負けそうで泣きそうで消えてしまいそうでも、生きるしかない
先日、中学校の合唱コンクールを見に行ってきました。
冒頭のAメロだけで、涙腺崩壊。十五の君たちが、この歌をうたうのは、ほんまに反則やって!
たぶんやけど。親にも友だちにも先生にも話せない悩みや葛藤を、個々に抱えながら、君たちは堂々とこのステージに立って、3年間の集大成ともいえる、力強い歌声を披露している。
あーー、この感動をどうやって伝えたらいいんやろ。
スポットライトを浴びた君たちは、本当に眩しくて、尊い。
と、同時に、その光は、心を貫く痛々しい矢のようにも見える。
誰かへの羨望が妬みに変わったり、誰かと比較して落ち込んだり、生きる意味がわからなくなったり、若者特有の無限大の感受性が、逆に自分を傷つけることもあるだろう。
それでも、君たちは歌っているのだ。十五の自分たちに向かって。
いまの中学3年生は、コロナ元年に入学し、たくさんの我慢を強いられてきた。それだけに、見ているこちらにも、感慨深いものがあって。
2年前には、合唱なんて考えられなかったもんな。合唱だけじゃない。運動会も、修学旅行も、部活動の大会も。学校行事の類いはことごとくダメになってしまった。
がんばりたいのに、がんばる舞台を奪われ、楽しみたいのに、楽しむ機会を奪われ、親としても複雑な思いを抱いてきた3年間。
けれども、そんな逆境のなかで、間違いなく、君たちは強くなったんだね。いろんなことを考え、経験し、成長したんだね。
その思いが、歌に込められているような気がしました。本当に本当に尊かったな。
2008年リリース、アンジェラ・アキさんの8枚目のシングル。NHK全国学校音楽コンクール中学校の部の課題曲として書き下ろした曲に、自身が歌うためアレンジを加えた。
いまの時代に聴いても心に刺さる歌詞と、美しい歌声、旋律、ピアノの音色が溶け合った名曲。
誰にも話せない悩みの種を持った君に、負けそうで泣きそうで消えてしまいそうになっているすべての人に、この歌が届きますように。
いつか君にもわかるはず。幸せになるためには、生きるしかないんだよ。
ではでは、またー!