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【DAY.30】新潟発着!2ヶ月で、公務員がバイクで全国周る旅日記

この記事、連載は...
民間から中途で新潟県庁に入った公務員が、4年で退職するその前に、有休消化で全国をバイクで回る、という、ノープランな企画です。予約なし、フィーリングファースト。

5:30、和歌山県 本州最南端の潮岬キャンプ場にて起床。

ご来光には間に合わなかったが、朝日が昇ってきた。

この潮岬の隣には大島という道路でつながっている島があり、ちょっとだけ渡ってみることに。

7:00出発。
橋がカッコいい。

島内の道は一本道。
ここはトルコと縁が深い土地らしく、先端には、トルコ関連の小さな施設と、アタトゥルク ケマルの像があった。

来た道を戻り、一路紀伊半島を北上。
すぐ先の道の駅串本では、これもまた日本離れした海岸が。

だいぶ潮が引いていた。
朝早いのに、道の駅は車とバイクであふれていた。
さすがGW。

さらにもう少し北上すると、クジラ漁で有名な太地町へ。
道の駅たいじでモーニングが食べられるようだ。

まあ、普通のボリューム。

で、日記を書いていると10:00、お店がフルオープンになり、クジラの竜田揚げが揚がったというアナウンスが。

これは、食ってみたい。

味は...まあ、本場で食ってもどこで食ってもクジラはクジラ。
それほど美味いってもんじゃないけど、揚げたてはうれしかった。

なぜか、トイレがめちゃくちゃ綺麗だった。
高級ホテルのトイレと言われても信じるくらい、違和感を覚えるレベル。

で、一応町の中も回ってみた。
太地町は、伝統的なクジラやイルカの追い込み漁を現在も行なっており、世界的にも(マイナスな意味で、だが)有名な町だ。

現場では何が起こっているのか。
自分の目で見て、空気を感じたかった。

とりあえず、大きなクジラの尻尾がお出迎え。

近くには、クジラの水族館があった。

しかし、GWなので親子連れで混んでいたのと、入場料1,500円と聞いて断念。

ここに入るよりは、もう少し町を回ってみたいので、バイクで再び走る。

この漁港も、全てクジラ、イルカ漁に使われるのだろうか。

ここ太地町を含め、串本町、那智勝浦町、新宮市には古来より捕鯨文化が息づいており、「鯨と生きる」という形で日本遺産になっている。

とりあえず「舵取岬」という、いかにもそれっぽい看板を見つけ、坂を登ってみる。

坂の上には、山見台といって、古式捕鯨の際に総指揮を執る設備が残っていた。

これほど海から離れた高台から指示を出さなければならないということが、古式捕鯨の規模の大きさを物語っている。

裏には神社も。

坂を下り町へ降りると、クジラの骨でできた鳥居を発見。

これは、文献を元に復元したものだそうだが、神事にもクジラが密接に関わっていたのだろう。

そして、続いては立派な墓地。

古式捕鯨で、銛打ちのことを羽指(はざし)といったそうだが、その見習いを指加子(さしかこ)というそうで、その墓があった。

どれがその墓のかは正確には分からなかったのだが、指加子は、見習いとはいえ、捕鯨の際は銛で弱ったクジラの頭に飛び乗り、鼻腔に包丁を刺すという、危険な任務があったようだ。

当然、事故も起こり、それで亡くなった方も多かったのだろう。

そして、こちらが、近くのお寺にあった鯨の供養塔。

漁師は、捕鯨が殺生であることをきちんと認識していた。
私は、牛や豚、鶏を食べる時、それに感謝の意を抱いてから食べるということは通常ない。

この手の議論で、よく出てくる話ではあるが、それを自分の目で見ることができてよかった。

ちょうど、関係者らしき方(息子さん夫婦?)がいたので、色々気になった点を聞いてみたが、最近ではグリーンピースなどの抗議運動は収まっているのでは、とのこと。

ただ、直接の関係者ではないから分からないし、ちょっと前までは酷かったという。

さらに、漁業組合直営店にも入ってみた。
この時期はここではクジラは獲れないようだが、宮城産のクジラがあって、買う人も多かった。

やはり、この地域では、クジラは日常的な食材なのだ。

漁港には、至るところに、

No Photo!!

