見出し画像

調光レンズ

「2024年のベストバイって何?」

「なんか雑誌みたいっすね」

「あらゆるメディアで特集が組まれ出したからさ」

「バルミューダのトースターですかね」

「何週遅れで買ってんだよ」

「まあそうですけど、良い物は良いんで」

「そうだな、何周遅れとか気にせずに買えるのがお前の良い所だ」

「エイジさんは?」

「調光レンズ」

「その場合はメガネって答えるんすよ」

「いや、メガネは買ってなくて、レンズだけ変えたんだよ」

「そういう事っすか」

「夜にサングラスかけてる奴ってさ、頭おかしいと思うでしょ?」

「それは言い過ぎですけど、友達にはなりたくないですね」

「黒のワンボックスにジャージに健康サンダルはいてそうじゃん?」

「偏見です」

「でさ、おでこに上げてる人も違うじゃん?」

「それならしまえよって思いますね」

「な、「日中はサングラスかけてるんで、俺」みたいなさ、ちょっとイキってる感をだしてると思うんよ」

「そうなんすかね。というか、サングラスってイキリアイテムって訳でもないですよね」

「そうそれ」

「何がっすか?」

「サングラスってイキリアイテムではないってやつ」

「そうですよ」

「知ってたんか?」

「だって普通に眩しい日があるじゃないですか」

「あぁ、そのレベルか」

「なんすか、急に見下して」

「文字通りの意味しか理解してないのかって。サングラスだから太陽レンズみたいな」

「スモールライトはスモールライトでしょ」

「その先のメリットまで大人は考えるんだよ。ただ小さくなって喜ぶのは就学前までだぞ」

「誰が未就学児なんすか」

「お前さ、まさかビルケンシュトックをおしゃれサンダルだと思ってる?」

「違います?」

「あれは足の健康を守る為のサンダルなんだよ」

「なんだ、健康サンダルなんすね」

「その略し方だとキティちゃんサンダルみたいだな」

「で、サングラスはなんなんすか?」

「目の健康を守る為」

「あぁ、なんとなく分かりました」

「明確にトーンダウンしたけど、分かるぞ。目の健康っていまいち分かりづらいよな」

「サングラスじゃなくて調光レンズが良いのは何でですか?」

「俺はガチで目が悪いでしょ?」

「目と性格っすね」

「だから、メガネは必要な訳」

「アンガーマネジメントもっすね」

「でもさ、メガネとサングラスを二個持ちするのって嫌じゃん?」

「手ぶらが多いですからね」

「デートに手ぶらで行って怒られた事あるからな」

「手を抜いてる感がでますからね」

「でも、空っぽのカバンを持ち歩くのもな」

「誰かの歌詞でありそうですけどね」

「誰がギター弾き語り男やねん」

「髪もパーマですし」

「社会を憂いたろか」

「戻しましょう」

「だから、メガネかサングラスかの二択な訳」

「それならメガネっすね」

「でも、日中は眩しいじゃん?」

「目の健康じゃなくて?」

「そうだ、目の健康だ。だからサングラスが欲しかったの」

「でも、そうなると夜に困りますね」

「自然と頭のおかしい奴の仲間入りする所だったんだよ」

「だから、調光レンズなんすね」

「まさに」

「日中はサングラスで夜はメガネになるという」

「なんで誰も教えてくれなかったんだろう、全メガネはこれにすべきってぐらいでさ」

「やっぱりまだサングラスに抵抗ある人もいるんじゃないですかね」

「これだから日本人は嫌だよ、海外ではサングラスなんて当たり前なんだから」

「エイジさんハワイにしか行った事ないじゃないですか」

「しかも一回だけな」

「かぶれてますねー」

「かわいい所もあるんだよ」

「35歳のそれはかわいくないです」

「来年はアサイーでもやろうかな」

「完全にかぶれてるわ」

「お前も調光レンズに変えなよ」

「僕は日中上司と外回りがあるんで難しいです」

「上司の前ではサングラスは難しいって?」

「マナー的にですね」

「しょうもな、これだから日本人は」

「もういいですって」


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集