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認知症と向き合い、 誰かの「できない」を「できる」に変える体験をつくりたい
Theoria technologies株式会社 プロダクトマネージャー
可児 可奈絵(かに かなえ)
大学時代はラジオ、脚本制作、広告などのマスコミ・広告分野を総合的に学び、制作会社のWEBディレクターとしてキャリアをスタート。2018年に現在のLINEヤフー株式会社に入社し、AIサービス事業のマーケティング、サービス企画などに携わる。
その後エーザイ株式会社に入社し、認知症の疾患啓発サービスや医師向けサービスのUX・サービス設計に関わりながら新規事業企画なども経験。
2024年4月からTheoria technologiesにて、人々の未病から生ききるまでに寄り添う横断領域で、認知症ポータルサイト「テヲトル」や会員基盤「THEO ONE」のサービスグロースに従事。
好きな駅は新丸子。おすすめの手土産はBRETONNEのフィナンシェ。
自己紹介
こんにちは!2024年4月からTheoria technologiesでプロダクトマネージャー(PdM)として働いています、可児です。
休日は、夫のバンドのTシャツを作ったり、ポッドキャストを聴いたり、朝までゲームをしたり、愛犬をめでたりしています。
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最近は、夫が寝る前に真空ジェシカのラジオを流すのですが、5分くらいで入眠できる人なので同じ回を何度も聞くことになり、私だけ真空ジェシカの2人やハガキ職人に詳しくなっています。
キャリアの軸になったユーザーからの手紙
LINEのAI事業部にいた頃、事業部宛に障がいがある方から手紙が届いたことがありました。
当時LINE Clova(AIスピーカー)には、声だけでLINEを送ることができる機能があったのですが、その機能を使うことで、誰も介さずに友人とメッセージのやり取りができました、と喜びと感謝が綴られていました。
便利さや楽しさを届けたくて携わっていたサービスが、誰かの「できない」を「できる」に変えているという感動。同僚と喜びあったことを覚えています。
数値と向き合い疾走(スピード感が尋常じゃなかった)し、サービスをグロースさせていく楽しさの中で、自分が仕事をする上で大切にしたいことを改めて考えるきっかけとなりました。
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プロダクト愛が深いチームで働くのはすごく楽しかったです。
エーザイへ
エージェントからエーザイ社の紹介を受け、「ビジネス時間の1%を患者様や生活者の皆様と共に過ごすことを推奨」しているhhcの理念に興味を持ち、エーザイの採用プロセスを進めることにしました。
その頃、今は亡き私の祖母が認知症になって10年近く経っていました。
私は認知症についてよく知らず、接し方もわからず、 だからといって調べることもしていませんでした。
今振り返ると、どうすることもできない病気だという思いこみや、仲の良かった母をも忘れてしまう認知症への恐れがありました。
選考に向けて製薬業界やエーザイが注力している疾患の一つである認知症について勉強する中で、認知症には種類や進行段階があること、適切な接し方などを知り、私にももっとできることがあったかもしれないと、悔しく情けなく思ったことを覚えています。
採用プロセスの中で、認知症には未病段階からリスクがある状態、診断時、投薬有無、介護ケアなど幅広く多くの課題があることや、そこに対する”健康な状態から最期の時までその人らしく生ききるを支える”というエーザイの中期経営計画「EWAY Future & Beyond」について様々な状況を知り、今度こそ、認知症と向き合ってみたいと思いました。
そういえば、初回面接は1時間の予定だったのですが、その時の面接官がいろんな話をしてくださり、気づいたら2時間近く経っていました。笑
当時の面接官の熱さもあってか、面接後夫に送ったLINEを振り返ったら「ここで働きたい!」と千と千尋の神隠しの千尋ばりに送っていました。
Theoriaへ
エーザイに入社してからは、生活者向けサービスや医師向けサービスでUX設計やディレクションを行ったり、様々な部署の方と関わりながら採用サイトやオフィスリノベーションなどの社内プロジェクトにも関わってきました。
様々なプロジェクトを経て、認知症に関わる方々のためのサービスを上流工程から検討し作って行きたいという思いが募り、上司に相談したり、新規事業提案(当事者と運営する音声コンテンツ事業)などにも取り組んだりしていた中、Theoria設立の話を聞き、興味を持ちました。
上司や執行役員、Theoria立ち上げ時の取締役の城倉さんなど多くの方に何度もお時間をいただき、出向が決まりました。
「横断領域」を担当しています
認知症の状況に応じた3つの領域をまたがる「てをとる(横断)領域」を担当しています。
