【DAY.42】新潟発着!2ヶ月で、公務員がバイクで全国周る旅日記
この記事、連載は...
民間から中途で新潟県庁に入った公務員が、4年で退職するその前に、有休消化で全国をバイクで回る、という、ノープランな企画です。予約なし、フィーリングファースト。
7:00、北海道 阿寒町のゲストハウス、「釧路ゲストハウス コケコッコー」にて起床。
やはり、朝は寒い。
ここは、北海道なのだ。
北海道は道が良いので、早い時間に移動しておけば知床半島まで十分狙えるな、と思い、さっさと準備を済ませ、8:00出発。
途中、再びタンチョウヅルを発見。
ほんとに、普通にいるのね。
なんかもうびっくりもしなくなってしまい、とりあえず釧路市を目指して走る。
この写真では快晴に見えるが、前方にはグレーの雲が垂れ込めており、一抹の不安が。
途中、釧路湿原展望台という看板を見つけたので、ちょっと寄り道。
バイクを置いて、こんな感じの道をしばし歩く。
釧路湿原!
これは、肉眼で見ないと伝わらないスケールだな...。
もう少し経つと緑になるのだろうか。
昔行った時の記憶よりも、かなり大きな都市という印象を受けた釧路市内を通り抜け、日本最東端の地、根室へと向かう。
12:00、根室の道の駅に到着。
休憩しつつ空を見上げると、大きな猛禽類の姿が。
オオワシかな?と思ったが、後で調べるとオジロワシっぽい。
うーむ、大自然。
で、ここでの目当ての一つが、日本最東端の役所メシ。
市役所にデカデカと北方領土問題のことが書かれている。
普段、ニュースくらいでしか聞かない北方領土問題だが、このあたりを走っているとそれ関連の看板がいたるところに現れ、こちらの人たちにとっては切実な問題なのだな、と改めて思わされる。
中に入ると、いかにも昔ながらの食堂といった風情の案内サインが。
メニューはこんな感じ。
ここは当然、根室のご当地グルメ、エスカロップをいただく。
エスカロップとは、バターライスの上にカツを乗せ、デミグラスソースをかけたものらしい。
Wikipediaのページはこちら↓
これが、実に美味い。
厨房を見ていても、冷凍食品などではなく、丁寧に作っているのがよく分かる。
他の方が頼んだチャーハンもちゃんと鍋を振っている。
3日寝かせたデミグラスソースは濃厚、カツも揚げたてサクサク、薄めに切られているのは正統的な作り方らしい。
何より、バターライスがめっちゃ美味かった。
玉ねぎシャキシャキ、タケノコの食感もよい。
ボリュームもある。
というわけで、暫定4位。
全て終わったら改めてまとめる。
で、そこからさらに東へ進み、いよいよ日本最東端、納沙布岬へ到着。
平日で人はほとんどいなかった。
これは北方領土への架け橋らしい。
真ん中で火が燃えていたが、運動の火を絶やさないように、ということだろう。
北方領土問題にはあまり詳しくないが、一通り展示に目を通し、署名しておいた。
日本最東端と思われるネコも発見。
こちらは近くのお土産屋さんでサービスで出てくるてっぽう汁。
根室は花咲ガニの産地。
カニ好きとしては後で食べたい。
途中の道はこんな感じ。
この時までは晴れていた...。
で、明るいうちに知床半島の羅臼あたりまで行こうと道を調べたら、かなりの距離があることが判明。
地図で見ると、北海道の広大さが分かるだろう。
とは言え、前に進まないと仕方ないので、市内を通り過ぎたあたりで雨が降ってきた。
途中から本降りになってきて、道の駅根室に避難。
時間は15:00、気温は6℃。
さすがに雨の中3時間かけて羅臼まで行く気にはなれない。
というわけで、心苦しいが、来た道を戻り根室市内のライダーハウスへ。
ここはお土産屋さんがやっていて、海産物等を2,000円以上買うと宿泊無料という有名なライダーハウス。
花咲ガニでも買おうかと思ったら...バイクが1台も駐まっていない?
