NPO法人CHARMS

「国際ロマンス詐欺」「海外からの特殊詐欺」の情報や注意喚起のための記事を書いています。…

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「国際ロマンス詐欺」「海外からの特殊詐欺」の情報や注意喚起のための記事を書いています。売り上げはNPO法人CHARMSの活動費に寄付されます。NPO法人CHARMS https://npo-charms.org

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  • 国際ロマンス詐欺被害者レポート

    国際ロマンス詐欺の被害者の取材記事をまとめています。

最近の記事

  • 固定された記事

詐欺被害のあとのメンタルケア「眠れない」

国際ロマンス詐欺や投資系の特殊詐欺は、ここ数年で被害を訴える人が増えてみえる化しています。実際には被害件数も増えているのではないでしょうか? この詐欺は海外からのなりすましによる詐欺なので、被害にあってしまったらやれる対策には限度があります。 事後対策についてはNPO法人CHARMSのHPの記載の通りです。 残念ながら、お金を取り返す術はありませんので、無駄に調査費用などにお金を使わずに、警察に任せましょう。 被害届のあとにやらなくてはならないことは、ご自身のメンタルケ

    • AIが引き起こす新たな脅威:AI駆動のハイパー・ターゲット詐欺とは?

      アメリカ合衆国フロリダ州の団体SCARS Instituteの記事"AI-Driven Hyper Targeted Scams - the new Threat" を解説。 AIが引き起こす新たな脅威:ハイパー・ターゲット詐欺とは? 近年、AI(人工知能)が私たちの生活やビジネスに革命をもたらしています。しかし、その進化には明るい面だけではありません。詐欺師がAIを利用して、人々を狙った新しい詐欺手法を展開しているという深刻な問題があります。 AIによる詐欺の進化

      • ニュース記事解説:著名人かたるSNS投資詐欺、口座売却した名義人に賠償命令相次ぐ…「犯行に加担した」と認定も

        元記事:読売新聞オンライン 2024/08/19 15:00 報道内容の確認ニュースのポイント: 送金口座の名義人への返金要求の正当性 詐欺被害者が口座名義人に対して返金を要求することは、法的に一定の根拠があります。特に、口座が詐欺行為の中継点として利用された場合、口座名義人はその口座を詐欺に利用させたことで、「詐欺行為を助長した」と認定されることが多いのです。詐欺行為が成立するためには、振込先の口座が不可欠であり、その口座がなければ被害は発生しなかった可能性が高いため、

        • 詐欺脆弱性としての楽観性バイアス

          2023年に発表された消費者庁の「特殊詐欺等の消費者被害における心理・行動特性」(上野 et al. 2023)という500名近い消費者のデータをもとに解析したリサーチディスカッションペーパーによると、詐欺被害経験者は未経験者に比べて楽観性バイアスが高い傾向があるとの報告がありました。実はCHARMSが独自に行なった調査でも、同様の結果が観られています。 今回はこの楽観性バイアスについて解説してゆきましょう。 楽観性バイアスとは 楽観性バイアスは、ものごとを自分に都合よく

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        • 国際ロマンス詐欺被害者レポート
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        記事

          誤解してるかもしれない、インターポールの役割

          インターポールというと、アニメの「ルパン三世」に登場する銭形警部を想像する人は少なくないかもしれません。しかしながら、手錠をもってルパンを追いかける「インターポール」の銭形警部の姿は、実際にはあり得ないのです。(注記:文末参照) でも、「2022年に逮捕された当時ガーナにいた森川光という日本人詐欺師を逮捕するときに日本の警察が協力を得たのはインターポールでは?」と疑問に思われる方もおられるでしょう。 今回はインターポールって何をする機関なのか、ということについて解説したい

          誤解してるかもしれない、インターポールの役割

          国際ロマンス詐欺ー詐欺師から脅しを受けたらどうすべきですか?

          国際ロマンス詐欺の被害者の方から、「詐欺師から脅しを受けた」とか、「脅しを受ける心配がある」とご相談をいただくことがあります。 想定される脅しには、 警察に届け出たり、第三者に起きた事柄について伝えるなら危害を加える 家族や友人に危害を加える 写真やメッセージ内容を家族や友人、職場や公共の場に晒す などです。最初の2件は、殆ど恐れるに足りません。なぜなら多くの場合海外にいる可能性の高い犯行グループが被害者の方の家や職場までやってくるということは殆どないからです。

          国際ロマンス詐欺ー詐欺師から脅しを受けたらどうすべきですか?

          あなたの写真は国際ロマンス詐欺や投資詐欺で悪用されるか?

          CHARMSの無料相談に訪れる方々の中に、時々「詐欺師に自分の写真を送ってしまいました。悪用されるのではないかと心配です」とおっしゃる方々がおられます。 国際ロマンス詐欺やSNS型投資詐欺の被害者の方が、詐欺だと気づく前に写真を詐欺師に提供してしまうケースは少なくありません。 不安に感じられる被害者の方々のお気持ちを、私たちはよくわかります。写真が悪用されてしまったというケースは多くはありません。CHARMSの相談員は相談者の不安を掻き立てるよりは「写真が悪用される可能性

          あなたの写真は国際ロマンス詐欺や投資詐欺で悪用されるか?