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「認知症の未病〜診断後のすべてのユーザーが希望を持って認知症と向き合えるよう、その時必要なコンテンツ・サービスを提供する」を領域ミッションとしていて、プロダクトとしては現在、認知症ポータルサイト「テヲトル」と会員基盤「THEO ONE」があります。
具体的な仕事内容は、領域のOKR策定やロードマップ作成を進めながら、各プロダクトのKPI策定、設計・進行管理などを行っています。
認知症ポータルサイト「テヲトル」では、コンテンツディレクターと共に「認知症といえばテヲトル」を目指してコンテンツ戦略の検討・施策の実施を進めています。医師や専門家と力を合わせた記事作りや、当事者や自治体へのインタビューなど、ひとりではできなかったコンテンツ作りにチームで挑戦できるのは嬉しく、これからのサイトの成長を想像してワクワクしています。
私はTheoriaではじめてPdMになったこともあり、まだまだ立ち止まってしまうことも多く、周りのスペシャルな同僚たちに相談したりノウハウを教わったりしながら試行錯誤しています。
またエーザイにいた頃、共同化の推進メンバーでもあったので、その繋がりを生かしてTheoriaのメンバーが当事者やご家族と一緒に過ごす機会づくりも進めています。
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増えていくアベンジャーズ
まだTheoria社員が10数人だった頃、Theoriaの会社説明資料に関する議論の中で、Theoriaをアベンジャーズと表現した人がいたのですが、新しいメンバーが増える度に、それぞれがこれまで戦ってきた経験と専門領域での能力を発揮していて、まさにアベンジャーズだなと実感しています。
社員が増えていく中でいいなと思うのは、これまで議論を重ねていることでも、新たなメンバーとともにそもそもに立ち返ることを厭わず、新しい見解や手段が増えることを前向きに考える雰囲気があることです。お互いをリスペクトしているからこそできることだと思います。
好きなバリュー
Insight to Impact / 気づきをチカラに。
人々の深い悩みや希望に耳を傾け、それぞれの”生ききる”を支える社会的インパクトを創出します。
合宿でバリューについての議論を行う中で、「Theoriaが調査隊となって、前人未踏のフィールドを探索し地図を作っていく」という会話がありました。
人の数だけ自分らしい目的地があるはずだから、目的地を決めて進んでいくのではなく、一人ひとりに合わせた目的地を探していく。それも空から俯瞰で探すのではなく、私たちが自ら足を運んで向き合う人たちと一緒に見つけていく。
これからもこのイメージを忘れずに働きたいです。
自分らしい選択がしやすい社会作り
色々な認知症課題の根本に、認知症のスティグマ(認知症に対するネガティブな考えや行動)があると感じます。
・「最もなりたくない病気」として認知症を選んだ回答者は39.3%と、がんを選んだ回答者(36.8%)よりも多く、最も高い値となった。
・回答者の60.8%が認知症に対するイメージを「身の回りのことができなくなり施設に入る」と答えている。
以前自治体の方とお話した時には、認知症の当事者が社会参加について前向きでも、ご家族や地域で関わる方が反対してしまうこともあると伺いました。
確かに重症化してしまうとできないことも増えていきますが、認知症になったら、「はい、もう何もできません」ということはなくて、症状や進行も人それぞれ。早期に気づいて対策していくことで改善する可能性もあります。
認知症のスティグマを解消することで、自分らしい選択ができる社会作り、「できない」を「できる」に変える体験の実現にチャレンジし続けたいです。
Theoriaで仕事以外で楽しみにしていること
昨年のYear End Partyで実施されたTheoriaグッズ第2弾のコンペで優勝した(やった〜!)ので、それを作ってみんなで身につけるのが楽しみです。
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Theoriaのメンバーは日頃穏やかで落ち着いているのですが、納会などのイベントは積極的に楽しもうとしている感じが素敵だなと感じます。
最後に
多様なバックグラウンドのメンバーと日々探索する毎日は楽しくやりがいがあり、大変なこともあるけれど、飛び込んで良かったです!
やることがたくさんあるからこそ、仲間が増えるとできることや視野が広がり、どんどんTheoriaが強くなっていくように感じます。
大きな社会課題、やりがいもひとしおだと思います。
ぜひ気軽にご応募いただけたら嬉しいです。
一緒に働ける日を楽しみにしています!
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Theoria technologiesでは、プロダクトマネージャー含め、様々な経験を持った方を積極採用しています。日本に限らず、世界的に大きな社会課題である認知症、一緒に様々な解決策を創り、社会的インパクトを創出していきましょう。