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テニス上達メモ032.ときには「コンフォートゾーン」から外れるテニス(人生)。するともっとコンフォート!


▶対戦相手に「揺さぶり」をかけるには

 
試合を優位に進めるには、「相手に揺さぶりをかけるプレーが大事」と、よく言われます。
 
同じショット、同じ攻め方、同じ守り方ばかりを繰り返していては、相手に慣れられる。
 
いろんな仕掛け方をして、相手に展開を予想させない揺さぶりが重要である、と。
 
確かにそのとおりですね。
 
しかしこれ、実際にやろうとするとかなり難しい。
 
それは、技術的に、というよりも心理的に、です。

▶「快適なプレー」にこだわると……


というのも、プレーヤーには自分の得意とするショット、プレースタイルがあり、できるだけそれにこだわりたい性質が、一般的によくあるからです。
 
つまり、フォアハンドストロークが得意なプレーヤーは、できるだけフォアを打ちたいと思い、実際にそれに頼り、こだわる。
 
それがいちばん、自分にとって「快適」だからです。
 

▶こだわるほど「単調」になる

 
しかしやっている内容は「相手を揺さぶる」のとはまったくの逆で、こだわればこだわるほど、プレーは単調になりやすいのです。
 
もちろん、それで上手くいっているのであれば問題ないのですけれども(※注1)、劣勢に立たされたときほど余計にこだわろうとするから、ますます相手を調子づかせてしまいます
 
自分にとって快適なプレーは、相手にとっても快適なプレーになりかねないというジレンマ……。
 
※注1
上手くいっているときには、むしろ変えないのが定石です。
 
より良くしようなどとして、それ以上に欲をかくと、足元をすくわれかねません。
 
それではいわゆる、蛇の絵に足を付けたして負ける「蛇足」になりかねません。
 

▶コンフォートゾーンで「ヌクヌク」する


心理学の研究によると、人にはそれぞれ「コンフォートゾーン」という領域があるそうです。
 
それは、ここでは簡略化してお伝えするために意訳すると「自分が快適でいられる領域」の意味。

後述しますが、領域といっても物理的な距離や空間、面積だけではゆく、見た目や年収、健康状態などにも、この「快適領域」は幅を利かせます(※注2)。
 
快適だから、人はこの「コンフォートゾーン」にとどまろうとするし、この快適な範囲を、かたくなに守ろうとします
 
つまりテニスに当てはめると、攻め方、守り方を変えていかなければ、コンフォートゾーンでヌクヌクとしてしまって、同じショット、同じ展開を繰り返してしまい、戦況を変えられなくなる危険性が高まると言えます。
 
一層、対戦相手に慣れられてしまうのです。
 

▶「揺さぶり」はこうしてかける

 
では具体的に、試合で劣勢に立たされていて戦況を変えたいためにはどうすればいいかというと、対戦相手に慣れられないために、あえて「コンフォートゾーン外のプレーも混ぜる」ようにします。
 
ストローカーでも、サーブ&ボレーに出たり、その逆で、ボレーが得意でも、適応されてきたらストローク戦で粘ったりするなど。
 
これは、自分にとってまったく快適ではありませんけれども、上手くいくかどうかの結果はさておき、「対戦相手に揺さぶりをかけるプレー」だけは、差し当たって実現します
 

▶「新たなコンフォートゾーン」が見つかる


ときには、自分にとって快適ではないプレーを選択してみる。
 
そんな施策を試してみると、突破口が見つかるかもしれません。
 
自分はストロークにこだわっていたけれど、ネットに出たら案外相手はミスしてくれる。
 
テニスは、逆の立場で考えると分かりやすいのでしたね。
 
自分のボレーの巧拙はさておき、相手にネットを取られるとプレッシャーを感じるとすれば、それは相手にとっても同じこと
 
コンフォートゾーン外のプレーを試してみると、案外「新たなコンフォートゾーン」を得るきっかけにもなります。
 

▶実は「見た目」も「年収」もコンフォートゾーンしだい


※注2
コンフォートゾーンは「ゾーン」とはいえ、物質的な面積や空間ばかりではなく、その人の外見や健康状態、資産状況、人間関係、日々の忙しさなどにも、その領域は多岐(すべて)に及びます
 
