「お客様は神様じゃありません」客からの「カスハラ」に立ち向かう企業にTwitterユーザーが送るエール
「カスタマー(顧客)ハラスメント(いやがらせ)」(以下「カスハラ」)という言葉をご存じでしょうか。厚生労働省の資料によると「顧客等からの暴行、脅迫、ひどい暴言、不当な要求等の著しい迷惑行為」と定義されており(※)、年々増加傾向にあるそうです。
社会問題となっているカスハラについて、Twitterでは企業の対応や実態に対するさまざまな反応や意見が集まっています。
ツイートまとめサービスのTogetter(トゥギャッター)がお送りする「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド」、今回のテーマは「カスハラ」です。
「お客様は神様ではありません」バス会社の広告に絶賛の声
2023年3月、とある地方紙に掲載されていたバス会社の広告がTwitterに投稿され、大きな反響を呼びました。
『その苦情、行き過ぎじゃありませんか?』という呼び掛けで始まる広告の内容は文章のみ。「近年、些細なことで理不尽なクレームや過度な要求をするお客様がおられます」という書き出しから始まっています。
企業側に非があってお詫びする場合もあると書き添えつつ、「車内外のドライブレコーダーで確認し、非がないことをお伝えしても一方的に攻撃される」ことがあるといいます。
さらに太字で「お客様は神様ではありません」と強調し「理不尽なクレームや要求には毅然とした対応をとり、場合によっては乗車をお断りいたします」と、企業からの明確なメッセージが書かれているものでした。
理不尽な客のクレームから社員を守るという宣言を行った内容にTwitterユーザーからは「現場に寄り添っている会社だ」「こういう会社は信頼できる」など、広告を出して企業の姿勢を広めるというバス会社の行動を高く評価する声が集まっています。
メッセージの内容からは、バス会社が受けてきたカスハラの深刻さがうかがえます。しかし企業の姿勢を好意的に受け取っているTwitterユーザーからの感想からは「お客様は神様」という意識はとうに大きく変わっていると感じられそうです。
店への苦情に、他の客が反論!?スーパーに張り出された「お客様の声」がTwitterのリプライ状態に
主にスーパーマーケットなどでは、商品やサービスの改善をはかるため、客からの自由な意見を募る意見箱を設置しているところがあります。
投稿された意見は通常、客からの投書とそれに対する店側からの回答を張り出しています。ところが、あるスーパーでは客からの苦情が書かれた投書に対して、さらに他の客からの意見も同時に掲示する形を取っており、その様子が「Twitterの投稿とそれに対するリプライのようだ」と話題になりました。
客から投稿された苦情の内容とは「警備員の声掛けが耳障りなのでやめてほしい」というもの。この投書に続けて張り出されていたのは「声掛けはやめる必要はない」「一人のクレームから声掛けがなくなるのは寂しい」など、他の客からの反論と言える内容でした。
Twitterユーザーからはスーパーの掲示方法に対し「素晴らしいお客様に支えられているな」「こういうのは良い使い方だと思う」など、両方の意見を載せる店の対応を好意的に見るものが集まりました。
しかしいっぽうで「いろいろな意見がございますというスタンスはわかるけど、これでは晒し者の刑になっている気がしてさすがに気の毒」という声もありました。
カスハラを受けた店員、従業員のストレスの高さは想像に難くありません。企業側が毅然とした態度を示すこと、それを歓迎する声がTwitterでも多くみられることは、今後のカスハラに関する議論において注目されるポイントとなるのかもしれません。
以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド」でした。
この連載は毎週月曜日に更新。これからもTwitterから見えた興味深いトピックを解説していきます。
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