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なにかが、おかしい ⑮

月曜日ー卒業生の小学校の先生と会った。

そのとき、5月末に中学1年生の息子さんの授業参観に行ったスタッフから聞いた中学校の英語の授業の話をした。

What is this?/What is that?

の答えには It を使うと言いながら、担当の先生が

別にthisやthatでもいいんだけれどね。

と、付け加えたという。

いやいや、最初はきちんとルール教えて、定着させようよ、と、
驚いたし、その場にいなくてよかったと思ったけれど

その発言、あながち間違ってはいない。
けれど、基礎の確立していない中学1年生の授業で簡単に口に出して良いことではないー

と、私は思う。

そして、それを言ったのだったら、詳しく説明しなさいよ!
と、私が親ならそこで口を出してしまったかもしれない

そんな話をした。

そこで、thisやthatが使われる可能性がある状況をきちんと説明できるなら、国語での子どもたちの苦手な「こ・そ・あ・ど・ことば」の復習、習得にも少し貢献するかもしれないのに、残念だ

と、付け加えると

ーでも、そこまで説明すると、学年によっては、英語を嫌いなる生徒もいますよね

と、小学校の先生が言いだしたので

「義務教育での英語を教える意味、取り違えているのではないか」

と、聞いてみた。

小・中学校で学ぶものは、すべて教養の土台となるものでしかない。

その上に何を作り出していくかは、生徒次第であり、学校の先生たちが先走って考えることではないし

説明しないことで基礎が分からず、嫌いになる生徒もいるはずだ

と、私は思う。

外国語学習は、外国の文化と言語を学ぶことに加えて、振り返って自らの言語と文化を知ることを目標とするものだ。

だから、義務教育で一度皆、外国語に触れておくのではないのだろうか。

それこそ、みんなに必要とは限らない。
皆が、好きである必要もない。

でも、知っているか知らないかで将来の道が変わってくることがある。

だから、他の教科と同様、英語を義務教育で教えることは、内容以上に、その習得に向かう姿勢を示すことが大切なのだと思う。

それは、みんなが英語を好きになり嬉々として習得したいと思うというような姿勢ではなく、外国語を学ぶ意義や、外国語を学ぶことでできることを想像できる環境ではないのだろうか。

this/that/itが使われるときのものの位置関係を考える良い機会にすれば、少し英語を身近に考えられる生徒もいたかもしれないのに。


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Terakoya Kamei
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