どちらがいいとか悪いとかではありませんけれども、たとえば「老け込むのはまだ早い」と思って違和感を覚える人は、食生活や生活習慣に気を配るでしょう。
 
「もう年だから」と思ってその領域でヌクヌクすると、年相応の老け方になる。

それがその人にとってのコンフォートゾーンだからです。
 
あるいは「自分は年収300万円くらいが妥当だ」というのがその人のコンフォートゾーンだとすると、いくら「お金持ちになりたい!」と願っても、高くなりすぎると不安になり、低くなりすぎても心理的な負荷がかかるから、その300万円程度の年収に、「やっぱり落ち着く」ように作用します。
 
全然働かないのに裕福だったり、とても頑張って働くのに生活が苦しかったりする違いがあるのは、その人の能力いかんというよりも、「コンフォートゾーンがそうさせている」と言えます。
 
「イメージ」が支配しているからです。

▶「不健康」は自分が望んだ結果

 
仮に不健康な状態がその人のコンフォートゾーンだとすると、表面的にはいくら「健康になりたい!」と願っても、「頭が痛かったり」、精神的にも「ふさぎ込んだり」するのが自分にとってふさわしいと感じられて、現実的にそうなる心理作用が働いたりします。
 
それによって、周りの人からの庇護も受けやすくなったりするからです。

子ども時代、普段はそうでもないのに、熱を出したときに限って親から優しくされたイメージがうずくのです。
 
ですから今より稼ぎを増やしたかったり、健康になりたかったりする場合は、現状では決して快適ではないと感じる領域へ、コンフォートゾーンをズラす施策を打つというのが今回のテーマ。
 
「ゆっくり過ごしたい!」と願っても、慌ただしくするのがコンフォートゾーンの人だと暇を持て余し、「もっと活動したい!」と願っても、ゆっくりするのがコンフォートゾーンの人だとオーバーペースになるから、結局もとの生活リズムに落ち着いてしまうのに似ています。

 
「忙しい」と言いながら、その人にとっては忙しくするのがコンフォートゾーン。
 

▶だから人生「つらくなる」


ここでの要諦は、「快適に甘んじるな。苦労せよ!」などと言っているわけではありません。
 
貧乏だったり不健康だったりする現状について、本人が「快適だ」などと無意識裡に「思い込んでいる」ところに、人生が上手くいかない原因があります。
 
たとえば、庇護されるのは確かに快適だと思い込みがちかもしれないけれど、その庇護が、自身の不健康を前提に成り立つコンフォートゾーンだから、人生はつらくなるのです。
 

▶「自分らしく」生きるために


テニスで言えば、同じプレーを続けているのが快適だと思い込みがちかもしれないけれど、その快適が、自身の劣勢を前提に成り立つコンフォートゾーンだとしたら、戦況はやっぱり苦しくなるのです。
 
人生や生活が苦しいのに現状に甘んじている場合、それを「快適」だと(無意識裡に)思い込んでいる節があるのだけれど、それはあたかも「不登校を是とする考え方」。
 
もちろん無理やり学校へ行く必要はないのだけれど、不登校が快適だと思い込んでいるコンフォートゾーンの外側には、「君らしい快適な人生や生活があります!」というライフハックです。
 

▶「幸せ」は主観ではない。その客観的評価とは?


幸せには、主観的な幸せと、客観的な幸せとがあります。
 
「自分が幸せと感じればそれでいい」という主観的な評価だけでは成り立ちません。
 
「覚醒剤」をする人は、それが主観的には得も言われぬ多幸感を覚えるわけですが、客観的には恐らく不幸。

客観的に見て(主観的にも)不幸な場合、素のまま真っ直ぐではなくなっていて、自分らしさが表出していません。
 
コンフォートゾーンの外側には、「自分らしい快適な人生や生活がありますよ!」

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero