毛塚 哲理

東京都品川区に在住の31歳。自身の結婚式をゼロから作り上げ「AtelierWedding」を設立。他にもコテージの運営。機械の設計など複数仕事を掛け持ちながら全力で人生を突っ走ってます。http://atelierwedding.jp/

毛塚 哲理

東京都品川区に在住の31歳。自身の結婚式をゼロから作り上げ「AtelierWedding」を設立。他にもコテージの運営。機械の設計など複数仕事を掛け持ちながら全力で人生を突っ走ってます。http://atelierwedding.jp/

マガジン

最近の記事

全国のパパさん。あなたは十分、頑張ってますよ。

僕の娘は2019年の11月に産まれて現在0歳5ヶ月目である。 何を隠そう絶賛パパ見知り中。起きている時は抱っこしても泣かないのに、夜眠たい時はパパは無力である。どう抱っこしても、ミルクを飲ませようとも、歌を歌おうとも無力である。 その時の僕はまさに「明日のジョー」 真っ白に燃え尽きるぜ 妻がお風呂に入っている時にギャーーー!!っと泣き始め 顔をちらっと見て確認し「違う、こいつじゃない!」とまたギャン泣き。 泣きたいのはパパの方である。 ようやく、妻が来て抱っこす

    • 自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep23.もし今日が人生最後の日だとしたら~

      Ep23.もし今日が人生最後の日だとしたら  長い間、お付き合い頂きありがとうございました。2019年は僕の人生の縮図といっても過言ではない1年間でした。入籍・嫁の妊娠・祖母の死・結婚・出産。本当に「山あり谷あり」という言葉がぴったりな1年です。ちなみにですが、内容は全てノンフィクションです。  なぜこの1年の物語を書こうと思ったかと言うと、普通の人間も努力すれば自分の理想を達成することが出来る、というのを伝えたかったからです。(あと、宣伝です笑)  「そんなことは言わ

      • 自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep22.娘への手紙~

        Ep22.娘への手紙 「 春瑠へ。  春瑠という名前はお父さんが考えお母さんが決めました。 名前の意味は春のように暖かく、瑠璃色のように美しい心を持った子に育つように願って付けました。 大人になったあなたはどうでしょう。 暖かい心を持っていますか? 色々なことに挑戦していますか?  もしかしたら今まさに壁にぶつかっているかもしれませんね。  世の中には理不尽なことが山ほどあります。上手くいかないことだってたくさん。女性というだけで差別されることだってあるかもしれません。

        • 自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep21.旅の続き~

          Ep21.旅の続き  意気消沈している中、朗報はあった。石原の友人から1.5次会を頼みたいと連絡があったのだ。打ち合わせは結婚式が終わった2日後。式が終わっても後処理に追われていた僕が少し疲れた顔で「ねえねえ、打合せの時期早すぎない?」と苦笑いしながら言うと、石原は「いやいや、休ませないよ。」と満面の笑みで答えられた。彼のスパルタ具合には逆らえないようだった。  1.5次会を依頼してきたクライアントは僕らと年齢の近い優しい夫婦だった。  AtelierWeddingにつ

        マガジン

        • ゼロ婚
          19本

        記事

          自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep20.責任~

          Ep20.責任  終わるときはあっさりとしていた。あれだけ時間をかけて作ったセットも1時間もすればほとんどが解体されていった。僕もみはるも感傷に浸る時間もないままに片づけに追われていた。スタッフも土砂降りの中、総出で作業を進めていた。  一通り片付けが終わり、帰ろうとした時に事件は起きた。借りていたレンタカーのセレナがいくら待っても会場に到着しなかったのだ。元々、参列者の送迎のために駅まで向かっていたが途中で立ち往生したというのだ。  その時、事故の詳しい状況は分からな

          自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep20.責任~

          自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep19.結婚式2日目~

          Ep19.結婚式2日目  翌朝は残念ながら雨だった。1日目の疲労が少しあったが、2日目は親族を迎えた結婚式だったので緊張感は1日目の比ではなかった。  テントは絶望的だった。雨を凌ごうとして屋根を張れば水が溜まり骨組みが歪んだ。結果的には式中も少しずつ水を抜くということ以外に手立てがなかった。あいにく、大降りはしていなかったため人力でも何とかなった。  そうこうしている内に親族が続々と車で到着した。「テツ、遠いよ。」と憎まれ口を叩かれながらも祝福してくれた。僕たちは着替

          自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep19.結婚式2日目~

          自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep18.結婚式1日目~

          Ep18.結婚式1日目  翌朝、雨は止んでいた。少し湿度が高くジメジメとしていたが結婚式1日目を迎えた興奮から眠気は飛んでいった。起きるなり寝室の扉を開け、外を見た。テントは無事だった。ただ、1か所屋根の布を外し忘れたテントは見事に折れていた。予備のテントは無かったため応急処置をして使用した。  朝早くからスタッフはフル稼働して来場者に備えた。主役である僕とみはるもほとんどスタッフと同様に働いた。誘導を一手に任せていた長谷川は来場者の送迎と指示に追われ、もはやお祝いムード

          自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep18.結婚式1日目~

          自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep17.会場前入り~

          Ep17.会場前入り  2019年7月5日金曜日。結婚式を翌日に迎えた我々は午前中にレンタカーを2台借り、大量の荷物を詰め込んで品川を出発した。下見の際に迷ってしまった環状線への合流も問題なかった。スタッフはほとんど寝ていないにも関わらず会場までの車中は賑わいを通り越してもはや、やかましかった。  千葉県の「森と空と家」に到着したのは午前中の10時頃。天気は曇っていたが雨は降っておらず到着と同時に荷下ろしが行われた。  まずは会場全体の掃除をした。森の中だったので蜘蛛の

