テニス上達メモ037.テニスは「見た目」で勝負?(「自己肯定感」との関わり)
▶「服装」に影響を受ける私たち
「ユニフォーム効果」をご存知でしょうか。
これは、「人は身を包む衣服に、自他ともに多大な心理的影響を受ける」という心理学上の理論で、信憑性の高い事例が世界中から報告されています。
たとえば、普段はそうでもない人でも、上等な洋服をまとえば、立ち居振る舞いが優雅になる授業参観のご父兄の例。
あるいは、企業のユニフォームを着用すると、社会的ステータスや優位性を感じるビジネスマンの例。
はたまた、ごく普通の青年が長ランを着ると、実際に態度がデカく、粗暴になるという学生の例。
さらに、血を見るのも怖いというのに、ナース服に身を包むと堂々としていられる乙女の例。
そして、普段は自信がないのに、全身のウェアを強そうにコーディネートすると、実際になんとなく強くなった気がして、メンタル的にタフになるというテニスプレーヤーの例。
「そんなのあるか!?」と、いぶかられるかもしれませんけれども、みすぼらしいウェアを着ているよりは、何かしらの効果が期待できるかもしれません(逆にみすぼらしいウェアを着て、対戦相手を油断させるのは「逆ユニフォーム効果」?)。
「自分の機嫌は自分で取る」という話は後述しますけれども、それとともに、相手へ与える影響も少なくなさそうです。
▶「中身」よりも「外見」なの?
こういう話をすると、「見た目で実力を誤魔化そうとするなんてナンセンスだ!」と思われるかもしれません。
「人は、外見よりも中身が重要だ!」と。
私も本質的には、そう思います。
意外に感じた読者も、いるかもしれません。
反感・嫌悪感を覚える向きもあるでしょう。
テニスゼロは「外見」を重視するだなんて「偽善か?」と。
▶自然界も「見た目」で勝負
とはいえ就職活動や恋愛に関するご相談をお受けする場合、私が差し当たってお願いするのは服装に限らず「見た目磨き」です。
「採用されなくてもいい」「モテなくてもいい」というなら話は別ですが、人は見た目の影響を、どうしても強く受けてしまうからです。
いえ人に限らず自然界の動物も、クジャクは派手な羽でアピールしようとするし、猫は毛を逆立てて、自分を大きく見せたりしようとする。
国でさえ、武器を保持した広義の「見た目」で、影響力の誇示をする。
ドスの効いた声で脅されると、やっぱり気圧(けお)されやすいのではないでしょうか?
社会的動物である以上、人は孤立して生きられず、他者との「つながり」に関わるのが真っ先に「見た目」です。
▶ 人は見た目が9割「メラビアンの法則」
この「ユニフォーム効果」は1971年、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の心理学名誉教授によって提唱された「メラビアンの法則」でも説得力を補強できそうです。
人の印象を左右するのは、話している内容の「中身」よりも、むしろ話し方や身振り、表情、声質、勢いなどのいわば「外見」が影響する割合のほうが、下記の内訳により圧倒的に高いという法則。
視覚情報:55パーセント
聴覚情報:38パーセント
言語情報:7パーセント
もちろん状況や人間関係の間柄などによっても数値は変わるでしょうけれども、ザックリ見積もっても「外見情報」の視覚と聴覚を足すと、「93パーセント」にも及びます。
まさに「見た目が9割」です。
私たちは知らず知らずのうちに、外見を通じて「この人は性格が良さそうだ」「あの人は気難しそうだ」「こいつは気が弱そうだ」「面白そうだ」などと、それが合っているかどうかはさておき、過去の記憶からパターンをさかのぼって瞬時にレッテルを貼ります。
つまり、自分でも気づかない一瞬で、「外見からの影響を受けている」のです。
▶決めつけは「自己肯定感」を損なう
それはもちろん、一時的な主観による決めつけでしかないのだけれど、社会生活を安全に送るうえではまだ知り合ったばかりだと素性が知れないから、「暫定的な評価」として位置づけることで私たちは自分を守れます。
「自己主張するのが自己肯定だ!」とばかりに意見をズケズケ言うと、もしも相手が暴力的な性格だったら逆恨みもされかねません。
ただし上記は本当に「暫定的」であり、仮にこのような決めつけによる評価が常態化すると「自己肯定感を損なう」から、特に特に注意が必要。
「あの人は優れているから良い」「あの人は劣っているからだめ」という評価を下すと、それは自分についても「優れていなくてはいけない」「劣っていてはだめだ」という感じ方になり、ありのままの自分を肯定できなくなってしまう(自己肯定感を損ねてしまう)のです。
見方を変えれば、何かと「決めつけてくる人」というのは、私たちの周りに少なくないですけれども、自己肯定感の低さが垣間見えるというわけです。
▶マッケンローの悪態は「わざと」?
過去の記憶からパターンをさかのぼって瞬時にレッテルを貼る。
私たちに学習能力がある限り、この「呪縛」から逃れるのは容易ではありません。
だからこそ、ゲームでは逆手に取ると有効です。
「ユニフォーム効果」に限らず、対戦相手の動揺を誘うために「わざと」やっていたとささやかれるジョン・マッケンローの「派手な抗議・暴言」なども、広義の意味で「見た目」による威嚇・攻撃(口撃?)と言えるかもしれません。
当時交際していた女優のテータム・オニールをして、「(彼の苛立ちを示すパフォーマンスは)役者顔負けの演技よ」と言わしめました。
https://youtu.be/nlGZmJrBtNc
▶自分の「機嫌」は自分で取る
もちろん暴言などは褒められた行為ではないかもしれないけれど、見た目における工夫の施しようがいくらでもありそうなバリエーションを示唆するといったら、不謹慎でしょうか。
後述するノルディックスキー・ジャンプと同様、メンタルの影響が、特に関わるテニスです。
そして「見た目」というのは相手に与える影響とともに、「自分に与える影響」も大きいものです。
普段のジャージ姿で街へ出かけるよりも、とびきりオシャレなファッションに身を包んだ方が、気分がアガるのではないてしょうか?(←あくまでもTPOであり、「ジャージがオシャレではない」などと言いたいわけではありません)。
「自分の機嫌は自分で取る」などと言いますが、見た目による工夫、つまり「ユニフォーム効果」でそれができる可能性は即効性が高く、手軽と言えます。
ノルディックスキー・ジャンプ高梨沙羅の発言などは影響力があり、とても参考になりますね。
▶広義の見た目は「いくらでも工夫」できる
足元はサンダルでTシャツ&短パン姿の営業マンから、「高級セダンを買いたい」という人はあまりいないでしょう。
髪の毛が整えられずボサボサで伸び放題の美容師に、「きれいにカットしてもらいたい」という人もあまりいないでしょう。
相手に与える影響とともに、「自分に与える影響が大きい」ユニフォーム効果。
「自分の機嫌は自分で取る」ことができる自己コントロール力への信頼は計り知れません。
ユニフォームに限らず、広義の「見た目」を工夫して自他に影響力を行使する「ユニフォーム効果」、効果ある……かもしれません!
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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