『上流階級 富久丸百貨店外商部 其の三』(高殿 円 著)
※ネタバレします。
【内容】
アラフォー女性の静諸が、老舗デパートに転職したが、富裕層顧客専門部門である外商部配属されることになる。
静諸は、富裕層顧客からの数々の無理難題に悩ませながらも懸命に奮闘する。
【感想】
色んな切り口から、よくこんなに書けるなあと…
例を挙げると、美容整形、中学受験、SNS中傷、終活、売り立て、家の購入、毒親問題についてなどなど…
百貨店の外商という、こんな切り口で、社会を描くことが出来るなんて思いもしなかったし、とにかくキャラが立っていているし、面白いし、なにより勉強になりました。
考えてみると、子供の頃に通っていたとある音楽教室とか、大学で出会った同級生の女の子とかは、ここでいう上流階級の子がいたのかなあと思ったりしました。
営業や人間関係に関する名言の数々もこの小説の魅力だと思いました。
新しい形の探偵もの的な物語だなあと…
企画としては思いついても、ここまでしっかりとエンタメ作品に出来るのは、作者の腕があるからだなあとも思いました。
ラストの引きも凄く良くて、次が読みたくなりました。
https://www.shogakukan.co.jp/books/09406892