『キリンを作った男(著:永井隆)』〜読後感は少しほろ苦い、キリン『一番絞り』を作った人物のノンフィクション
【内容】
キリンビールの『一番搾り』、『淡麗』、『氷結』などの商品開発に携わった前田仁のノンフィクション。
【感想】
『岩崎弥太郎と三菱四代』という三菱財閥についての本を読み、三菱系列のキリンビールはどうだったかということが気になり、手に取ってみました。
が、タイトルからの印象と違い、キリンビールの創業関係の本ではなく、キリンを商品開発と経営から再生された前田仁に焦点を当てたノンフィクションでした。
サラリーマン時代のしりあがり寿が、前田氏の元でデザイナーとして働いていたとのことでした。しりあがり寿さんは、以前ちょっとした賞に引っ掛かった時に、少しだけお話したことがあったのですが…
https://note.com/tenten2021/n/n2fc3d8e190a0
キリンでバリバリに主力商品のデザインの仕事していたことを、この本で初めて知りました。
https://www.shinchosha.co.jp/book/105431/
実際に著者本人が、数々の関係者に取材したインタビューも、著書に入っているので、その当時の空気感も伺い知ることが出来る本になっていました。
当時のビール業界にとっては、アサヒのスーパードライの衝撃が大きかったということもあり、アサヒビール側に関する記述なども多かったりして、当時のことを立体的に知ることの出来る構成になっていました。
また、事細かに取材していて、当時の社内政治的なことから、会社ごとの社内事情なども書かれており、なかなか読み応えのある本でした。
https://www.shinchosha.co.jp/book/105431/
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