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この冬◯◯◯ウイルスだけではなく、風邪の予防も大切。そこで風邪を予防する3つの栄養素の話です。

 寒く乾燥する冬になりました。今は◯◯◯ウイルスばかりがクローズアップされがちですが、この季節は風邪を予防することも大切です。風邪を予防するプロセスが即ち◯◯◯ウイルスに対しても一定の対策になります。そこで、風邪予防に役立つ3つの栄養素を列挙してみます。
(文末に動画を貼付しています)

風邪の正体

 そもそも風邪の正体は何なのでしょうか。風邪とは、上気道(鼻やのど)が微生物に感染することによって起こります。原因微生物の約90% はウイルスが占めており、残りの約10%は細菌、マイコプラズマ、クラミジアなどウイルス以外による感染です。つまり風邪のほとんどがウイルスだということです。 

 風邪ウイルスの数は200種類以上といわれており、どのウイルスが原因で起こったのかを特定することは困難です。また同じウイルスでもいくつもの型があり、それが年々変異します。このため、一度感染したウイルスに対抗する免疫ができたとしても、また新しいウイルスに感染するために繰り返し風邪をひいてしまうのです。

 一般に感染症では抗体があるかないかということが注目されていますが、風邪の場合は抗体を備えてもほとんど意味がないということです。ですから、どのような風邪ウイルスがやってきても、それに対抗できる免疫を備えることが大切です。それに必要な栄養素3つの話です。

タンパク質

 風邪予防に役立つ栄養素、1つ目はタンパク質です。すべてはタンパク質がしっかり摂れていることが大前提です。理由は、免疫の要である白血球(リンパ球)の材料がタンパク質だからです。このあと説明するビタミンCなど、白血球を活性化してウイルスを攻撃する能力をアップさせる栄養素はいくつかありますが、その白血球の数が揃ってなければ、そもそもウイルスと戦えないからです。

 このことを強調するのは、稀にビタミンとかミネラルはしっかり摂っているけれど、肝心要のタンパク質が足りていないという人が実際にいるからです。それは非常にもったいないし、摂っているビタミンミネラルも十分に生かされません。 

 タンパク質は、基本的に食事からの摂取を目指してください。肉類、魚介類、卵、大豆食品などを中心に毎日3食、しっかり意識して摂ってください。1日の摂取量目安は、体重の千分の一プラスα(できれば+20%くらい)です。体重50kgの人の場合は、50〜60g/日になります。

ビタミンC

 風邪予防に役立つ栄養素、2つ目はビタミンCです。ビタミンCのウイルスに対する役割は2つあります。

1 免疫の要、白血球を活性化してウイルスを攻撃する。

 白血球の中のマクロファージを活性化して、活性酸素の一種である過酸化水素を出させます。この過酸化水素が武器になって、ウイルスを攻撃します。

2 インターフェロンの合成を促進する。
  
 インターフェロンというと、C型肝炎ウイルス治療で用いられる人工の薬剤が有名ですが、じつは人体でも天然のインターフェロンを合成することができます。ビタミンCは天然インターフェロンの合成を促進して、それがウイルスの核酸(遺伝子を作る材料)を破壊して、ウイルス増殖を抑えます。

 ここで問題になるのは摂取量です。厚労省が示す日本人の食事摂取基準2020年版。その中にある推奨量は1日100m g。1日100mであれば、ビタミンCが多く含まれる野菜や果物を食べていれば、クリアするのはむずかしくありません。

 しかし、100mgというのはあまりにも最低限の量であって、その量では風邪ウイルスに対抗することなど到底できません。免疫を高いレベルで維持するには、ビタミンCは最低でも1000mg/日は必要です。その1000mgも平常時のことです。ウイルスが流行しやすい季節の中で、風邪ウイルスに対抗したいということであれば1500mg、できれば2000mgは摂取するのが望ましいと考えます。

 ただ、1500mg〜2000mg/日となってくると、食事からの摂取では100%不可能です。なので、サプリメントを使ってください。ビタミンCのサプリメントはきわめて手頃な価格(1袋1か月分300〜400円前後)であるために、1日2000mgという量を摂っても財布が痛みません。

ビタミンA

 風邪予防に役立つ栄養素、3つ目はビタミンAです。ビタミンAがウイルスと対抗するのは、ビタミンAが粘膜を強化するという役割を持つからです。

 鼻腔、口、のど、気管、気管支、肺などからなる呼吸器は、常に吸い込んだ外気と触れているので、空気中にウイルスがいても侵入されて感染しないような防御機構が備わっています。それが粘膜です。

 粘膜では、異物による感染から体を守る免疫防御機能が働いています。異物と戦って粘液で異物を付着して、絨毛運動によって外に出すシステムです。くしゃみ、鼻水、咳、たんが出たり、粘膜内部の組織に炎症が起こって腫れ、鼻づまり、のどの痛みなどの症状を引き起こすのは、粘膜が異物を外に出そうとしている反応です。

 体がウイルスに晒される最初の防衛ラインが粘膜であり、ここで少しでも撃退することが重要です。そして、その粘膜を強化するのがビタミンAです。

 ビタミンAが多く含まれる食品はレバー、ウナギ、赤肉などで、中でもレバーの含有量は突出していて、レバーを時々、月に2〜3回でも食べる人は不足することはありません。一方、レバーや赤肉をほぼ食べない人はビタミンAの十分な摂取が難しいかもしれません。その場合はサプリメントも選択肢の一つです。

まとめ

 風邪予防に役立つ栄養素、1つ目はタンパク質です。
免疫の要である白血球(リンパ球)の材料がタンパク質だからです。白血球の数が揃ってなければウイルスとは戦えません。

 2つ目はビタミンC。ビタミンCは免疫の要である白血球を活性化してウイルスを攻撃するほか、天然インターフェロンの合成を促進してウイルスの核酸(遺伝子を作る材料)を破壊することによってウイルスの増殖を抑えます。 

 風邪予防に役立つ栄養素、3つ目はビタミンAです。
 ビタミンAは体がウイルスに晒される最初の防衛ラインである粘膜を強化する役割を持つからです。タンパク質、ビタミンC、ビタミンAの3つを十分に摂取して、さらに手を広げられそうだったら、

 タンパク質、ビタミンCにビタミンA。まずはこの3つの栄養素をしっかり摂取して、もし余裕があればビタミンDとミネラルの一つである亜鉛を強化すれば鬼に金棒です。

 今日(12月19日)はめっちゃ寒くなりました。風邪をひくことなく、楽しい冬をお過ごしください。

 この記事に関する動画もあります。合わせてご覧ください。


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