「成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする」というドラッカーの教え
P.F.ドラッカーは『経営者の条件』という本の中で、成果をあげる能力は天賦の才能ではなく、成果をあげるために必要な習慣的な能力を身につけておくことが大切で、それは5つあると教えています。
以前にもnoteに投稿している話題ですが、お読みいただき、実際に自分もドラッカーの教えを実践してみたという方からのメールをいただいたりして、とてもうれしく感じています。
実は最近、『起業0年目の教科書』という本を読み、著者の倉橋寛幸さんが自身の失敗や成功の経験談を書かれている中で、起業を志している人が会社にいる間に行う準備について、こう言っているのが目にとまりました。
この一言を読んで、やはり成果をあげている人は、仕事や計画からではなく、時間からスタートしているということを再確認することができました。
ちなみに倉橋さんは、まず1日15分でいいから起業準備のための時間を作ことと、堂々と定時退社することだと書いています。
そこで繰り返しになりますが、ドラッカー流「時間の取り扱い説明」についてお伝えします。
ドラッカーは『経営者の条件』という本の中で、成果をあげる人は、何事を始めるにあたっても、最初に時間の使い方を見直してからスタートしていると言っています。
この本の構成も、成果をあげるための5つの習慣とすべきことの、第1番目に「汝の時間を知れ」をもってきています。
その教えは、まず、毎日どのように時間を使っているか「記録する」こと、その記録を見て「活動を整理し時間を創出する」こと、そして創出した時間を「大きな塊にまとめる」こと、この3つのステップを、少なくとも年に2回はやりなさいというものです。
今日はその中の2番目、「時間を整理する」方法について、ドラッカーの教えをお伝えします。
この仕事の見つけ方は簡単です。
すべての仕事を書き出してみて、まったくしなかったら何が起こるかを考え、「何も起こらない」が答えだとしたら、今すぐ止めることです。
私の場合は会議や会合の中に、この種の仕事がいくつかありました。
かなり勇気がいる行動ですが、時間を作るためには必要なことです。
次に、それらの仕事の中で、他の人でもやれることは何かを考えることが大切だと教えています。
時間の記録をよく観察してみてください。
それは、本当にあなたがしなければならない仕事ですか?
他の人でもできませんか?
「権限委譲」という耳障りのよい言葉がありますが、この言葉の本当の目的は、自分がやるべき仕事を部下にやらせることではなく、自分がやらなくてもいい仕事を誰かにやらせることによって、自分の時間を創出することです。
つまり「権限委譲」とは自分の仕事を作り出すための手法だということです。
これはどういうことかというと、あなたは他の人の時間まで浪費している可能性があり、それを取り除きなさいということです。
これを発見するためには、聞けばいいのです。
「あなたの仕事に貢献せず、ただ時間を浪費させるようなことを私は何かしていますか?」
この質問を周囲にするには勇気が必要ですが、答えを恐れずに質問できる勇気こそが、成果をあげる者の条件だと説いています。
これら3つの手法によって、時間の整理・仕事の整理をしてみてはいかがでしょうか。
ちょっと不安かも知れませんが、ドラッカーはこのように言っています。
まずは、セルフマネジメントとして時間の整理をやって見てはいかがでしょうか。
きっと何も起こらず誰も困らず、かえって任せられた周囲の人たちに感謝されるかもしれません。
今日は『起業0年目の教科書』を読んで、時間創出の大切さを想起してお伝えしました。
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