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TheoriaでPdMとして働く魅力
認知症プラットフォームの構築を目指しているTheoria technologiesには、4人のPdM(プロダクトマネージャー)が在籍しています。TheoriaのPdMたちがどんな思いで自身のプロダクトに向き合っているのか、PdMの太田さん、可児さんに語り合ってもらいました。
【対談者のプロフィール】
太田 忠(おおた ただし)
担当:データプラットフォームの構築
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可児 可奈絵(かに かなえ)
担当:テヲトル、THEO ONE
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PdMの本質を体現するTheoriaの「共同化」カルチャー
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太田:可児さんとは同じPdMとして、扱うプロダクトは違えど日頃からノウハウや情報をシェアし合うことも多いですが、一番最初に深く関わったのは「デジタルカフェ」だったと記憶しています。テオリアが大切にしている「Insight to Impact/気づきをチカラに」を体現した取り組みでした。可児さんも企画に関わっていたそうですね。
可児:エーザイにいた時に私も企画の段階で携わり、途中で出向が決まったので、一緒に検討していたメンバーが素敵な形で実現してくれました。シニアの方々が集まる場所にお邪魔して、パソコンやスマホのお困りごとにお答えするという取り組みでしたね。会話を通してシニアのみなさんが日頃どんな不安や困りごとを抱えているのか、どんな生活を送れたら希望を持って "生ききる"ことができるのか。そんな気づきを得られたらと企画された取り組みだったのですが、あの頃はまだ太田さんも入社したばかりでしたよね?
太田:そうですね、入社間もない3日目のことでした。「共同化=ユーザーと共に過ごす」というTheoriaが大切するカルチャーを深く知ることのできた貴重な体験でした。PdMにもさまざまなタイプがいますが、可児さんは「ユーザーにとって本当に価値のあるプロダクトを提供したい」、「ユーザーの人生をより良くすることに貢献したい」というPdMとして大事な考えを持っている方なのだなと感じました。
可児:PdMのキャリアが深い太田さんにそう言っていただけるなんて(照)。実はもともと私はPdM職を志望してTheoriaに入社したわけではなかったんです。入社前に「ユーザーの声に耳を傾けながら課題に向き合い、プロダクトの検討や開発をしたい」という希望をお伝えしたところ、それを実現できる職種がPdMだと知ったという順番でした。そこから本を読んだりと、PdMについて勉強し始めたくらいです。
Theoriaの共同化については、こちらの記事で紹介しています!
プロダクト開発のモヤモヤ感がないのは、PdMの裁量権が大きいから
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太田:会社の規模や組織のあり方によってもPdMという職種が担える範囲に幅がありますが、僕の経験からもTheoriaという会社は極めてPdMの裁量権が大きいと感じています。それはTheoriaが従業員一人ひとりが自律して、主体的に意思決定ができる事を大切にしているのも大きいのではないかと考えています。
可児:たしかに、私は受託会社で企画や制作の仕事をしていたこともあったため、トップダウンではないですが、委託先の要望をプロダクトにする際に「これって本当にユーザーに価値を提供できるものなんだろうか?」とモヤモヤしたことは何度かありました。
太田:それは事業会社でも同様に起こり得る事で、適切に権限移譲されずユーザーの課題を捉えていないまま、なんとなく進めざるを得ないという場面も少なくありません。結果としてほとんど利用されない機能をリリースしてしまったり、価値を提供できずモヤモヤした気持ちにつながりますよね。さらにチームの士気も下がってしまいます。適切に権限移譲が行われプロダクトに関わる全員が意思決定に携われるということは、ユーザーに価値を提供する上ではもちろんのこと、働く環境としてもとても重要だと思うんです。
可児:太田さんが「TheoriaはPdMの裁量権が極めて大きい」とおっしゃいましたが、実際に私自身の業務でも感じる点はあります。私は認知症ポータルサイト「テヲトル」のPdMを担っているのですが、元々本サイトの前身はエーザイが運営していました。サイトを移管するにあたり、Theoriaが考えるプラットフォームの入り口として対象ユーザーを考え直すなかで、単に移管するだけでなく、サイトを大幅にリニューアルしたいと提案したんです。
太田:確かに「テヲトル」はサイト訪問者の裾野を広げ、Theoriaが担う領域すべてを横断する位置づけになりましたよね。提案は受け入れられてリニューアル案件は可児さんにお任せしてもらえたのですか?
