自分たちでゼロから結婚式を創った夫婦の話し。~Ep21.旅の続き~
Ep21.旅の続き
意気消沈している中、朗報はあった。石原の友人から1.5次会を頼みたいと連絡があったのだ。打ち合わせは結婚式が終わった2日後。式が終わっても後処理に追われていた僕が少し疲れた顔で「ねえねえ、打合せの時期早すぎない?」と苦笑いしながら言うと、石原は「いやいや、休ませないよ。」と満面の笑みで答えられた。彼のスパルタ具合には逆らえないようだった。
1.5次会を依頼してきたクライアントは僕らと年齢の近い優しい夫婦だった。
AtelierWeddingについての簡単な紹介と事業の概要を伝えた。2人からの要望は「これまで出会ってきた人に感謝を伝えたい。そんな、結婚式にしたい。」という要望だった。僕たちは「もちろんです。喜んでお2人の理想を叶えるお手伝い、させて頂きます。」と答えた。2時間ほど2人のこれまでの人生についてヒアリングをした。
その後スタッフのみで打ち合わせをし、内容を固めていった。僕はもう一度石原に「もうちょっと休みもらえないかな?」と伝えると「あーダメダメ。代表にはバリバリ働いてもらうから。」と再度、釘を刺された。その表情には悪意のない子ども心すら感じさせる雰囲気があった。本当にこの人は・・・。
打合せが終わり、「じゃあ、先に行くね。」と軽いあいさつを交わしてその場を後にした。外に出ると蝉の鳴き声とともに夏が全身を襲ってきた。あまりの暑さに汗が滝のように流れ首筋をつたう。
「今年は、あっついな・・・。みはるに蕎麦でも作ってもらうか。」ギラギラと容赦なく照らす太陽に向かって少し文句を言うと僕は次の旅路へと出発した。
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