社会全体として高学歴になるのは良いことなのか?
イブリースさんのブログ記事が非常に秀逸なので引用する。
似たような急激な出生率の低下は韓国では更に激しかった。韓国の人口転換が完了するのは1980年代である。当時の韓国は先進国はおろかラテンアメリカよりも経済レベルが下だった。豊かになる遥か前に出生率が先進国並みとなったのである。
この原因の一つとして考えられるのが東アジアの教育熱である。教育は東アジアが奇跡的成長を遂げた理由として挙げられることが多い。昔の韓国は貧しかったが、それでも教育は国民全体に普及し、識字率は非常に高かった。経済成長に先駆けて教育水準は先進国並みになっていたのだ。
韓国の大学進学率が日本を抜いたのは1990年頃である。それから30年かけて高い教育を受けた世代が社会全体に行き渡った2020年代に一人あたりGDPの日韓逆転が起こったと考えれば非常に整合性は高い。
子供に良い教育を受けさせようとすればコストは当然高くなる。5人も6人も子供を生むという過去の風潮は急速に廃れた。むしろ一人の子供につきっきりの方が良い。こうして激しい教育熱が副産物としての少子化を産んだのである。
個人で考えたら、高学歴になることは良いことだ。良い就職、高い年収に恵まれるだろう。しかし、これが社会全体となると、どうか?必死に教育費をかけて激しい競争に打ち勝たなくては一流大学へ行けない。教育費の高騰で少子化になる。
さらに言えば、高学歴の人は肉体的労働をやりたがらない。最近、土木作業員や大工、工事現場の人手不足が深刻だ。このままでは、水道管の修理や家を建てることができなくなるかもしれない。静岡県知事の職業差別発言(農家や肉体的労働を蔑視し、ホワイトカラー公務員を称揚する発言)があったが、こういう差別的な価値観が浸透すると、社会インフラを維持できなくなるのだ。
また、これを言うと女性からは非常に嫌われるが、女性は上方婚だ。本来、男性と同レベルに稼ぐようになるのであれば、上方婚はおかしいはずだ。東大卒業の女性が上方婚しようと思ったら、もはや医師くらいしかいなさそうだ。
肉体的労働が忌避されて社会インフラを維持できなくなり、少子化も進み、経済などの国力も衰退する。
そして、究極的には、自衛官が不足するだろう。自衛官は、命懸けの仕事だ。自分の命にかえても国を守るのが自衛官の仕事だ。だが、高学歴のボンボンやお嬢さんは、絶対に自衛官にはなろうとしないであろう。土木工事であれば日本語のできる移民でも良いが、さすがに自衛官は日本人でないと国防に支障をきたすかもしれない。
何度も同じことを書くが、合成の誤謬と言って、個人個人の行動としては合理的であったとしても、社会全体では最悪の結果を招くことがあるのだ。それが、この人々が高学歴を目指すことだと考える。
なので、Fランク大学など、もはや大学教育が不可能な大学から潰していくべきだと考える。
さすがに、中国がやったような塾禁止令はやり過ぎだと思うが、教育や学歴の競争というのは過熱化すると社会には悪影響があるのだ。
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