おばちゃんが出てきて、昨日身内に急に不幸があり、休んでいるとのこと。
ま、マジかよ...もうびしょ濡れだけど...。
しかし、事情が事情だけにどうしようもない。
ま、事前に電話をしろって話なんだけど、それはあまり性に合わないし。
スマホをいじろうにも雨で画面が反応しないので、近くのセイコーマートで高校生たちがダベる中、必死で根室市内の宿を探す。
漫画喫茶はないようで、民宿に泊まるしかないと思い、観光協会のサイトを見ながら安い順から電話していくが...満員!?
マジで?納沙布岬、ガラガラだったじゃん...。
焦りながら、ようやく4軒目でヒット。
幸い2kmほどと近い。
本日はここ、「根室 エクハシの宿」に泊まることに。
優しいおばさんが出迎えてくれる。
部屋はなんと個室。
おそらくこの旅で一番高い宿だろう。
といっても十分安いのだが。
最近酒ばかり飲んでいた気がするので、今日は酒を飲まず、全てをメシにつぎ込むことに決め、すぐ近くの回転寿司屋へ。
まずは、根室名物、花咲ガニから。
続いて、北海道名物エゾバフンウニ。
本日のおすすめ、ニシン。
骨切りに技術が出る。
炙り〆サバ。
炙りサーモン。
〆サバも美味かったが、個人的にはこの世で炙って一番美味いものはサーモンだと思う。
異論は受け付ける。
最後は釧路名物のサンマ。
季節ではないが、美味かった。
これが一番かも?
というわけで、贅沢な食事を終え、個室で優雅にnoteを書いていると、北海道初日に460km走っていたことが判明。
過去にそれくらい走ったこともあったけど、そこまでの41日間ずっとバイクに乗りっぱなしで、前の日フェリーで仮眠しただけで、しかも125ccで460kmは初めてだ。
※125ccは原チャ扱い、法定速度60km
ちなみに、バイク乗りの方は信じられないかもしれないが、私はこの旅では極力ヘルメットのシールドをしないようにしている。
もちろん雨の日や強風の日、気合い入れて長距離走るぞって時はするけど。
もちろんゴーグルやサングラスもしない。
460km走って、改めて風呂に入って鏡を見ると、顔はコゲまくって真っ黒、ただでさえ小さな目はショボショボ、ただでさえイケてない顔が、さらにブサイクになっている。
それはなんでかと言えば、ドシンプルな理由で、目の前の景色やそこにあるもの、住んでいる人、看板、お店など、この旅で出会うもの全てを、よりはっきりと自分の目に焼き付けておきたいからだ。
バイクに乗っている人は、試しにシールドの有無を走って比べてみて欲しい。
そこには歴然とした差があるはずだから。
途中見かけたキタキツネやタンチョウヅルも、シールドしてたら気づかなかったかも?
こんな旅ができるのは、一生に一度だけ。
地方公務員、それも広報という立場で、日本の各地方を自分の目で、自分でバイクを運転しながら見られるというのは、これが最初で最後だろう。
だからこそ、自分の目で、遮蔽物を介さずに直に見ておきたいじゃないか。
そして、広報担当の公務員としては、見たものや感じたことは、なるべく誰もが目に見えるところに置いておきたいじゃないか。
要は、私なりに覚悟と目的を持って、もちろん私財を投げ打ってこの旅を続けているんだということ。
もうこの旅も1/3を切ってしまい、いよいよカウントダウン。
限られた時間を、どう動いて、何と、誰と出会って、何を食べて、どこで寝て、何を考えるか。
本当は、人生というものは、毎日毎日がそういうことの繰り返しなのだと思う。
ただ、それに気づいているか、気づかないか、それだけ。
もちろん、私も忘れる。
だから、旅に出る。
自分というひとりの人間がこの世界に生きていて、一度しかない、限りある命を燃やして生きているんだってことを、思い出すために。
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