と書かれており、外国人対策だとは思うが、中の撮影は控えておいた。

この日は違う魚が揚がっていたが、先ほどのお寺の方によると、この漁港の多くの設備がクジラやイルカのためのものだそうだ。

捕鯨、大変難しい問題だが、とりあえず、先ほどのクジラの竜田揚げを食べた時、もう少し感謝すればよかったかも、と思い、近くの神社にお参り。

戻る途中に、古式捕鯨で銛を打ち込む姿を模した像と、大きな捕鯨船が展示されていた。

なんと、この捕鯨船は、新潟鉄工所で造られたものらしい。
なんか、余計に人ごとではないなと感じた。

さて、太地町から15分くらい走ると、雰囲気は一転、観光客が賑わう勝浦漁港に来た。

時間はちょうど12:30、どこの店も待ち列ができている。

ひとつだけ列がなかった、焼肉屋さんに入ってみる。
ここでは焼肉屋でもマグロ丼が食べられる。

普通に美味かった。
コメ以外は。

そして、先ほど太地町で見た諸々を思い出しながら、クジラの煮込みも食べてみた。

うーん、好みもあるかもしれないが、独特のクセがあり、決して美味いものではない。

たしかに、これを食べるためにクジラを獲る必要があるのか、と言われると、まあ、家畜の肉やマグロでもいいのでは、と思ってしまうことも事実だ。

が、捕鯨がこの地域に根ざした大切な文化であることもよく分かった。

私が気になったのは、それが日本遺産に指定されたということだ。

そこには、何らかの政治的な意図があったのかどうなのか、もっと言えば、それで大きな金が動いていたのかどうか、というところだ。

なんか、違和感を感じたんだよな。
町の規模からすると道の駅がトイレも含め立派過ぎる気がしたし、他に目立った産業も見当たらないし、漁港としてはすぐ近くに勝浦漁港もあり、クジラ漁だけで、町としての税収を維持できているのかな、と。

ま、この辺はまた改めて調べてみたい。

さて、気を取り直して、山の方へ向かう。
目当ては、那智の滝だ。

石段を早足で降りると、おー、たしかにこりゃ立派な滝。

が、観光客がかなり多かったのと、屋久島でかなりスケールのデカい滝を見ていたので、感動というまでには至らなかった。

で...賽銭を入れようとしたその時...さ、財布がない!!!

前の2回は何となくある場所の検討はついたが、今回はマジでヤバい!!!
心当たりがない!

那智の滝の坂を走って駆け上がり、急いで昼メシを食った場所に行くも、ない!!

こりゃあ、いよいよ旅も中断か、警察署に行くか、当座の現金をどう確保するか、電子マネーだけで乗り切れるのか!?

とか色々考えながら、コーヒーを飲んだローソンへ!

あったー!!!
よかった!!!

ちなみに(ちなみにってレベルじゃねぇ)、今日はちょうど日程も折り返し、ここ勝浦に泊まることにした。

というのも、ここ那智勝浦にゲストハウスをオープンさせようとしている知り合いがいて、そこに泊まれるとのことだったので、今日は那智勝浦を拠点に、熊野大社でも詣でるか、ということで、新宮から、熊野本宮大社を目指す。

那智勝浦から1時間ちょっとで、熊野本宮大社に到着。

さすがに雰囲気はすごいが、観光客もすごい。

令和元年にももちろん対応。

本当は5つある参拝ポイントを順に回るのが本式だが、それは大行列だったので、中の一つ、速玉大神にお参り。

何を祈ったかって?
財布見つかってありがとうございます、と、もう財布を失くしませんように、に決まってるじゃないか。

さて、続いては、40分ほど下り、新宮にある熊野速玉大社へ。

ここは、手水の龍がなんかエモかった。

こっちはそれほど混んでいない。
市内に近いのに。

ちなみに、帰る途中、コインランドリーを探しに入ったイオンで、三重までヒッチハイクに挑戦している若者がいた。

うーむ、どうだろ。

というわけで、勝浦に戻ってきた。

宿は、1階がbodaiという飲食店、ゲストハウスは2階と3階だ。

ちなみに、bodaiは当然ながら満席。

宿に入ると、木目が見える優しい造り。

2階ロビーの横にはバーカウンターが設置されるそうだ。

3階の部屋はまだ造っている最中だが、特別にここに泊まらせてもらった。

ドミはハシゴではなく、階段。
こっちの方が広々としていて個人的には嬉しい。

マグロとシカ、鳥?のカッティングシートもあって、恐らくこれから宿のあちらこちらに貼られるのだろう。
楽しみ。

で、問題の夜メシなんだけど、マジでどこも空いていない!

ウロウロしたあげく、入ったのはまさかのこの店。

タイ料理!
勝浦まで来てタイ料理!

ま、いっか。
ちなみにマグロの刺身もあったので頼んでみたが、最後まで出てくることはなかった。

イサーン出身のシェフが作るソムタム、激辛!
涙出まくった。

ガイヤーンは、普通の手羽先に、ちょいとエスニックな味付けがしてあるだけ。
まあ、日本だとなかなか食材も手に入らないから、イサーン風のは難しいか。

もう数十年も日本に住んで、子どもも日本にいるというママ、ちょっと心配になるくらい、話は通じなかった。

あと、会計も間違えていた気がする。
少ない方に。

サバーイサバーイ。

#今日の走行距離 141km
#総走行距離 4,722km

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