見出し画像

『百日紅 〜Miss HOKUSAI〜(劇場アニメ』)』〜江戸の妖怪と北斎の世界が動き出す!原恵一監督による江戸絵巻

視聴環境:U-NEXT

【内容】
葛飾北斎の娘のお栄と、その周辺の人物たちを描く。杉浦日奈子の漫画を原作とした原恵一監督作品。


【感想】
以前、劇場公開されたアニメが話題になっていた作品が、U-NEXTの見放題に追加されていたので、観てみました。
この作品は、世界的に知られる葛飾北斎や浮世絵をテーマにした時代劇をアニメ化したもの。おそらく、世界市場での展開を意識した企画なのではないかと思いました。その影響もあってか、リミテッドアニメの手法に浮世絵的な表現が織り込まれ、独特のビジュアルが印象的でした。
江戸の町人や絵師、花街の世界、さらには妖怪までが登場するストーリーは、それなりにリアリティーラインの高いものでは、これまであまり見かけないスタンスの作品だと感じます。とはいえ、もう少し徹底的な作り込みや創作体制が整えば、さらに面白いものになる可能性があるとも思いました。
こうした日本の文化や歴史に根ざしたアニメ作品には、今後大きな可能性があるのではないでしょうか。たとえば、中国やインド、イスラム圏の国々がそれぞれの文化や歴史を題材にアニメを制作するようになれば、より多様な作品世界が広がるのではないかと感じます。近年のCG技術の発展によって、インド映画が『バーフバリ』や『RRR』といった独自のエンタメ作品を生み出しているように、そんな日が近いような気がしました。
そういえば、大友克洋が日本中世の巻物的な表現や世界観をもとに短編アニメを制作していたのを思い出しました。ただ、その作品はどこか「表現を置きに行った」ような印象で、個人的にはあまり楽しめなかった記憶があります。
この作品も含め、文化的背景や歴史的題材をどう表現し、物語として魅力的に仕上げるかが、今後のアニメの新たな挑戦になるのではないでしょうか。

https://amzn.to/3BKOLaR

いいなと思ったら応援しよう!