          自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep17.会場前入り~

          自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep16.式までラストスパート~

          Ep16.式までラストスパート  石原がAtelierWeddingに入った効果はすぐに出た。仕事がスムーズで決断も早い。無駄なタスクを省いてゴールまで最短距離を行く。彼の仕事ぶりは他のメンバーに刺激を与え、プロフェッショナルとは何かを背中で伝えていた。元々、一級建築士を持っていることもあり、会場設営や装飾に関しても圧倒的な知識と経験値で計画がどんどん前進していった。  準備も佳境を迎えていた。  苦戦していた4mの巨大スクリーンを作成して映写した。プロジェクターは80

          自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep16.式までラストスパート~

          自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep15.こんな時だからこそ~

          Ep15.こんな時だからこそ  自分の1.5次会を2ヶ月後に控えたある日、同い年の友人・石原から個人的に「1.5次会の設営を手伝ってくれないかな?」という依頼が来た。  僕は参加者として行く予定だったが、石原も1.5次会を自分で計画しておりスタッフに人手が欲しいようだった。最初、ただでさえ忙しい時にそんなことをしたら時間が無くなってしまうのではないか、と躊躇した。しかしAtelierWeddingの成長のためにも、この忙しい時だからこそやるべきだと思った。  「忙しいか

          自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep15.こんな時だからこそ~

          自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep14.一難去ってまた一難~

          Ep14.一難去ってまた一難  まず、解決するべきはアクセスの問題だった。実際、駅から会場までは徒歩でも40分近くかかる。車で送迎しなければ絶対に無理な立地だった。大型2種を持っていた長谷川にアクセスの大部分を任せていたがマイクロバスを手配するのは至難の業だった。  何しろ千葉の山の中。道が狭く運転技術が相当いる状況だった。そして、何よりもバス業者から断られまくった。ネットで掲載していても実際電話してみると貸していないところがあったり、そもそも金額がとんでもなく髙かったり

          自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep14.一難去ってまた一難~

          自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep13.和仁原社長の提案/「森と空と家」~

          Ep13.和仁原社長の提案/「森と空と家」  イメージは「ボタニカルな空間でのカジュアルな結婚式」。つまり、森や木々などの自然が含まれていることが条件だった。ただ、いくら探しても理想に合う会場が見つからない。ハウスウェディングの式場を1日だけ貸してもらえれば良かったが、そんなことを認めてもらえるほど世の中甘くはなかった。僕たちは結婚式場探しに奔走した。  いよいよ、決めなければならない時期に入ってきたときにふと知り合いである不動産会社を経営している和仁原社長が以前紹介して

          自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep13.和仁原社長の提案/「森と空と家」~

          自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep12.結婚式は総合芸術~

          Ep12.結婚式は総合芸術  結婚式を作るにあたってのプログラムやイメージなどは固まりつつあった。しかし、一番必要で開拓が難しい協力業者を探す必要があった。  以前、友人の女性映画監督である笠松が2人でお茶をしたときにこぼした言葉がある。  「映画製作って総合芸術なんですよね。映画監督と俳優さんだけでは決して出来ないんです。美術さんやメイクさん、カメラマンさん、音声さん、その他にも様々な人が関わってようやく1つの作品になるんです。だから映画監督はたくさんの人と関わる。す

          自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep12.結婚式は総合芸術~

          自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep11.「ごめん、前倒しになった。」~

          Ep11.「ごめん、前倒しになった。」  妊娠の安定期には入っていなかったものの、つわりの終了時期とお腹が大きくなり始める時期を考慮して7月あたまには結婚式をしなければならないことを全員に伝えることにした。  少し強張った表情で僕は切り出した。 「あの、みんなに言わなきゃならないことがあるんだけどちょっといいかな・・・実はさ、みはるが妊娠したんだ。」  一番に反応したのは知念だった。最初は驚いた表情を見せたが直ぐに満面の笑みで、「楽しみですね!!お二人の子どもだからき

          自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep11.「ごめん、前倒しになった。」~

          自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep10.祖母の死、入籍 そして妊娠~

          Ep10.祖母の死、入籍 そして妊娠  2019年2月18日。透き通るような淡い水色の空の下、僕とみはるは入籍した。その日は2人が6年ぶりに上野で再開した日だった。残念だったのが、前日の2月17日に大好きだった母方の祖母が亡くなったことだった。  98歳の大往生だった。祖母は孫である僕の顔も名前も憶えていたので、生きていれば入籍したことを祖母に伝えたかったがそれは叶わぬ夢となってしまった。  入籍した日は両親に吉祥寺の芙葉亭(ふようてい)というフレンチのお店に連れて行っ

          自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep10.祖母の死、入籍 そして妊娠~

          自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep9.別れ。~

          Ep9.別れ。  2次会が終わって1ヶ月後のことだった。深夜、それは突然の連絡だった。特に成長を期待していた宮岡からだった。僕は眠い目をこすりながらiPhoneのロックを解除してLINEのトーク画面を開いた。 「テツリさん、ごめんなさい。私、チームを抜けさせて頂きます。」  宮岡への怒りは無かった。あるのは力不足が招いた自分への怒りだった。宮岡とは以前から2人でプライベートのことや今の仕事のこと、これからのキャリアプランについて語っていた。僕は彼女の話を聞くときはこうだ

          自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep9.別れ。~