可児:そうですね、リニューアルを進めることができました。ただそれには、お金もかかりますし、コンテンツを充実させるメンバーも必要です。しかし、周囲の協力も得られ実行まですごく早く進めることができ、半年後にはサイトリニューアルとコンテンツチームの体制構築も完了しました。それだけ責任の重みを感じる反面、挑戦しがいのある職種であると実感しています。
太田:任されるとやりがいを感じるし、スピード感を持って進められるのはスタートアップだからこそですよね。また、Theoriaは必要なメンバーの採用や体制まで踏み込んで議論できるのも良いですよね。
「目線が揃っていること」がエンジニアやデザイナー、職種を超えた議論につながる
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可児:もちろんキャリアやスキルも大切ですが、Theoriaの従業員は「本質的にユーザーのためになる」ことを考えている人が多いなと感じます。だから会議でもエンジニアやデザイナーがどんどん意見を上げたりと、議論がとても活性化するんですよね。
太田:確かに職種問わず意見やアイデアが出てきますよね。これは普段から利用者の声を聞いたり皆で議論する機会があるからだと思います。例えば、Slackのチャンネルでも認知症の方のお話を聞いたり一緒の時間を過ごして感じた事を共有するチャンネルがあって各自が解像度を上げて目線を揃える事に役立っています。
可児:要件定義を行う際も私が決めた内容で進めるというよりは、課題や論点を出しながらエンジニアと一緒に考えて決めるといった流れをとっています。目線が揃っているからこそ意見も出しやすいし、議論も活発になるのだと思います。
可児:そこで太田さんが素晴らしいなと感じるのは、誰の意見も否定することなく、今この段階で優先すべきことを提起しながらみんなが納得して同じ方向に進めるように導いていらっしゃることです。PdMとしての調整力がすごいというんでしょうか。それはキャリアももちろん、懐の深い人柄によるところも大きいんだろうなと思います。
太田:どんな意見も「いいね」と思ってしまうのは、単に僕が大雑把な性格だからかもしれません(笑)。ただ裁量権が大きいからこそ、チームにモヤモヤを残さない道筋を作るのもPdMの役割ですし、まずは意見を聞いてみるという点は意識しているところではありますね。
異なるプロダクトを手掛けながらも、TheoriaのPdMが仲間でいられる理由
可児:PdMという職種の裁量権の大きさを考えると、早い段階から複数人のPdMがいて、マルチプロダクトで同時並行に進めている点は、Theoriaのスタートアップらしからぬところだなと思います。一般にスタートアップというと、まず1つのプロダクトに注力しマネタイズできたら、次のプロダクトに向かっていくのが定石だと思うのですが。
太田:それはTheoriaが向き合っている認知症という領域が、極めて長い期間にわたってユーザーに寄り添わなければならないものであり、「点の課題」を解決するだけでは不十分な領域だからではないでしょうか。年齢を重ねて「もの忘れが多くなったな」と感じている方と、認知機能の低下が顕著になった方では提供すべき価値がまったく違いますが、その段階を経るプロセスにおいてはプロダクト間で連携することでユーザー体験を向上させることが可能です。単一のプロダクトでは解決できない課題だからこそ、<そなえる領域><つながる領域><ささえる領域>、そしてこれらを横断する<てをとる領域>という4つの事業領域を同時に開発する意義はとても大きいと感じています。
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可児:私も多くのシニアの方々と交流していて感じるのは「プロダクト間のつながりによる安心が用意されていればもっと前向きに"認知症と向き合える"のではないか」ということです。たとえば認知機能のチェックを行うような<そなえる>プロダクトがあったとしても、認知症と診断された"その先"の<ささえる>プロダクトがなかったら、怖くてチェックしたくないですよね。
太田:そうですね。ですから、Theoriaの4つの事業領域で開発しているプロダクトはまったく異なる属性のユーザーに向けたものであるようで、実はシームレスに繋がっている。それらのプロダクトを横断的に連携させているのが、可児さんが携わっている認知症ポータルサイト「テヲトル」や会員基盤「THEO ONE」だと考えています。
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可児:手掛けるプロダクトは違うけれど、向き合っている課題は同じ。だからTheoriaのPdMは頻繁にアイデアを交換したり、情報を共有したりしますよね。互いに協力し合いながらそれぞれのプロダクトをグロースに繋げていこうという、心強い仲間がTheoriaのPdMには多いなと思います。
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太田:それはやはり認知症という領域が、とてもじゃないけど個人では解決できないほど難易度の高い課題だからではないでしょうか。でも、だからこそ僕は挑戦しがいがあると感じてTheoriaに入社したんです。認知症領域を包括的にテクノロジーでアプローチしている会社は世界的にもまだまだ希少なだけに、グローバルでビジネスを確立できるポテンシャルもある。そうした事業性にも魅力を感じました。自分の子どもも自分自身もいつか年齢を重ね認知症に向き合う事になるかもしれませんが、ネガティブなイメージは持たずに前を向きながら生きられる社会であってほしいなと思います。そう考えるとTheoriaの事業領域というのは社会的なインパクトも大きいのと同時に、自分事でもあるんだなとひしひしと感じますね。
可児:私も同じ思いです。医療から認知症にアプローチする研究もどんどん進んでいますが、もっとベースにある認知症に対する過度なネガティブイメージを払拭したり、認知症になっても自分らしい認知症との向き合い方や選択ができるようなお手伝いをしたい。そんなプロダクトがTheoriaなら作れるのではないかと希望を持っています。
Theoria technologiesでは、様々な経験を持った方を積極採用しています。日本に限らず、世界的に大きな社会課題である認知症、一緒に様々な解決策を創り、社会的インパクトを創出していきましょう。