テニス上達メモ077.「本物の素直」と「偽物の素直」。テニス上達のためにどちらを選ぶ?
▶「意識しなくていい」のではなくて……
ヒザは状況に応じて、「曲がる」。
サーブでプロネーションは、「行なわれる」。
フォロースルー時に腕は、「振られる」。
この表現を読み流さずに、何かピンとくるでしょうか。
ヒザは、状況に応じて「曲げる」のではなく「曲がる」。
プロネーションは、「行なう」のではなく「行なわれる」。
フォロースルーは、「振る」のではなく「振られる」。
つまりスイング(運動全般)は、能動的ではなく、あくまでも受動的、かつ自動的。
ここでの読み流さないためのポイントは、体の動きを「意識しなくてもいい」のではなくて、「意識しないほうがいい」理解と実践です。
▶自然体でノビノビ動いていたら……
私たちは小学校に入ったばかりのころから、「腕を振って、ヒザを上げて!」と、意識するように指導されてきました。
なぜ、指導されるのでしょうか?
それまでは自然体でノビノビと動き、「意識していなかった」から、意識するように指導されるのです。
▶こうして「格差」は広がった
その結果、何が起こったか?
先生の話をよく聞く、勉強はできる優等生グループと、先生の話を聞かない、運動なんて自分の感覚でチャッチャとやってしまうガキ大将グループとの格差が広がりました。
勉強「は」できると書いた表現を、読み流さないでください。
そのグループはよくある傾向として、運動「は」苦手。
先生の話を聞かないガキ大将グループは、運動「は」できたのだけれど……。
▶勉強も運動もできた万能タイプの正体
もちろん、勉強も運動も両方できた万能タイプもいたけれど、彼、彼女は、試行錯誤が許される、自己肯定感の高さを損なわない成育環境で育ったのです。
親や周りの人から「自分の言いたいように、やりたいように、やってみれば」と。
コチラのしつけの話ともオーバーラップしますけれども、そうやって育てられ、育った子どもの心が、いわゆる「素直」です。
文字どおり「素」のまま、真っ「直」ぐ。
後述しますが「人それぞれ」なのに、自分の言いたい・やりたい気持ちややる気をねじ曲げて、親や先生やコーチの言うことを、何でも「ハイ!」「分かりました!」と聞き入れるのが「素直」なのでは、決してありません。
それは「偽物の素直」。
返事をちゃんとして何でも言うことを聞く、いわゆる「お利口さん」などと褒められるタイプでしょうか。
しかし実はそれだと、素のまま真っすぐではなくなり、心がねじ曲がって、歪むのです。
▶素直は、「自己肯定感」を読み解くキーワード
素直(素のまま真っ直ぐ)というのは、「自己肯定感」を読み解くキーワードではないでしょうか?
先生や親やコーチの言うことに、何でも「ハイ!」「分かりました!」と従う、一般的に想像される「素直」なイメージとは真逆で、自分の言いたいことを言い、やりたいようにやるのが本当の「素直」。
「ちょっと待て!」
「言いたいように言う?」
「やりたいようにやる?」
「そんな甘っちょろいしつけで果たして、誠実な人間には育たないのではないか?」
いえむしろ、何でも「ハイ!」「分かりました!」と従うほうが、心が歪む(ストレスがたまる)から、危ないのです。
▶誘いを断るのに「仕事があって」と嘘をつく人
素直だと他人に振り回されません。
自分の都合や体調や気分を優先できます。
何しろ「素」ですからね。
コチラの天然さんにも通じるところがあるかもしれません。
誘いを断るのに「(ないのに)仕事があって」などと嘘をつくのではなく、「気分が乗らないから、次回また誘ってね」と素直に言えます。
嘘も方便とばかりに、「仕事があって……」などと嘘をつくのが不誠実であり、「本当のことを言うと相手の機嫌を損ねる」とさげすむ他者否定感が、正比例の相関である自己肯定感を損ねている。
店を決めるときにも、相手に合わせるばかりではなく、自分が食べたいものを提案できる。
授業中、トイレに行きたくなったら「行きたい」と。
生理現象です。
いくら休憩時間に済ませておくとしても、バイオリズムも「人それぞれ」。
それすら咎め、咎められる風潮(校則を含む)は、今の多くの日本人の自己肯定感を損ねた誘引となったのではないでしょうか?
▶自分を「卑下」するのは、「謙遜」ではなく「支配」
素直だと、自分を卑下も自虐もしません。
気が置けない間柄で変わす冗談ならまだしも、「私は本当にダメ人間なんです」などと卑下する物言いは、「そんなことないよ」と、相手に答えさせようとする、反論の自由を許さない依存・支配であり、その他者肯定感の低さが、正比例の相関である自己肯定感を低めます。
まさか、先の会話に呼応して「あなたは本当にダメ人間ですね」とは、冗談でもなければ、相手は答えられるはずもないからです。
▶テニスが真っ直ぐ、スクスクと
先生や親やコーチの言うことを何でも「ハイ!」「分かりました!」などと聞き入れるのは、「本物の素直」ではありません。
一般的な印象とは真逆で、それは「偽物の素直」。
真っ直ぐではなく、歪んでいます。
その時々の都合、体調、気分、言いたい・やりたいことは、「人それぞれ」だからです。
歪んでいると、テニスが真っ直ぐ、スクスクと、伸びていきません。
▶よそはよそ、ウチはウチ
「人それぞれ」と言いました。
つまり、いにしえより伝わる「よそはよそ、ウチはウチ」は、本当だったのですね。
そんな精神が息づいていたころの日本は、自殺する人が年間で約2万人もいる病んだ現代の日本社会とは違い(今も約2時間半に一人が逝く)、自己肯定感が高かったのだと思います。
▶自然体でノビノビいきましょう!
ヒザは状況に応じて、「曲げる」のではなく「曲がる」。
プロネーションは、「行なう」のではなく「行なわれる」。
フォロースルーは、「振る」のではなく「振られる」。
表現は似ていますが、意識「するか・しないか」だから、ベクトルは真逆です。
「意識しなくてもいい」のではなくて、「意識しないほうがいい」理解と実践。
それは「テニスのプレー」も、そしてボールに集中するうえでは「人の目」も。
自然体でノビノビいきましょう!
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