          ネットで知り合った相手の文章を調査して詐欺かどうかを判別する

          この記事の目的国際ロマンス詐欺やSNS型投資詐欺などは、詐欺師が狙った獲物にフレンドリーに近づき、信頼関係を構築し、そして十分にグルーミングができたと判断された段階で投資に誘い込んだりお金の必要性を訴えたりしてきます。これらの詐欺はマニュアルで実行されており、出会い・信頼関係の構築から金銭要求までの各段階においてそのメッセージのパターンがあります。そのため、ネットで知り合った相手からのメッセージを調べることで、どの程度詐欺の可能性があるかを調べることが可能です。 この記事で

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          ネットで知り合った相手の文章を調査して詐欺かどうかを判別する

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          あなたの写真がSNS型詐欺の詐欺師による偽アカウントに使われていたらどうする?

          2012年に人気刑事ドラマ「相棒」の「ビリー」というエピソードが放送された頃、国際ロマンス詐欺や前払金詐欺に使われる写真の多くは、日本人を狙ったものであっても欧米人の写真がほとんどでした。しかし、NPO法人M-Stepが2016年頃からFacebookで国際ロマンス詐欺の注意喚起や相談を受けるようになってから、日本人や韓国人など東アジア系の写真を使った詐欺も見られるようになりました。 近年のSNS型詐欺(SNS型投資詐欺やロマンス詐欺)では、東アジア系の人物写真を使ったもの

          あなたの写真がSNS型詐欺の詐欺師による偽アカウントに使われていたらどうする?

          「法律事務所」から「犯人が逮捕されて被害金が返金される」と連絡を受けたら???

          CHARMSでは被害に遭ったばかりの方々だけではなく、以前にご相談をいただき、被害後しばらく時間が経った方から再びご相談をいただくことがあります。ご相談の種類はいくつかありますが、今回ご紹介するのは、実在する法律事務所の弁護士を名乗る人物から「被害金が返還される」という連絡を受けたという話です。果たしてそれは本当なのでしょうか? 答えは、もちろん詐欺です。幸いなことに、このご相談者の方の場合既に怪しいと感じておられ、新たな詐欺に巻き込まれることはありませんでした。しかし一度

          「法律事務所」から「犯人が逮捕されて被害金が返金される」と連絡を受けたら???

          クレランボー症候群と国際ロマンス詐欺

          論文解説 論文の要約 「オンラインロマンス詐欺による誘発性エロトマニア - ド・クレランボー症候群の新たな形態」 Published online 2024 Mar 20. doi: 10.1186/s12888-024-05667-6 PMCID: PMC10953121 PMID: 38509502 Induced erotomania by online romance fraud - a novel form of de Clérambault’s syndrome

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          ディープフェイクの罠: ビデオ通話の安全神話を超えて

          1.ディープフェイク技術の広がりとリスク ディープフェイク技術は、AIと機械学習を用いて実在する人物の顔や声を別の映像や音声に合成する技術であり、近年、その技術の進化とアクセスの容易さが顕著になっています。オーストラリアのカサンドラ・クロス教授(資料1)が指摘するように、この技術は既に国際ロマンス詐欺や投資詐欺に広く使われています。犯罪者たちはこの技術を悪用して、ビデオ通話上で自分の顔を他人の顔に偽装することができ、このリアリティが被害者を欺く新たな手口として用いられていま

          ディープフェイクの罠: ビデオ通話の安全神話を超えて

          自信過剰の罠

          元記事:SCARS:The Perils of Overconfidence: Understanding Its Role in Falling Prey to Scams – The First Time, And The Second, Etc.!  今回の記事は翻訳ではなく要約を含む独自の記事です。 最近、詐欺事件の増加が社会問題となっています。特に、オンライン空間で行われる金融詐欺やロマンス詐欺は、被害額が数千万円から億の単位に上るため、多くの人々が被害にあってい

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          国際ロマンス詐欺被害者の犯罪:なぜ詐欺に加担? 不正のダイヤモンド

          2023年に12月懲戒処分となった大阪府警西成警察署元巡査の大谷裕璃菜被告25歳。カナダ人男性医師になりすまし現金をだましとるなど、国際ロマンス詐欺に加担した罪で起訴されていますが、2024年1月23日の報道によると彼女自身も国際ロマンス詐欺被害者だったことが明らかになりました。 ニュースの報道内容犯行の背景には、大谷被告が以前に詐欺被害に遭っており、アメリカ在住の韓国人男性を名乗る人物に70万円を送金し、その金額をだまし取られたことがあります。その後、被害金を取り戻すこと

          国際ロマンス詐欺被害者の犯罪:なぜ詐欺に加担? 不正のダイヤモンド

          サイトを調べてみよう!

          はじめに NPO法人CHARMSでは国際ロマンス詐欺や投資詐欺の被害に遭われた被害者の方々のご相談をお受けしているのですが、時々被害者の方が詐欺師から知らされてたサイトのURLを教えてくださることがあります。具体的には、ナイジェリア型国際ロマンス詐欺の場合偽の荷物のトラッキングや休暇申請を行う偽の軍のサイトなど。投資詐欺であれば偽の投資サイトなどです。 それらのサイトを調べますと、殆どの場合フィッシングやマルウェアが仕組まれています。 フィッシングとは: マルウェアと

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          公開! 写真検索テクニック!

          写真検索ツール国際ロマンス詐欺や投資詐欺の被害に遭ったり遭いかけたときに、自分で調査したいと思った方が実際にトライしてみるのが写真検索かもしれません。しかし誰でも知っているGoogleで検索すると、意外にも検索がヒットしないのです。 その、Googleでヒットしない写真を検索かけられるツールがあります。以前、「写真検索の功罪」という記事を書きました。 この記事では、「Yandex」というサイトの使い方について、有料記事でご紹介しています。実はほかにも強力な検索ツールがあり

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