいことがサーベイによって確認される
ドラッカーは長いコンサルタント経験の中で出会った数多くの「成果をあげる人びと」を観察し、次のように語っています。 このことは、「プロフェッショナルの条件」という本の中でも、成功をした人々に、何が彼らに成功をもたらしたかを聞き出した結果、以下のように語っています。 その「いくつか」の中で、その前提となるもっとも重要なこととして「成果をあげ続け、成長と自己変革を続けるには、自らの啓発と配属に自らが責任をもつこと」だと教えています。 「自らの啓発」と聞くと、かつて多くの企業で
ドラッカーの著書の中でもバイブル的な本として有名な『経営者の条件』には、エグゼクティブが成果をあげるために身につけるべき5つの習慣について詳しく書かれています。 1.自分の時間が何に使われているかを知り、体系的に管理すること 2.貢献に焦点を合わせること 3.人の強みを生かすこと 4.重要なことに集中すること 5.効果的な意思決定をすること その2番目の習慣が、この本の第3章に「どのような貢献ができるか」と題して書かれています。 この章は全部で22ページにわたってエッセ
このところ読者の皆様から、このnoteに書いてあるドラッカーの教えを実践してみましたと言うお知らせを、メッセンジャーやメールでいただくことがあり、とてもうれしく感じています。 例えば、5月8日投稿の「『汝の時間を知れ』というドラッカーの教え」で書いた以下のことを実践していますというご連絡。 「成果をあげる者は時間からスタートする。自分の時間が何に使われているかを記録し、無駄を排除して整理し、自由になる時間を大きくまとめよ」 実際に毎日自分の時間を分単位で記録し、それを1