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質問124:どうやったら、こういう余裕のあるプレイが出来るようになるの?
こんにちは。※※です。
またまた、質問お願いします。
昨日はレッスンに試合慣れされていると思われるとても上手な女性が
振替にいらっしゃって一緒にレッスンを受けさせて頂き、試合運びやボールの配給などとても参考になりました。
最後の試合は一緒に組ませて頂いたのですが
試合中、私はボールに近づくのに焦ってしまい打つ直前になって
‘チョコチョコ’と歩幅を合わせてしまいます。その点彼女は歩数も少なくボールを綺麗に打てる所まで動いていました。
その美しい動きを見ても
私=余裕がない 彼女=余裕がある
というのが素直な感想でした。
レッスン後いつものメンバーで「彼女はなんであんなに余裕があるプレイが出来るのか?」
と話をして帰って来ました。
「試合慣れしてる」「ボールの来る所が予測出来ている」等いろいろ意見は出ましたが
どうやったら、こういう余裕のあるプレイが出来るようになるのでしょうか?
それとも私達から見ると上級者は、余裕があるように見えるだけなのでしょうか?
回答
▶典型的な「現実に対するイメージのズレ」
これは典型的な「イメージのズレ問題」です。
イメージがズレているとボールに、追いつかないというより、追いつきすぎるというか、突っ込みすぎるきらいがある。
突っ込むために慌ただしいフットワークが必要になるし、突っ込んだぶん急ブレーキをかけるためのフットワークもまた、慌ただしくなる。
イメージが現実どおりだとボールが飛んでくるのを待てるから、そもそも動かずに済むし、急ブレーキをかけたりする必要がない打点にジャストで入れるフットワークだから、なおさら動かずに済むのです。
▶「焦る」原因はこれ
焦るから、フットワークが忙しくなるのではありませんよ。
これも「逆」。
悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいという、行動や体験が先で、感情や気持ちが後にくる「アズイフの法則」です。
仏語では「顛倒」。
まさか、悲しいから喪失体験をするわけではありません。
喪失体験をするから、悲しいのです。
テニスで言えば、現実に対するイメージがズレていてフットワークが忙しいから、精神的に焦るのです。
▶「目的」に応じて体は自動的に動く
イメージが現実どおりなら、あとはボールを打つという「目的」に応じて、体は意識とは関係なく、自動的に動いてくれます。
ですから、その振替で来た上手な女性が意識してゆったり大股で動いているわけではないし、※※さんも、意識してチョコチョコと動いているわけではないはずです。
頭上から何か物が落ちて来て、頭にぶつかりそうになったとき、体は自動的に身をかわすと思います。
それは、落下物を避ける「目的」があるからです。
この時、どちらが急激な動きをしなくてはならないか?
つまり、落下物を頭上30メートルのところで認識できた人は、まだ余裕を持って動けます。
だけど頭上5メートルで認識する人は、その動きは大慌てです。
その上手な女性は、より早い段階でボールを認識できていて、いつものメンバーの方々は、その認識が遅れています。
▶いつからボールに集中する?
なぜそのような違いが生じるのでしょうか?
「ボールにいつから集中しているか」がポイントです。
その上手な女性は、恐らく相手が打った瞬間から、いえ、もっと早く自分が打ったボールが飛んでいく直後からも、つまり「いつも」ボールに集中している。
一方いつものメンバーの方々は、自分が打った瞬間には「大きいかな!」「甘いコースに行ったかも!」「詰まった感じがする!」などと、ボール以外の思考に意識が向いている可能性があるのです。
そこから改めて「さぁ、ボールに集中し直そう!」としても、自分が打ったボールが返ってくるまでにはわずか1秒ちょいでしょうから、落下物が頭上5メートルに迫っているがごとく時すでに遅し……というふうになりやすいのです。
▶良い悪いは「決めつけ」
ただし、ゆったり大股が良い、チョコチョコの小股が悪い、というわけではありません。
距離と時間の余裕がないのにゆったり動いていたら、やっぱり遅れます。
ですから体は、ちゃんと状況に合わせて自動的に動いてくれているのです。
なのに意識して大股で動くのがよい、小股で動くのはダメなどと決めつけると、上手くはいきません。
▶常識的なテニス指導は「ありのまま」を否定する
よく常識的なテニス指導では、「ボールを追いかけるときは大股フットワーク」「打点に近づいたら小股フットワーク」などと教えますけれども、それは意識してそうするわけではありません。
ボールを打つ目的に応じて集中していれば自然とそうなるし、場合によっては届かない場合は、ノバク・ジョコビッチのように打点に入る最後の一歩がいちばん大股の開脚スタンスになるフットワークもあるのです。
「ボールを追いかけるときは大股フットワーク」「打点に近づいたら小股フットワーク」などアドバイスするのも決めつけであり、ありのままを否定するというのは「自己肯定感」を損なう原因と同じ相関です。
素のまま真っ直ぐ、素直に感じるままに動くのがいちばんです。
▶「早く、速く」がテニスをダメにする
先述したとおり、ボールには早く(いつも)集中します。
ですがテニスは、早く、あるいは速く動けばいいだろうとばかりに先走ると、上手くいきません。
オーケストラの演奏やダンスが、「速ければいいだろう」とばかりに音楽を無視して速く演奏したり踊ったりするようなもの。
テニスはオーケストラの演奏やダンスが音楽に合わせるがごとく、ボールに同調して動くのです。
ボールに同調して動くと、無駄や慌ただしさがないから他人の目には、場合によっては優雅なフットワークに映るし、状況によっては遠いボールにも届くから素早い動きにも感じられます。
▶「テイクバックを早く!」でテニスがますます下手に
フットワークから脱線しますが、「テイクバックを早く」というのは、テニス初心者が口酸っぱくアドバイスされる代表的なフォーム指導です。
「早く準備するぶんには構わないだろう」と。
しかし、そうではないのです。
そうやってテイクバックを早く引くことを意識すると、引いた「形」だけは確かに早くできますが、ボールとテイクバックが同調していないため、結局振り遅れる、あるいは次は遅れないようにと打ち急ぐ打球タイミングのエラーを引き起こします。
▶ボールの「目飛ばし問題」
あるいはもっとよくあるのが「目線」です。
「ボールの行く先を早く見ればいいだろう」とばかりに「目飛ばし」するから、ボールが視界からスッスと消えます。
これもボールに対する集中力の欠如が原因。
目線も同調して、ぴったりボールの動きを追随する「追視」が、テニスを上手くプレーするうえで大事です。
ちなみにストリンギングで、縦糸に対して横糸を交差せずに飛ばしてしまうエラーも「目飛ばし」ですが、これも集中力の欠如が原因かもしれません。
とはいえストリンガーさんの作業を思えば、本当に「お疲れさまです」。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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